デザインをデザイナーに任せるな
何を言っているのかと疑問に思うかもしれません。
この記事では、デザイン会社である私たちLEFTE inc.がクライアントとお仕事する上で気をつけていることをお伝えします。
導入
ひと昔前のプロダクト製品(例えばガラパゴス携帯や自動車など)の多くは、機能に大きな差異がない中で外観やギミックによって、新しい価値を生み出したかのように装い、消費行動を促していた時代がありました。
その時代において、カリスマデザイナーが自身の個性的な表現力を武器に製品をデザインすることは、デザイン業界における一種の正しさがありました。
しかし今の世界が求めているのは「変わったように感じるもの」ではなく「本当に生活を変えるもの」であり、私たちLEFTEは、生活を変える中心には科学技術があると考えています。
その科学技術を生活に届けるためには、技術的特徴、ユーザーの趣向や価値観、クライアントの事業戦略 など多角的な視点で「適切な姿」を探っていかなくてはなりません。
斬新な表現も何かを人々に届けるための大事な要素ですし、デザイナーこその視点や知見も大事ですが、デザイナー以外の知見や意図も踏まえ「適切な姿」を見極めていかなければ、科学技術を生活に浸透させることはできないと考えています。
まとめますと、私たちLEFTEは
革新的な科学技術を生活に届けるためには、デザイナーの主観に委ねるのではなく、デザイナーと開発者や経営層がチームで「デザインというプロセス」を進めていくことが重要だと考えています。
LEFTE のミッション
LEFTEのミッションは「INVENTION to INNOVATION by DESIGN」、つまりはデザインの力で「発明」を人々に届けて「革命」にすることです。
前述の通り、革新的な科学技術や事業アイデアがあっても適切な姿に落とし込まなければ生活者には受け入れてもらえません。私たちはそのためにデザイン力(クリエイティブ)を発揮することが、日本さらには世界を変えていく一助になると考えています。
そのうえでLEFTEが心がけていることは2つあります。
1:論理と感性によるアプローチ
論理的視点と感性的視点の双方によるアプローチは適切なデザインを目指す上でとても大事になります。
「情報や機能が分かりづらくないか」「無味乾燥なつまらない物になっていないか」・・・論理的視点と感性的視点、どちらが欠けてもサービスや製品の本来の価値が人々に届きづらくなってしまいます。
しかし、50:50が最適解とも限りませんし、当然デザイナーのエゴで決めて良いことでもありません。
LEFTEでは、クライアントがどのように他社と差別化しどのようなブランドイメージを構築していきたいかを議論し、場合によっては限られた予算や時間の中で何に注力するかを整理し、適切なバランスを探っていきます。
2:クライアントとの相互理解
論理的視点や感性的視点と言われても、デザインの良し悪しはよく分からないという方も多いかと思います。
社長の趣味や直感をそのブランドらしさにしたい場合は社長1人の好き嫌いで決めても良いかもしれませんが、多くの場合は経営層や担当部署などが組織として納得して判断を下したいと考えているはずです。
デザインを判断するためには、「デザインをする目的が明確であること」と「デザインされたものの意図を理解すること」が大事になります。
LEFTEでは、目的を整理し明確にすることや、デザインの意図やメリデメを説明することをとても大事にしています。
同時に、私たちがクライアントのことを理解することも当然重要です。
「技術やサービスの強み」「抱えている課題」「目指しているブランドイメージ」など、プロジェクトを通じて理解を深めていきます。
さらには継続的な関係を築くことで相互理解が深まり、よりよいアウトプットに繋がると考えています。
組織でデザインを判断していく体制づくり
さらに、もう一歩進んだ話をしますと、企業において顧客との様々な接点を統一すること(=ブランディング)もとても重要です。
しかし組織が大きくなるにつれ、全ての接点を経営層やデザインディレクターが管理するのは大変になっていきます。とはいえ担当者が各々の判断で決めてしまい、顧客との接点がブレてしまうことも多々あります。
そこでLEFTEでは、組織のブランド力を強化していくためのガイドライン策定や、社員向けのデザイン講義も行なっています。
講義実績:DMM.make AKIBA、Incubate Fund 、大手自動車メーカー など
読んでいただきありがとうございます。
企業の価値を正しく伝え高めていくためには、デザイナーの力だけでは無くデザイナー以外のデザインリテラシー(自分たちが顧客に対してどのような姿勢を表現すべきか考える意識)を高めていくことも大切です。
そのためにLEFTEは地道に取り組んでまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。