おじさんvsおじさん
こんばんは。
れふとで御座います。
本日も申し訳御座いませんがよろしければお時間くださいませ。
私もすっかり歳を取り、若い頃のような生活は一切、出来なくなってしまいました。
よし、今夜はたくさん寝るぞぉ と言いつつ5時半に猫に起こされ、
よし、今日は夜更かしして遊ぶぞぉ と言いつつちゃんと25時には眠たくなり、
よし、今日はハメを外すぞぉ と言いつつ体が言う事を聞きません。
何ちゃんと歳、取ってきてんの…
あれ、ちょっと見ない間に太ったねぇ とか、
あれ、なんか白髪増えたねぇ とか、
若い頃はシュッとしてたのにねぇ とか、
せめてネタの一つにでもなればいいのに、ちゃんと、少しずつ歳取っちゃってます。
見た目も特に変わらず、ただただムリだけ出来ない身体になっていく悲しみです。
さて、本日は以前体験したおじさんvsおじさんの貴重な対決をシェアさせて頂きたいと思います。
私がまだ音楽をしていた頃、働いていたバイト先のコールセンターで知り合った
スティーブン先輩(仮)とエツオ君(仮)が電話がならない空き時間に職場のセンター長が50歳のお誕生日という事を聞き、話題に上がりました。
「スティーブンさぁ、もう俺ら30代だけどまだ全然やれる気しない?」
「何言うてるんですかエツオさん。20代とはもう身体も心もちゃいますがな」
当時エツオ君はおよそ35歳くらい、スティーブン先輩はざっくり目に33歳くらいで、
そこまで老け込むほどの歳でもなかったのですが、普段身体を動かす事もなく、
何時間も電話がなるまでだらだらとおしゃべりしてるだけの
このままではマズイ予備軍ではありました。
そして急に火花は散り始めました。
「んじゃあ今度スポッチャとかで対決しようよ。負けた方焼肉おごりね。」
「言うてエツオさんのが年上でっせ。流石に負けられへんわ。お腹とか邪魔なんちゃいます?」
「うるせぇ。じゃあれふと君さ、20代代表として審判やってくれない?
じゃあ今度の日曜日でいい?焼肉は負けた方が奢るからさ。」
いいけど、なんか嫌だなあ。
私の率直な心の声でしたが、私は嫌な予感が大体当たってしまう
無駄な能力の持ち主でした。
『いいですけど、次の日3人ともお仕事ですよ。大丈夫ですか?』
「いやいやれふと。流石にそこまで歳ちゃうがな!」
嗚呼、やっぱり、なんか嫌だなぁ。
日曜日、無駄に没入感を高める為スティーブン先輩は青のスウェット。
エツオ君は赤のスウェットで登場。
審判である私は白黒のストライプに黒のワークパンツを着るはずもなく、
ただの私服で板橋区某所のラウンドワンに集合しました。
AM9:00でした。
その時点で二人はやる気満々、まだまだ若いもんには負けないぞ!と言わんばかりのギラついた目をしていました。
勝負はいたってシンプル。
スポッチャの中で遊べるものの中から、いずれかが勝負を挑み、
いずれかが「乗った」タイミングで勝負開始。
接戦の時、不正、疑惑が出た際には審判れふとの独断で勝敗を決めると言う、
至ってシンプルではありますが、なんともざっくりしたルールに私は不安を感じていました。
しかし、その不安だけは無駄な不安となりました。
ラウンド1:ストラックアウト対決
二人とも野球が好きだった為、単純に12球で何枚パネルを開けられるかと言う勝敗を決めやすいオープンな勝負でした。
…私、いらない。
ステージ横でコーヒーを飲みながら、
おじさんvsおじさんを眺める冬空が眩しいAM9時。
数え切れない程過ごしてきた日曜日の中で、恐らく最も長い時間、
私は真顔のまま静止していたと思います。
結果は確か3枚対5枚でエツオ君が勝利しました。
泣きの1回も特になくあっさりと15分程でラウンド1終了。
理由は簡単で、二人とも肩を痛めたからです。
ラウンド2:PK対決
肩をいわしてしまったおじさん二人はラウンド2の時点で何をしたらいいか路頭に迷った為、アイデアを出してみました。
『足なら使えますし、PK対決とかいかがですか?』
「お、おぉええやんそれ!サッカーやった事ないけどまぁ出来ん事ないやろ!」
「そうだね。うまく蹴れなくても止めればいいだけだもんね。」
結果は5球ずつ蹴る予定でしたが3球ずつ蹴って、2−1。
スティーブン先輩が勝利しました。
理由は簡単で2球目を蹴ろうとしたエツオ君が軸足を痛めるアクシデント。
それでも決死の思いで蹴り直したエツオ君のボールを本気で止めに行ったスティーブン先輩が膝を負傷し出血。
審判れふとがドクターストップし、2−1にて終了とさせて頂きました。
私は嫌な予感しかしていなかった為、絆創膏とマキロン、湿布的なものを持参していました。
ネタのつもりでしたが、役に立ってしまった事がどこか悔しかったです。
ラウンド3:卓球対決
痛めた肩も回復してきた為、
二人ともあまり経験がない卓球でイーブンな対決となりました。
11点先取で始めましたが4球目でゲーム終了。
理由は簡単で、エツオ君からの「ライト強くて全っ然球見えねえんだけど。」
ラウンド4:ボーリング対決
「なんだかんだ疲れるもんだね。運動不足かなぁ。次で勝負決めようか。」
エツオ君が謎のドヤ顔で切り出しましたがこの時点で11時半でした。
ストラックアウトが15分で終わったにも関わらず、
たった3つの勝負に2時間半もかかった、その理由は簡単で
何かある度にタバコを吸って談笑する時間の方が長かったからです。
おかげで私は暇せずに済んだのですが、
まさか負けた方が奢る焼肉がディナーではなくランチになろうとは、流石に想定外でした。
ボーリング対決ははじめて普通にゲームが進み、エツオ君が僅差で勝利しました。
泣きの一回を出来るくらい健全に遊べる対決だった為、
エツオ君もドヤ顔で承諾しました。
と、ここで提案が出ました。
「やってもいいけどさ、負けたら肉焼く係もスティーブンな。
その代わり勝ったら俺奢るでいいよ。」
「いいですねそれ。よっしゃ乗りますわ。」
いや、わかってますよ私。一番年下ですし私。
進んでお肉は焼いて配るつもりだったんですよ私。
でも、まさか確定事項みたいに触れられもしないで二人の会話が成立していることにほんの少しびっくりしただけなのです。
あと、本当はお酒も注ぐ役をやりたかったのですが、叶わない夢となりました。
泣きの1回は逆に面白い事もなくエツオ君が勝利し、スティーブン先輩が3人の焼肉を奢り、
お肉を焼く係となりました。
とは言うものの『いえ、流石に私に焼かせてください先輩』
とお声掛けするもまぁまぁ傷ついているスティーブン先輩は半ギレで
「負けは負けやからな!吐くまで食わしたるわ!!」
と、痛めた肩と、出血した膝を震わせていた姿は今でも忘れられません。
ラウンド5:トングと白米
先輩が半ギレで頼み過ぎなくらい頼んだお肉が届いたところですぐに事件勃発。
「あかん、指痛いねんけど。」
ボーリングを2ゲームした先輩方の指は限界を迎えており、
トングvsスティーブン先輩のバトルとなってしまいました。
また、合わせて白米vsエツオ君のバトルも見応えがあって素敵でした。
お肉はとても美味しかったのですが、
数枚、ほんの少しだけ苦かったです。
お肉臭くなった3人が解散した時間は15時過ぎでした。
健全な時間帯なのに体の疲れと口臭はしっかりと中年でした。
ラウンド6:月曜日の体
流石に大人ですので、全員無事出社出来たのですが、
事あるごとに「イテッ」とか「ちょい待ち」とかが小さく聞こえてきて
9時からお仕事だったのですが、お昼過ぎくらいには
「れふと君さ、ちょっとあれ取ってきてくんない?」等
全身筋肉痛に耐えられず審判をパシリに使い始めていました。
15時頃、コーヒーを飲もうと席を立ったところで、
想定外の負傷があった事に気付かされました。
「れふとコーヒー買いに行くん?烏龍茶ついでに買うてくれへん?」
「あ、れふと君俺も烏龍茶お願い。」
そっか、胃も、やられてたんだ。
肩、足首、膝、そして胃の負傷と戦うラウンド6となりました。
…面白い思い出として書きはじめたはずだったのですが、
今の気持ちを素直にお伝えしておきたいと思います。
なんか、すみませんでした。
それでは今夜も良い夜を。
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