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第48回 名古屋リスナー会 選曲紹介


※トップ画像は、花呼ぶ声 - kemu feat. POPY ROSE」(曲:kemuさん、イラスト:米室さん)よりスクリーンショットをお借りしました。問題があればご指摘ください。


2023/2/12(日)14:15~17:00、上前津某所で第48回名古屋リスナー会が開かれました。前回から約4か月半空けての開催で、とても楽しみに待っていた会です。主催の茜涼夏さんのほか、他の参加者は、初参加の早苗木さん、owataroさん、途中から参加されたちるぶさん、そして私・左馬。全部で5名、各自の紹介は6~7作品でした。

昼食に味噌煮込みうどんを参加メンバーで一緒に食べてから、駿河屋までボカロCDを漁りに行ったり。帰りには名古屋駅近くで参加メンバーと呑んだりと、楽しいひと時を過ごしました(*´▽`*)

以下で、私の選んだ7作品を紹介させていただきます。


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1.コトダマ (feat. 重音テト) / kamome sano

2022/10/10 沙野カモメ(kamome_sano)さん

音の波と言の葉重ね
解き明かせないイメージの先へ
この惑星の隅っこでまだ無いメロディを
はじめに嘘があった それだけ
気付けば歌になっていただけ
この小さなWAVデータが少しだけ変えたこの未来へ
ああ

ボカコレ2022秋参加作品にして、2022年テトの日(10月10日)作品。初めに嘘があった。重音テト4月1日に嘘の歌姫として生まれ、そこから真の歌姫へと成長した最古参のUTAUでもあります。曲の投稿時間が10:10なのも、曲の長さが4分1秒なのも、沙野カモメさんが重音テトへと向けた祝福の証。重音テトを代表する新たなイメージソングが生まれたのです。小さな絵空事でも、少しだけでも現世を変えていく力がある。創作の担い手すべての背を押す言葉でもあるでしょう。

沙野カモメさんは「サイエンスフィクション」以来、オールタイム推しPの一人。未見の方はBGMとしてでもいいので、聴いてみて下さい。ハマったら、7分が瞬時にすぎます。

(参考)

サイエンスフィクション - vy1v3+kmsn

2012/2/28 沙野カモメ(kamome_sano)さん

※ちるぶさんがいない間に流してしまって、すまんかった……



2.俺たちは感覚で音楽をやっているんだよな/ローカストfeat.初音ミク

ニコ動版:2023/2/4、YouTube版:2023/2/7 ローカストさん

俺たちは感覚で音楽をやってるんだよな
誰かさんとは違う何かを持ってると信じてんだよな
お前だけがすごく特別で研ぎ澄まされた個性を持ってると
信じてる 信じてるなら 
「とっととあちらへ行ってくれ。」

やってきました、ネタ曲投稿祭2023! しかしローカストさんのこれは、ボカロあるあるネタをお洒落でクールなガチ曲に仕立てた、本気でトりに来てる作品です。ネタ曲投稿祭の懐が広すぎる。

「感覚で〇〇している」なんてミームを用いながら、自分は他の奴らとは違うんだ、という創作者にありがちな選民意識をぶちのめす痛快さ。もちろん自分自身も含めて殴っているので、斜に構えた臭さは薄れています。マジでこれは自らの心に打ち込んでおきたい戒めの杭ですね。



3.「二月の水」星界

2023/2/3 平田義久さん

雨は止んだ
濡れそぼつ都市の風景
シーツのなか誰かが解く
室内楽、チェーホフ、東西、メッセージ
どうして僕はこの部屋で寝ているのだろう

聴き入るVOCAR&Blo-fiなhiphop平田義久さんは、こういう曲調だと右に出る者がいませんね。うっとりと眼を閉じてしまう。

韻を慮った単語が、点描のように置かれては、心象風景を滲ませていく心地よさ。平田さん、こういう手法は以前は使ってなかったのではと早苗木さんから指摘がありました。確かにそうかも……何でも出来るお人だわ。



4.With you(Mai&ASTERIAN)

2023/2/4 バーミーズさん

あえて歌詞は載せないので、動画で聴いてほしい作品。

ネタ曲投稿祭2023のうち、美しいメロディで腹筋崩壊したのはこの作品ぐらいw 歌詞が読めなければディズニーと言われても騙されそうw

最初は、お?ガチ曲か?と思わせておいて、突然ぶん殴ってくるの笑いセンスありすぎでしょ……その後も強烈なネタの波状攻撃が続くので、どこかで吹くハメになります。職場や公共の場での視聴はお控えくださいw

最後の広告、「〇〇で賞」で埋め尽くされていて、また笑ったw



5.ミステリ / Mystery - feat.可不

2023/1/27 ⅥⅥ(ヴィヴィ)- 旧666さん

あぁ、貴方のことが分からない
愛した分だけ解らないんだよな
あの笑顔の意味でさえ
どうとでも取れるさ

この世は不可解に満ちている。まるでミステリに投げ込まれたよう。お洒落で陽気なのに哀愁漂うリズムにのせて、謎を解くというよりは、謎を受容していく心持ち。

YouTubeでは2年ぶり、ニコ動では7年ぶりの登場となる666さん。新たにVIVIさんとして現れていますが、いずれにせよ「キャプテン・クックと水葬」以来の音が聴けて大変に嬉しい。また聴き直さなきゃね。

(参考)

キャプテン・クックと水葬 feat.GUMI

2015/11/3 666さん



6.花呼ぶ声 - kemu feat. POPY ROSE

2023/1/27 kemuさん

僕には歌う価値が なかった
僕には時代が 聴こえなかった
僕は全然 特別ではなかった
僕には大人が 分からなかった
僕の幸せは 変わっていた
僕なりの永遠を 遺したかった

「瓦礫の塔」から1年たって投稿されたkemuさんの新作は、新たな合成音声ソフト「夢ノ結唱」POPY/ROSEの楽曲。バンドリ関連なんですね。

「花呼ぶ声」もまた「瓦礫の塔」同様に、夭逝したwowakaさんの面影を感じられる作品ではありますが。1番で後ろ向きだったのに、2番で前を向いて歩み出す歌詞に変わっていくのは、王道とはいえ感じ入る所があります。

この世界が どうだろうと
君がしゃんと 咲けるように
見つけ出してやるんだ メロディ
美しく在れ
君だけに打ち明けるよ
僕はこの世界が怖い
それでもやっと 口ずさんだ
わずかな今を
君は歌った 歌った
歌った
永遠なら ここにあったんだ
ここにあったんだ



7.天球に乗って / 志茉理寿 feat.GUMI

2023/1/28 志茉理寿さん

結び合うように
あなたに寄り添う人がいて
重なるのは
夏の夢
運命は綺麗な色を知ってるんでしょ

澄み渡った空気の薫りに陶然となる名作。

GUMIの調声が抜群に巧すぎるよ、志茉理寿さん……魔法に掛けられたように、響き渡る音の帳に囚われてしまう。今にも壊れそうで壊れない、尊いというも足りない恋心を見事に描き出しています。

不協和音のエッジにはみ出しそうでしない絶妙なコントロールもわずかに聴こえますし、絶品のクオリティなのに、さらに工夫を凝らしてくる志茉理寿さん……「怖すぎる」とまで言いたくなる。

YouTubeでしか聴けない名作も数あるんだろうなあ……と思わせてくれる逸品でした。また聴きに行きます、志茉理寿さん。



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以上、2023年2月の名古屋リスナー会で紹介した7作品でした。

時間的に余裕があれば他の候補作品も紹介していきたいところですが、これはまた別記事でかなあ……

久々の名古屋リスナー会、本当に楽しかった。またいつかボカロを語れる刻を楽しめますように。




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