宇宙とボカロ曲 10選
※トップ画像は、いらすとやさんからお借りしました。
9月12日は、「宇宙の日」。赤月ゆにちゃんも言ってました。
宇宙の日(うちゅうのひ)は、国際宇宙年であった1992年に日本の科学技術庁(現・文部科学省)と宇宙科学研究所(現・宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)が制定した記念日。公募により、毛利衛が日本人として初めてスペースシャトルに搭乗して飛び立った9月12日に定められた。(Wikipedia - 宇宙の日)
これにちなんで、宇宙関連の曲を5選……と言いたかったのですが、宇宙や星々に関係あるボカロ曲って多い! とてもおさまらないので、10選ぐらいで勘弁してください。では行ってみましょ。
1.The 9th / 初音ミク 【PV】(曲:ジミーサムPさん、PV:ミートボールPさん)
曲名と同じくOneRoom(ジミーサムP)9番目の投稿作品で、同じ「9番」に掛け、元太陽系第9惑星「冥王星」について歌った曲となっている。(ニコニコ大百科 - The 9th)
はい、名曲スタート。ジミーサムPさんの原曲「The 9th」は2008年11月、この素晴らしいPVは2009年2月に投稿されています。3の倍数番目の作品がロック調になるジミーサムPさんの法則通り、ロック調バンドチューン。
ミートボールPさんは、もともと原曲の動画において「青字職人」として視聴者コメントで冥王星の解説を下に入れていた方。その解釈は、「The 9th」のニコニコ大百科にも収録されていますので興味がある方はぜひ。2006年までは太陽系第9惑星とされていた冥王星、今は準惑星に区分されていますが、そんな冥王星の境遇を切なく描く歌詞が胸に刺さります。
2.【初音ミク(とく)】ARiA【オリジナル曲PV】(とくPさん)
星くずが紡ぎ出す アリア
届けて このメロディーを
君と描いてた 想いを繋いで
溢れ出すこの気持ち 刹那
瞬く流星のように
抱いて貫いて あなたの胸につつまれて
「SPiCa」の作者、とくPさん(=プロのアレンジャー・阿部尚徳氏)によるプロの犯行。2010年4月投稿。いまやミリオン手前です。楽曲制作Ustreamにて意気投合した視聴者とのコラボ作品ですが、特にギターのみならず動画も担当したsleepwalkerさんのPVは、圧倒的な映像美であっという間の殿堂入りに大きな役割を果たしました。その詳細は下記事を参照してください。
ちなみに「SPiCa」はミクさん出演ですが、「ARiA」映像中の子は「アリアたん」ですのでお間違いなく。なお、sleepwalkerさんのブログにはこうも書かれているそうです。「あとARiAたんは、はいてません(キリッ 」
3.【VOCARAP】Supernova 【Torero】(Toreroさん)
さぁ 迎えに行くから
まだ見ない夜に胸を焦がしている
繋げた StarLight
デタラメに結んだ その星に願いを
Torero(ケツ乃風P)さん、2016年7月投稿の"スペース・ダンスビート・ミクスチャー"。動画はconcriさん。現在は5万3千再生かな。ラップのリズムに乗せて宇宙を駆けていく勢い、しかしどこか郷愁を覚える進行に、知らず知らず3分41秒聴き入ってしまうのです。これが宇宙のパワーか。あらきさんによる歌ってみたも伸びてますね。
なお、Toreroさんの代表作「R.O.C.K.E.T」も宇宙派の名曲ですので、「Supernova」が気に入った方はこちらもぜひぜひ。
4.【結月ゆかり】 星宙の五線譜 (Full Ver.) 【だいすけP オリジナル】(だいすけPさん)
宙(そら)の彼方 聞こえるよ星のうた
暗い闇の中 光とどけて・・・
遠く遠く 離れていてもずっと
キミのうた声は 届いてるから
2012年春に放送されたNHKスペシャル「宇宙の渚」のPRソング。紹介しているのは後に発表されたロングver.で、結月ゆかりコンピ「月の詩Ⅱ」に収録されています。ゆかりさんのイラストは、ゆきはね氏による書き下ろし。だいすけPさん自身によるMAIKAカバーもあります。美しく神秘的で宇宙の壮大さを感じる、屈指の名バラードを聴いて下さい。
5.【MIKU】Heliosphere(Bernisさん)
Planetes 星の海に沈んでゆく青い惑星(ほし)に 周波数を合わせて
微かに聞こえる彼らの声に耳を澄ます
VOCALOID宇宙派と言えば、Bernisさんを外して語ることはできません。そのBernisさんの代表作がこちら。2013年5月投稿。まだ3万再生ですが……もっと聴かれてほしいProgressive Houseです。1977年に打ち上げられた無人宇宙探査機ボイジャーをモチーフとしています。40年以上の飛行を経て、ボイジャー1号は「地球から最も遠い距離に到達した人工物体」に。太陽系と太陽風を含む泡構造であるヘリオスフィア(太陽圏)が効果的に宇宙線から惑星を守っているのも、ボイジャーの探査データから示唆されています。
無言になった後もボイジャーは時速4万8000km以上もの速度で旅を続ける。2機には音や画像、メッセージなどが保存された「ゴールデンレコード」が搭載されている。探査機は数十億年でも存在しうることを考えると、この円盤型タイムカプセルは私たちの文明の、宇宙における唯一の痕跡となるかもしれない。(40周年を迎える探査機「ボイジャー」【2017年8月7日 NASA JPL】)
Bernisさんには宇宙関連の名作が数多く、以前紹介した「ソラリス流星雨」の他、「宇宙の灯台守」や「Covenant」などもぜひ聴いてほしいところ。
6.【初音ミク】宇宙インフラストラクチャー【オリジナル曲】(スターライトPさん)
スターライト たとえ遠く離れていても
君とほら 繋がる
スターライトPさん、2008年8月投稿。この曲がP名由来作品ですね。"西暦2XXX 年、実用化されたアンドロイドの初音ミクが、あなたと人類の為に宇宙のインフラを整えるために孤軍奮闘する、そんなイメージ"と投稿者コメントにありますが、ゆったりと美しく煌めくミクノポップに浸りながら、宇宙のミクさんを瞼に思い描くのも乙なもの。
なお、初投稿から3年目を機に、スターライトPさんは他の方とコラボしてRemixもしています。
7.【巡音ルカ】アストロノート【オリジナル】(ジャンボPさん)
最後の宇宙飛行士は宇宙には行けませんでした....。滅亡系アニメ系チューンです。(作曲者コメ転載)
曲:ジャンボPさん、歌詞:渡太一さん、2009年12月投稿。世界崩壊曲リンクタグの通り、この世界は滅びを免れないのですが、それでも最後の宇宙飛行士は空へ飛び立ちます。なぜ彼は決断を下したのか、雄大なチューンで語られるその顛末は、作中で確認してほしいところです。
個人的に、この作品は、機動歌姫ヴォーカリオン生放送中に、放送にいらっしゃったPさんから初の自貼りを頂いた作品として思い出深いですね……今も元気にしておられるでしょうか。ジャンボPさんの他作品では「白銀航空師団の最期」など好きですね。民族調曲の傑作です。未見の方はぜひぜひ。
8.【別解釈】サイハテ【手描PV風】(曲:小林オニキスさん、PV:25さん)
扉を開いて 彼方へと向かうあなたへ
この歌声と祈りが 届けばいいなぁ
小林オニキスさんの「サイハテ」。ポップ・レクイエムというジャンルを切り開いたこの名曲は、数々の派生PVを生みました。その一つが、サイハテと宇宙開発を絡めて解釈した「サイハテ宇宙派」。上記はその一つで、初めて宇宙に行ったライカ犬のクドリャフカを、サイハテの歌詞になぞらえてPV化した作品です。2008年2月投稿。
同テーマの作品としては、彩音Pさんの「ライカ」や、Pianissimoさんの「クドリャフカ」があります。
9.【MV】懐中銀河 / 初音ミク(yukkedoluceさん)
星を追いかけた あのコンクリートの檻の上で
いつか僕らが大人になることに 胸をときめかせながら
二度とは会えない それが唯一君といた証
君が隠した 光の在処を 僕はまだ探し続けている
yukkedoluceさん、2017年12月投稿。ゆっけさんの2nd Album『月兎と懐中銀河』収録曲。くろのくろさんの美麗な絵も恐ろしい精度で描き込まれていて、必見のクオリティです。ですが、ニコ動では1万4千再生という。最高なのになあ。未見の方はぜひ!
10.【デュエット】初音ミクと第一宇宙速度で「OVER THE FUTURE」(ミク調声:ふぃーさん)
飛び出せ! 風を感じて
君がいるから 僕は走り続ける
羽ばたけ! 世界の果てで
待ちわびている 運命のドア叩くんだ
厳密にはVOCALOID宇宙派作品ではないのですが、すーぱーそに子らの所属するバンド名「第一宇宙速度」が宇宙関連ってことで(こじつけた)。分けてミクさんに歌わせたパートと、元曲を合わせた作品ですね。「VOCALOIDと歌ってみた」というより「合わせてみた」が本当は正確なのでしょうが、細かいことは言いっこなし。これだけ調声上手くてデュエットとして聴こえれば、十分でしょう。
それでは、こんなとこで。
「ハヤブサ」とか定番曲はわざと外してますが、もはや私ごときの解説もいらないでしょう。あなたが好きな「VOCALOID宇宙派」もしくは「星のうた」作品があれば、教えてくれたら嬉しいですね。それでは、また。
(追記)2019年度も、宇宙曲10選やりました。