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#481 「学究社事件」東京地裁立川支部(再々掲)

2019年2月20日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第481号で取り上げた労働判例を紹介します。


■ 【学究社(以下、G社)事件・東京地裁立川支部判決】(2018年1月29日)

▽ <主な争点>
再雇用契約、定年退職前の賃金との差額分請求など

1.事件の概要は?

本件は、定年後再雇用されたXが(1)再雇用契約による賃金と定年退職前の賃金との差額分についての未払賃金、および(2)定年退職前における割増賃金(なお、予備的に同額の不法行為に基づく損害賠償も請求)の支払を求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<G社およびXについて>

★ G社は、中学校、高等学校および大学の受験指導を行う進学塾を経営している会社であり、東京都を中心に小中学生を対象とした進学塾「ena小中学部」を運営している。

★ Xは、G社との間で期限の定めのない雇用契約を締結し、昭和57年から定年退職をした平成27年2月28日まで、「ena小中学部」のA校において正社員として勤務した者である。

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<XとG社との再雇用契約、同契約の終了に至る経緯等について>

▼ Xは27年2月末日で定年退職を予定していたところ、同年1月末にA校の校長から同年2月に開始される新年度の授業の実施について依頼をされた。

▼ Xは同年3月1日、G社との間で再雇用契約を締結した。同社はXに対し、時間講師での勤務を前提とした再雇用契約書を交付したが、Xは同契約書に署名押印をしなかった。その後、G社はXに対し、労働に対する対価として、時間講師での勤務を前提とした再雇用契約書に記載された賃金のとおりの給与を支払った。

▼ Xは同年5月28日以降、G社に対し、代理人を通じて、定年退職前と同等程度での勤務条件を希望する旨伝えるとともに、過去の時間外労働に対する未払賃金全てについて書面をもって請求した。

▼ G社はXとの間の再雇用契約の契約期間が28年2月末日までであったことから、Xに対し、同年1月、3月以降の契約書案を添付した上で、同契約内容に同意する場合には2月末日までに契約書に署名・押印した上で提出するようXに通知した。しかし、Xは上記契約書を返送しなかったため、XとG社との間の労働契約は同月末日をもって終了した。

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<G社の定年後再雇用制度、就業規則等の定めについて>

★ G社の定年後再雇用制度に関する書面には以下の記載がある。
 再雇用に関して本人の希望があり、会社が示した雇用条件をもって勤務する場合に定年後の再雇用が成立する。契約期間は原則1年とする。
 勤務形態については、フルタイムとパートタイムの2種類があり、また、給与形態についても、月給制と時間給制の2種類がある。
 給与については、退職前の30パーセントから40パーセント前後が目安となる。

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