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ネコを焼いても

昔々
子供会で火の用心の夜回りをさせられた。
皆縦にならび、声を揃えてふしをつけて標語を唱え、拍子木を打ちながら町内をまわる。

「マーッチいっぽん火事のもと
火の用心 
チョンチョン(拍子木)

ネーコ(猫)を焼いても
こたつを焼くな
火の用心 
チョンチョン(拍子木)」


なつかしい。
ところが先日幼なじみに記憶違いだと言われた。
正しくは
「ネーコ(猫)を蹴っても
こたつを蹴るな」
だったと。

今までずっと
「ネコを焼いても」だと信じ込んでいたし、猫には悪いがやや気に入っていた。

が、言われてみると
昔々のこたつは、やきものでできた小さいドーム状の容器に炭火を入れるもの(番屋炬燵)だったから、それを蹴飛ばすとまさに火事のもとだ。
道理である。


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