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cilliaさん、初オリジナル作品!
※トップ画像は、「Scattered Glass - cillia feat.鳴花ミコト」からスクリーンショットをお借りしました。問題があればご指摘ください。
11月15日の5選はお休み。ネタ的に選びにくくて……
最近のボカロ新曲投稿、まったく陰りが見えないのは嬉しい限りです。
そんな中、名調声カバー投稿者として知られたcilliaさんが、満を持して初オリジナル曲を投稿! ニコ動の音楽カテラン1位を走っています。
【オリジナル曲】Scattered Glass - cillia feat.鳴花ミコト
2019/11/9-10
ともかく聴いてほしい。くらくらする名調声! 人間の歌と言われても信じるクオリティ。「魂実装済み」「神調教」タグにも納得です。
過ちを後悔し、罪と向き合う歌、なのかな。MVのラストカットから幾ばくかの解釈はできそうですが、今しばらくはメロディに浸ったままでいたいので、このままで。
cillia(シリア)さんは、VOCALOID・UTAU等でカバー曲投稿を続けてこられた、カリフォルニア在住のアメリカ人(つまり海外Pさん)。YouTubeでの投稿者名義はkyaami。また、投稿作品のイラストも自作されています。これでまだ20歳代前半の若さ……
2010年4月、UTAU自音源・佐村トミを用いた「【UTAU】 白虎野の娘 【サムラ】」でデビュー。2012年5月「【波音リツキレ音源】-ERROR 【UTAUカバー】」(原曲はnikiさんのLily曲)が、パワフルな音源による見事な感情表現で評価され、一躍知名度を得ます。現在155万再生で、cilliaさんの代表作。来日してイベントに招かれ「UTAUエディタ講座」の講師をしたり、YAMAHAやAHSのオファーを受けてVOCALOIDのデモ曲調声を担当するなど活躍。海外Pながら人間と見紛う調声のカバー作品で存在感を示し、ニコ動では200件以上の作品を投稿。そして今回のオリジナル曲発表と言う流れ。
(参照:cillia - ニコニコ大百科)
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名調声のカバー投稿者さんは数おられますが、cilliaさんは別格と言って良いでしょう。以下、個人的に好きなcilliaさん作品を貼っておきます。
2015/7/7
原曲は、赤髪さん「【GUMI】 黒猫 【オリジナル_PV】」(2013/3/14)。"こないだまで人間だった猫の話"を扱っており、別離した恋人へもう届かない心情を切なく歌う名バラードです。カバー音源にUTAUの戯白メリー(こはく・めりー)を採用したcilliaさんの慧眼が素晴らしい。1:27のサビ入りの衝撃に度肝を抜かれた視聴者は数知れません。cilliaさんの名カバーといえば、まず思い出す作品。以前に紹介して頂いたB,Fさんには感謝しかありません。
2019/3/30-31
原曲は、みきとPさん「【GUMI・鏡音リン】 いーあるふぁんくらぶ 【オリジナルPV】」(2012/8/15)。中国語を学ぶ二人の掛け合いが楽しい原曲を、鳴花ーズこと鳴花ヒメ・ミコトでカバーしています。2019年3月30日にガイノイドから発売されたばかりの、当時の新ボカロ。鳴花ミコトはオリジナル曲にも採用してますし、お気に入りになったのかな。
2012/11/9
原曲は、ryo(supercell)さん。2012年、ボカロ黄金期を代表する作品。ミクさんの訴求力が素晴らしい原曲ですが、テトさんが歌うと「ガラクタ・半端者」というタイトルに別の意味も感じてしまいます。
2017/7/19
原曲は、夏代孝明さん「ニア / 初音ミク」(2017/6/29)。老科学者がロボットの娘に語る形で、人間の在り方について問いかける歌です。原曲メロディの力も大きいですが、cilliaさんのFukase演じる博士もまたいい味。
2019/1/4-5
原曲は、Guianoさん「flower - 死んでしまったのだろうか」(2018/7/16)。エモさが溢れるトロピカルハウスです。GUMIちゃんの自然な声で聴くのもなかなか良いなあ……
2017/10/26-27
原曲は、有機酸さん「quiet room/初音ミク」(2017/8/30)。お洒落で聴き入る作品を、さらに猫村いろはsoftでカバーしています。いろはさんって、こんな綺麗な声だったのか、と新たな驚きが。ところどころ「な」を「にゃ」に近く猫っぽく発音させている遊び心も好き。
2015/9/29
原曲は、ShakeSphere(鮭P)さん「【初音ミク】End of Rain【オリジナル曲】」(2008/6/7)。VOCAR&Bの初期名曲に、レンリちゃんの美しく滑らかな発声がぴったり合ってます。
2019/6/6
原曲は、米津玄師さん。アニメ映画「海獣の子供」主題歌。映画、観に行きました。まさかこの曲をcilliaさんの名カバーで聴けるとは思っていませんで……嬉しい驚きでした(*´▽`*)
2014/2/10-11
原曲は、黒澤まどかさん「【結月ゆかり】鳳仙花【オリジナル曲】」(2013/7/31)。クラスで孤立した子の心情を描いた名曲で、ユキちゃんの声で聴くと臨場感がひとしお感じられます……
2014/3/30
原曲は、古川本舗さん「魔法」(2012/10/19)。下記に本家を貼っておきますね。本家はニコ動とYouTubeでMVの終わり方が少しだけ違うので、見てみると良いかも。cilliaさんのカバーはアコギバラードアレンジになっています。夜の灯りの下で響くような、優しくて哀しい歌。ゆかりさんの声が沁みて、うるっとくるのです……
また、YouTubeには本家投稿がないものの、紹介しておきたい作品。
2015/10/3
原曲は、奥華子さん。2006年公開のアニメ映画「時をかける少女」挿入歌。闇音レンリちゃんのポテンシャルが最大限に引き出されています。絶妙な声の伸び、ハミング……画面の向こうに息づく歌い手を感じられる名品。
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VOCALOIDの楽しみ方には色々ありますが、一つの方向性として「どれだけ人らしく歌わせることができるか」があり、cilliaさんはその極に近いところに立つ一人だと思います。紹介できなかった作品も素晴らしいものばかりなので、ぜひとも巡回をお勧めしたい作者さんです。
ではまた。