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『ジャンル』と『タッチ』
※トップ画像は、いらすとやさんから。
4/25(木)に、野良リスナー会でutakikiさんの「イノセンス」講義を受けていた時に、ですね。
「イノセンス」の捉え方は、「ヴォーカリオン」のそれに似てるな、と思ったのです。もちろん「イノセンス」と「ヴォーカリオン」の作品傾向が似てるというわけではなく、概念としての捉え方の話ですよ?
「機動歌姫ヴォーカリオン」について知らない方のために説明しておきますと、ボカロ曲に付くタグの一つで……ロボットアニメのオープニング(OP)曲に使われそうな、明るく爽やかで勇壮な曲――簡単に言うと、ガンダムのアニソンにしても合いそうな曲に付くことが多いです。代表的な作品としては、minato(流星P)さんの「Soar」が挙げられます。
「機動歌姫ヴォーカリオン」は、ジャンルとしては「VOCAROCK」に付きやすいタグですが、「ミクノポップ」特に「ミクトランス/ボカロトランス」とも親和性が高いですし、その他のジャンルタグにも付く、ジャンル横断的なタグです。ジャンルというより、雰囲気を表すタグ――「ききいる~」「クールな~」「元気が出る~」「お洒落な~」「かわいい~」「切ない~」に近いタグだという印象があります。
個人的には、このような雰囲気を表すタグは、『ジャンル』(曲調)ではなく『タッチ』(曲想)と呼びたい。
たとえば絵を描くときに、何を描くかという種類によって『ジャンル』が分かれますが、その絵の中でどんな筆遣いをしているのか――きっちり輪郭を象った線なのか、ぼやかして淡く描いているのか、一面塗りつぶすか、グラデーションにするのか、力強く荒々しい飛沫が飛ぶ筆致なのか、繊細で緻密なのか――そうした『タッチ』での分類もあると思うのです。
「イノセンス」に話を戻しますと、「ボカイノセンス」「イノセンス音楽」として検索できる楽曲は、ジャンルとしては「~トロニカ」「~ビエント」系のタグに付きやすい印象があります。しかし、「ポストミック」「オルタナティブミック」や「トンデモポップ」「POEMOLID」「ミクノ」などにも付いていますし。「アンダーグラウンドボカロジャパン」「感性の反乱β」「VOCALOIDよれよれ曲リンク」とも一緒に付いてたりします。
例をちょこちょこ挙げてみますと……
ボカイノセンス+ミクトロニカ
ボカイノセンス+ミクビエント
ボカイノセンス+ポストミック
ボカイノセンス+オルタナティブミック
ボカイノセンス+トンデモポップ
ボカイノセンス+POEMLOID
ボカイノセンス+ミクノ
そもそも(utakikiさんの講座でも触れられていましたが)ニコ動のタグで「VOCAROCK」と付いていても、邦楽・洋楽シーンで言う"ロック"ときっちり一緒のものを指しているかというと微妙とはいうものの……
ジャンルタグと実際のジャンルのブレはさておき、「イノセンス」も様々なジャンルの曲に付くタグであり、その曲調の傾向というよりは楽曲の構成する雰囲気を表している、と考える方がピンときます。
個人的な考えを整理するためのノートではありましたが、どうでしょうか。有識者のご意見も伺いたく思います。ではでは。