CEDEC2023講演 まとめ ~ イヤホンの頭内定位を解消する独自技術 AudiiSion EP とは
まえがき
CEDEC2023 でコナミさんと共同講演した
「音場を広げる!~Amazing Bombermanのインタラクティブに変化する2Dサウンド制作事例~」
そこでご紹介した、イヤホンの狭い音場(頭内定位)を解消する独自の頭外定位信号処理技術 AudiiSion EP のまとめです。
HRTF とは
・HRTF(音源~耳の伝達関数)は特性が複雑で個人差も大きく未解決要素も
・イヤホンでは HRTF が掛からないので狭い音場(頭内定位)に
・個人化 HRTF は手軽に正確に再現することが難しく、誤認識・音質劣化の要因に
「どんなに耳の良い人が調整しても、他の人には同じ様には聞こえない」
音像定位認識
・音像定位認識は視覚や経験の影響を受ける脳の高次の認識
・聴覚の仕組みは解明されていない
・視差は立体視の強い手掛かりだが視差以外の情報からも立体像は認識でき、逆に阻害要因となることも
・HRTF 以外にも音像定位認識の手掛かりが?
・不正確な「強力な手掛かり」は逆に阻害要因に
脳内認識
・AudiiSion EP は脳内認識の仕組みに着目
・人が元々持っている音像空間認識能力を阻害しない独自の伝達関数
(特許登録済)
-マルチチャネルソース不要
-効果の個人差・音質変化が小さい
-演算量が少ない
-コーダーレイテンシー PCM1サンプル分のみ
-スピーカー再生時も悪影響がない
開発環境
・MATLAB / Simulink を用いることにより、効率的にアルゴリズム開発~インプリ~検証
-JUCE VST / Unity プラグイン
-Wwise プラグイン
-ESP32マイコン
-16bit固定小数点DSP
講演最後にご紹介したデモ
00:00 効果 ON(ジングル)の後、
00:05 効果 OFF の部分が通常のイヤホン視聴での最大広がり幅になります
00:10 から入る SE が、BGMよりも外側まで定位が広がって聞こえるかと思います
デモはこちらにまとめています。
あとがき
最新版はさらに音質・効果ともに向上しております。
ご興味のある方はお問い合わせください。