SEOライティングで大事にしたいこと。月30、40記事を作った経験からまとめてみた
SEOライティングというものを、数年間どっぷりやってきて、ものすごくやりがいを感じていました。
テクニカルな部分はあるものの、個人的には「コンテンツ力」が求められる世界だなと思ったんですね。これまで培ってきた編集力を活かせる場面が多かったわけです。
あれやこれや平均すると、月30、40記事を、編集者としてライターさんと作り続けてきました。その経験から、SEOライティングで大事にしたいことを書き留めておこうと思います。
SEOライティングに苦手意識を持っているライターや編集の方が、少しでも興味を持ってくれたらうれしいです。
検索エンジンよりもユーザーに向き合いたい
まずは、SEOライティングについて、ざっくりまとめておきます。
SEOライティングとは、SEO(検索エンジン最適化)を踏まえて文章を書くこと。つまり、検索エンジンで上位表示されることが、SEOライティングの目的になります(もちろんその先の成果まで見据えないといけませんが)。
ただ検索エンジンを攻略すればいいかというと、そうではありません。最終的にユーザーが読むものなので、ユーザーが満足する記事にする必要があります。
だからSEOライティングでは、「ユーザー」と「検索エンジン」、どちらも意識して書かなければならないんですね。
ユーザーのニーズを満たすように書く
検索エンジンが評価しやすいように書く
で、自分としては、検索エンジンよりも、ユーザーのニーズを満たすことをより意識したいと思いながら、記事を作っていました。
もちろん、そもそも検索上位に記事が表示されなければ、ユーザーが発見できないわけで、検索エンジンが評価しやすいように書いてあげる必要はあります。
具体的には、
タイトルタグにキーワードを入れる
検索上位の記事の要素を入れる
hタグを活用して見出しを階層構造にする
箇条書きタグを活用して簡潔にまとめる
といったことはしっかり対応しておきたいところ(SEOとしては、ほかにも内部施策や被リンク獲得がありますが、今回はライティング話なので詳しくは触れません)。
ただですね、検索エンジンの評価ばかりを気にしてしまうと、ライティングは窮屈になってしまうなと感じることが多かったです。
やはり読み手であるユーザーの満足度を優先したい。
なにかしら疑問や課題があるユーザーが、あるキーワードで調べたときに、「この記事すごい!疑問や課題が解消できた」と思ってもらえれば、理想的です。
SEOライティングのセオリーに、「検索上位の記事の要素を盛り込む」がありますが、検索エンジン視点ではなく、ユーザー視点で考えるようにしていました。「検索上位の記事にある情報だから入れよう」ではなくて、「ユーザーが求める情報はなにか?」を起点にする。
ユーザーが求めることを起点にすれば、検索上位の情報はやはり入れなければと思えることもありますし、また違うオリジナルな情報を盛り込もうといった発想が生まれます。
なにより、「こんな人が読んでくれる」と想像するほうが、記事作りが楽しくなりますよね。
そして、ユーザーの満足度が高いということは、検索エンジンが求めていることにも合致します。
検索エンジンが上位表示する記事を決めるわけですが、それはユーザーのためです。ユーザーが検索をして、役に立たない記事ばかりだったら、検索エンジンを使わなくなってしまいますよね。
「Googleが掲げる10の事実」 には、「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」という言葉があります。ユーザーの利便性を第一に考えることを、Googleの検索エンジンは目指しているのです。
大きな責任が伴うと自覚する
SEOライティングには、大きな責任が伴うと思っています。
なにか疑問があって検索したら、まずは検索上位にある記事を読むわけです。同じような悩みをもった人が、毎日のように同じ記事を読む状態というのは、なかなかすごいこと。
それだけに、「まったく役に立たない」「似たような記事ばかり」と思われたとしたら、多くの人に不利益な情報を与えて続けることになってしまいます。
やはり「タメになった」「役に立った」と思ってもらわないといけないし、できれば「欲しかった情報をていねいにまとめてくれた!」と感動を与えたい。
大きく拡散されたSNS向けの記事は派手に見えます。それに比べて、SEO向けの記事は地味に見えるかもしません。ですが長く継続して読まれる可能性があるわけです。手を抜くことなんてできない。
ではどうやって、ユーザーが満足する記事を作るのか?
おすすめしたいのは、オリジナル要素を入れることです。オリジナル要素を入れる方法としては以下があります。
取材をして書く
体験したことを書く
取材にはインタビューはもちろん、情報を検索したり、書籍や雑誌を参考にしたりすることも入ります。さまざまな角度から情報を入れることで、記事の内容に厚みを出していきます。専門家に話を聴くことができるのなら、監修記事にしてもいいでしょう。
Googleは、E-A-Tというコンテンツの評価軸を公表しています。E-A-Tとは、以下の3つの要素の頭文字を取った言葉です。
Expertise(専門性)
Authoritativeness(権威性)
Trustworthiness(信頼性)
取材をして書くことは、検索エンジンの評価につながる可能性があることがわかるでしょう。
また、体験したことを書くも、SEOライティングでやっておきたいことになります。
例えば、キャッシュレス決済の使い方について書くとします。実際に使っていないと、ユーザーがどんなことに悩み、どんなことにメリットを感じるかがつかみにくい。実際にキャッシュレス決済を使ってみれば、記事に具体性が出てきます。読み手にとっても納得感のある記事になるわけです。
成果につなげる意識を持つ
SEOライティングには、当然ながら目的があります。
企業ならば、商品サービスへの訴求につなげることになります。検索上位になって集客できたはいいけど、成果につながっていない、というのはよくあること。
だから、ユーザーに向けて書くのは前提ながら、どう成果につなげるかは、しっかり設計しておく必要があります。
そもそも成果につなげるのは、ハードルが高いんですね。
まず書いた記事が検索上位に表示されなければなりません。情報を充実させて、ユーザー満足度の高い内容にするのは、ホント手間がかかります。
やっと満足できる記事を作り上げたとしても、その記事だけで検索上位に表示されるかというと、そうではありません。
サイト内に専門的な記事を複数掲載して、サイトのドメインの評価を高める。内部施策や被リンク獲得の必要もある。
そこでようやく検索上位に表示される記事が生まれてくるのです。
さらに、そこから自社の商品サービスに関心を持ってもらわないといけません。記事内に、リンクやバナーを設置して、導線設計をしておくことで、問い合わせや商品サービスの紹介ページの閲覧といった行動につなげていきます。場合によっては、ノウハウや商品サービスの資料ダウンロードを、記事内で促すことが効果的なこともあります。
そもそも検索上位を目指すためのキーワードが適しているのかも、精査すべきです。ただ検索ボリュームがあるだけではNG。商品サービスと、課題のあるユーザーをマッチさせる必要があります。課題と紐づくキーワードを探していかないといけません。
整理すると、
検索キーワード設計
質の高い記事作り
記事内の導線設計
サイト内の導線設計
内部施策
被リンク獲得
などの要素があります。
検索上位になることができて、そこからユーザーが訪れて、記事の内容に満足してもらって、成果につながる問い合わせや購入といったアクションを起こしてくれる。たくさんの要素が高いレベルで融合することで成果につながるわけです。
いやぁ果てしない…。
でも、誠実に着実にやれば、成果につながるエース記事を生み出すことは不可能ではありません。
軸にしたいのは、コンテンツ力です。記事のユーザー満足度が低いと、話になりません。検索順位が下がるリスクは増していき、成果につながることはないでしょう。
しっかりした記事作りをしながら、成果につながる施策を打っていく。
一歩ずつ積み上げて、エース記事が生まれたとき、たまらないものがあります。
キーワードから考えない作り方もある
SEOライティングはキーワードから記事を作るわけですが、そうじゃなくてもいい。
実際にやってみてよかったのは、企画やテーマからの記事づくりです。
自社の商品サービスを活用したいユーザーは、どんな情報を求めているのかか、企画会議をしてみる。
制作メンバーでアイデアを出して、営業やマーケティングのメンバーにヒアリングしてもいいでしょう。ユーザーはどんな人たちなのか、実際にインタビューしてみてもいいと思います。
そうやって出てきた企画は、ユーザーにとって本当に必要なリアルな内容である可能性が高いです。
ここから、SEO視点を注入していきます。企画と親和性のあるキーワードはどんなものがあるのか、リサーチしていくのです。
ただ企画のみの記事よりも、長く検索されて、ユーザーが訪れるように、SEOを仕込んでおく。
ざっくりと以下のような流れになります。
キーワード調査を行う上で、ユーザーや社内メンバーにヒアリングすることもあると思います。企画会議を行うからはじめるのは、ユーザー視点を極端に意識するための工夫といってもいいかもしれません。
最後に
あらためてウェブ上での記事の質って、SEOライティングが握っているのではないかと思いました。検索して上位に役に立たない記事しか並んでいないなら、ウェブ上にはろくな記事がないな、と思ってしまうわけなので。
だからSEOライティングでは、作り手の思いを込めなければならない。血の通った記事を生み出していかなければならない。
今後、SEOライティングにがっつりと向き合うことは少なくなりそうで、ちょっとさみしい気持ちにもなりましたが、思いを込めたコンテンツ作りをしていくつもりです。
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