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[リーガル翻訳] Deposition

リーガル翻訳(英日)の場合、原稿(ソースファイル)の多くは契約書や規程類、ポリシー類であることは想像に難くないと思われます。

そのため、リーガル翻訳(英日)においては、英米法や日本法の知識や特殊な専門用語の知識は必須になってきます。もちろん英語力や日本語力も必要です。

しかし、それで十分でしょうか?

たまに、あるいは稀に、翻訳者さんによっては多くの場合に、Depositionの翻訳が依頼されることがあります。Depositionとは主に米国の訴訟における証言録取書のことです。何だか難しそうな響きですが、簡単に言ってしまえば、証人の証言を文字起こしした書面の翻訳です。

主に弁護士と証人の会話を訳していきます。そこで、弁護士や証人の立場(原告側なのか被告側なのか)や訴訟内容を意識しながら訳していく必要があります。そのため、前述の法律知識などに加えて、話し言葉を翻訳するスキルが必要になってきます。こうなると、映画の吹き替え翻訳に似ているかもしれません。

「文字」なので温度感を表現することは難しいですが、言い回しや言葉遣いを工夫する余地はあります。あとは、相槌をどう訳すかも難しいときがあります。

そして、レイアウト!

CATツールで翻訳するのみであれば問題はないのですが、WORDファイルで納品する必要がある場合、Depositionの原稿と同じレイアウトに変更する必要があります。これが結構一苦労です。Depositionの実際のレイアウトについては検索していただければと思います。

Depositionのサンプル集も英語ではありますが、Amazonなどで購入できますので、どのようなものかが気になる方はご覧になると良いかもしれません。

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