観劇逍遥
劇団肋骨蜜柑同好会 『2020』観劇
あれですね、劇場で紙を見た方はわかるでしょうけ、目が回る。人によってはキツいかもしれませんね
この芝居を観るにあたって、休憩込み160分という長さに対して、自分自身のコンディション(ただの寝不足)が耐えうるかという点が一番心配だったけれど、かなり集中して見入ってしまった
観劇後、駅までの道のり、車中、自宅に帰ってきてからも、もちろん他のことも考えているけれど、芝居を凝視している感覚に陥っていたような気がする
この作品の賛否はわからぬが、少なくとも物語自体は好き、事前アナウンスは好きくないけれど、内容からすると意図的なものも感じるがまぁそれはそれとして
とある山麓のとある劇団という名のとある
ひとことで言ってしまえばカルトなんだけれども、その言葉で終わらせたくない何かを抱く
嘘ではない、ただ本当ではないだけ
そのものの世界(社会)は存在する、故に嘘ではないんだけれど、ただそこに存在しているものは本当ではない
みなが同じということは、コミュニティにとっての嘘とはなり得ぬが、同じ振る舞いは本当の自分ではない
解釈があっているか否かはわからないけれど、それぞれにしっかり感情はあって、表出もしている
ただただ恐怖しているだけではなくて、そこには絶対的な安心感もある
誰がどう受け取るかはわからないし、長尺なのでボリューム感もあるんだけれど、もうちょっとあの世界に浸りたいとも感じたし、あの部屋のあの箱はあれでいいのかと思うくらい自分のドロドロした部分がもっと何かを求めてしまった
ラストの2人はとても素敵でした
個人的にクロミが物語を観やすくしているのと、自由な想像を抱かせてくれるとても大きな存在だったな
知りたい、知りたくない、でも知りたい
それでいいのかなって思います
劇場をあとにした帰路は風も心地よく、綺麗な景色を眺めながら余韻に浸っていた