エビサンドに乗って滑っていく
こんにちわは、こんばんは。
LEEVELLESのドラムの髙木です!
ようやく最近、地球が冬眠から目覚めたように暖かくなりましたね。
春の外気に乗ってどこへでもいけるような気分です。
そういえばメンバー4人でお花見したことって今までにあったっけ?
たまには公園でだらだらとお酒を飲むような機会があってもいいかもしれませんね。
ところで、タイトルにある「エビサンドに乗って滑っていく」という言葉をご存知でしょうか?
なんだか酔っ払ったまま寝たときに見る夢のような画が浮かびます。
これはスウェーデン語のことわざで「働かず安楽に暮らす」という意味なんだそうです。
なぜ「エビサンドに乗って滑っていく」ことが「働かず安楽に暮らす」を表すのか、原文から意味までの距離が遠すぎて全く意味がわかりません。
ちなみに、これはエラ・フランシス・サンダースの『誰も知らない世界のことわざ』という本で紹介されています。
その中にはこのような解説があります。
お、おう??
この解説を見た時に一瞬時が止まるのを感じました。
一番気になる「滑っていく」を完全にスルーし、「そうしかねません」で言いくるめようとする姿勢。
そして、説明を放棄してるにも関わらずドヤ顔が垣間見える文体。
理解不能、なのに妙に癖になる一冊を見つけてしまったので、本日のnoteでは『誰も知らない世界のことわざ』からいくつか紹介してみようと思います。
・豚の背中に乗っている
これはアイルランドのことわざです。
あくまで家畜の話であり、女王様的なそれの話ではありませんよ?
みなさん、豚の背中に乗っている状況を想像してみてください。
この状況に陥るのはどういうときでしょうか?
本来家畜にまたがる場合、馬や牛、ラクダやラバのような移動・移送を目的としているはずですよね?
なので、そこから推測するに仕方なく豚に乗るしかない状況。つまり「他にあてもなく手段を選べない、そのような悪い状況」を示す言葉のように読み取れます。
ですが、この言葉の意味は「全てが順調で豊かに暮らしている」なんだそうです。
推測とは真逆なんですね。
だとしたら豚に乗ることがなぜ「順調で豊か」になるのか知りたいじゃないですか。
本書ではこのように解説されています。
主観すぎる!!
「そんな感じです。」で締める解説を生まれて初めて見ました。
けど、本書はこれでもベストセラー作品なんです。
・ペリカンを半分に吹き飛ばしている
デンマークのことわざで「風が強いことのたとえ」だそうです。
わざわざ半分にしなくても、吹き飛ばすだけでよくないかな…。
ちなみに本書には挿絵が描かれているのですが、ちゃんとペリカンが真っ二つに引き裂かれています。
かわいそ。
とはいえ、故事・ことわざの世界に誇張表現はつきものです。
「怒髪天を衝く」ほど怒り狂っても、髪が天に届くほどのロン毛になるわけがありません。
つまり、ペリカンが真っ二つにされてしまったのはデフォルメなんです。
我々もそれくらいはわきまえていますとも。
ちなみに本書の解説にはこう書かれています。
納得できねぇ…。いくら風が強かろうがペリカンは真っ二つにならん。
それに「科学的に証明できます!」みたいなスタンスでこないでほしい。
メガネクイッ!じゃないのよ。
・郵便配達員の靴下のように飲み込まれる
コロンビアのことわざで「猛烈に愛している」という意味だそうです。
その感性がすごいですよ。
常人じゃ絶対思いつけない。
本書の解説も
ほら、匙投げちゃった。
ただ、できれば解説は解説らしく振る舞ってくれ。
自由すぎる。
ずっと解説をなじってますけど、まだまだ世界には僕たちの知らない感性や言葉で溢れていることをこの本は教えてくれます。
どれもこれも独特な感性や視点を持っていて世の中面白いなあなんて思っていたのですが、本書には「猫をかぶる」も登場するんです。
確かに言われてみればこれも表現と意味がリンクしない言葉ですよね。
これを見て「あー、なるほど」と思いました。僕ら日本人は「猫をかぶる」を感覚的に理解して慣用句として使いますが、世界の人々もきっと同じなんだろうなと。
そう思うと、本書に出てくることわざたちもなんだか身近に感じられるような気がします。
エラ・フランシス・サンダース (著)の『誰も知らない世界のことわざ』とても面白い一冊です。
よければ是非読んでみてください。