夜にまた03a

第14回 名古屋リスナー会 自選曲紹介


※トップ画像は、higmaさん「夜にまた」よりスクリーンショットをお借りしました。問題があればご指摘ください。


仕事の都合で記事を書くのが遅くなりました。

2019年7月21日(日)、定例通りの名古屋リスナー会。これまで場所をお借りしていた栄のCafe & Bar「2人でお入りください」が今後使えなくなるため、新しく上前津の某所にて開催される運びに。当日、地下鉄駅から地上に出て歩くと、夏のうだる熱気にあてられ、数分のうちに汗だらだら。集合時間までコンビニで涼んでいました。まったくクーラーは偉大な発明です、崇めるしかない。

今回は、主催の茜涼夏さんの他、ちるぶさんさん、私こと左馬きゅうそんぐさんJAIATTさんもとお父さん、の計7名が集まりました。Snafkinさんは事情があって1曲のみの選曲。

いつも通り、私が選んだ作品を紹介していきます。今回は4作品。


1.ライハーズノット / 初音ミク(末代雨季さん)

自販機に囚われた羽虫のような夏休み
炭酸と絶交したサイダーのような昼下がり
「タイムトラベル日和だ」
なんて、君は冗談交じりに笑って
続けて寂しそうに言う
「次に会う時は死んだ時ね」

2019年7月20日投稿。末代まで雨季にしてやる。(末代雨季)さん、初投稿作「各駅停車」から1年以上経って、満を持しての2作目です。

躍動してキラめくメロディ、センスの塊としか呼べない歌詞。感情は輝きを増し、サビから間奏部で奔流となって昇華する印象。夏の青空を、そのまま曲に落とし込んだようなエモさです。1年越しの期待に違わない、絶妙に爽やかなポップロックをご堪能あれ。

歌詞の解釈としては、まつこさんの記事もありますのでご参照ください。

みせいねんさんの #voca17音 という、曲を聴いて俳句を詠んでみたという記事もありますよ。

ちなみに、8月2日の投稿者コメント追加で、P名をたくさん考えてもらったことへの感謝と、末代雨季という短縮名義で今後はやっていくとの方針が記されています。

「ライハーズノット」が気に入った方は、前作の「各駅停車」もぜひお聴きください。軽快なミクノポップで、すでに殿堂入りしています。世界観的にも、繋がっているかもしれませんね。

今という名の駅に停まっている
僕の所為だろ、つまり
もう戻れやしないから
終点でまた会いましょう


2.三月のパンタシア 『いつか天使になって あるいは青い鳥になって アダムとイブになって ありえないなら』(曲:buzzGさん)

いつか天使になって あるいは青い鳥になって
アダムとイブになって ありえないなら
もう優しくしないで 落ちる線香花火とともに
さよなら、シーサイド・ノスタルジー

2019年7月14日公開。2018年8月に開始された、「音楽×小説×イラスト」というコンセプトでWeb上を中心に発表されている、三月のパンタシア自主企画『ガールズブルー』。ボーカルのみあさんがツイッター上で連載している小説『8時33分、夏がまた輝く』を原案として、buzzGさんが制作したのが「いつか天使になって~」。

夏の海を駆ける涼風のように軽快なバンドサウンド、甘酸っぱさを感じる歌詞。三月のパンタシアの、良い意味でのライトさが出た作品です。

連載中の小説では東京生まれ、東京育ちの消極的な性格の主人公・葵が香川・小豆島に住む叔母のカフェを夏休みの1カ月限定で手伝うことになり、そこで出会ったのは天真爛漫でマイペースな“悠ちゃん”と小豆島の自然の美しさに触れ変化していく物語が描かれている。

なお、8月2日には、kemu(堀江晶太)さんによるED曲のティザー映像も公開されているようです。

小説からイメージしての楽曲、またその逆、楽曲からイメージされる小説というのには色々惹かれます。ボカロ関連のタグとして「VOCALOID小説派生曲」があり、またボカロ曲を下敷きにした小説もたくさん著述されているのは周知のとおり。私には曲を作る根性が無いので、代わりに何かしら文章を書けたらとは思ってるんですよ。今月末までに形にしたい。


3.結論から言わないで/flower(曲:tamonさん、詞:kuwoさん)

消えたって、明日変わらない
泣いたって、昨日戻らない
影響、概況、大教、最強、無布施経
シンクロはしない、死ぬからね

2019年7月20日投稿。v_flowerマスターのtamonさん、5作目の投稿です。これまでの4作品はカタカナでしたが、今回は漢字ひらがなタイトル。お洒落でジャジィなメロディ、鬱々したやるせない歌詞の言葉遊び。花ちゃん使いの先達が拓いてきた、斜に構えるもお洒落路線の美味しいところを継承しつつ、さらに独自アレンジに染めている感じ。非常に良いですよ!

投稿者コメントでは、15歳になったため受験に専念するとあるのですが、え? 本当に15歳の作品ですかこれ?! と思っちゃうほど玄人はだしの作品。間違いなく良い音聴いて育ってますわ、tamonさん……受験が無事に終わるよう祈っております。

2018年12月デビューの、期待の新人さん。初投稿作「テネシティ/flower」からジャジィなお洒落感が満載。他作品もぜひご視聴あれ。


4.夜にまた / higma feat.flower & VY1(higmaさん)

明日になったら この日々も忘れるの
きっといつまで経っても 僕は君を思い出せずに
でも 夜が終わるまで 手をつないでここにいよう
言葉なんていらないね
二人で肩を並べて朝を待っていた

2019年7月19日投稿。higma(pai)さん、v_flowerとVY1によるミクノポップ。跳ねて反復するメロディが耳から離れません。徐々に変化しつつ盛り上がっていく旋律が堪らなく心地良い。EDM好きなら外せないですよ。

投稿者コメントで「夜にだけ逢える話」とあるように、夜にしか会えず朝になれば互いを忘れてしまう二人。それでも夜になってまた出会えば、二人は手をつなぎ、黙って夜空に浮かぶ月を眺める……切ない感情をのせた歌詞がEDMの旋律に交じりあい、得も言われぬ境地へと誘ってくれる名品です。

理由は知りませんが、2019年5月からpai(ぺい)からhigmaへと名義変更されているようです。どの作品も聴きごたえありますが、個人的には4月投稿の「Dream light」がイチ推し。2019年上半期10選にも入れた作品です。

8月2日には新作「ピエロ」を投稿されています。


いかがでしたでしょうか。

2019年7月は、さほど新曲を聴けなかったんですが、良曲は尽きぬこと無し……時間の許す限りはフォローしていきたい。もちろん紹介できなかった良曲も数多く、その記事も書いてるので、よろしければ。

8月の名古屋リスナー会には仕事のため出席できないのが残念ですが、他の方の選曲リストを楽しみに待つことにします。

それでは、また。


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