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案内犬の思い出
こないだの、言葉をもたないものとのつながりの話で、もうひとつ思い出したことがありました。ずっと前に会ったワンちゃんのことです。
案内犬。
お遍路さんが歩いてくると出てきて、次の札所まで道案内をしてくれる犬のことです。出会えるとラッキーとも言われます。
かなり長い時間、いっしょに歩きました。
先を行っては時々ふり返り、ちゃんとついてきてるか確認し、またどんどん歩いて行きます。
お庭の犬が出てきてということもありますが、こちらはたぶんノラでした。
やせて小さくて、まだら模様。ひょうきんというか動きがちょっと間が抜けてるというか、でもとてもピュアでした。
写真は1枚だけ。あとから見てびっくりしたのですが、とぼけた明るい表情しか、その時は見えなかったのです。こんな、かなし気な顔見てない。
動きも表情も妙に人間っぽくて、ずっと言葉にできない言葉でしゃべってる感じ。
糖分水分補給の休憩の時、おやつをあげても全然食べようとせず、休んでないで早く行こう、早く行こうと言ってました。
そして目的地もう少しだなと思った時、消えてました。
それを、今思い出しても、人と一緒だったという感覚しかないのです。
このワンちゃんは、なんでかわかんないけど、人なんだ。
人だった?今ここで、しごとをしてるんだ。
それからずっと忘れられず、数ヶ月後車で美術館など用事を作って、出会う前の札所(お寺)へ行きました。山の上です。その辺りにいるかもしれないと感じたのです。
いませんでした。でも、しばらく広い空き地に立っていると、よく似たもう少し大きなワンちゃんが現れました。
じっとこちらを見る目で、なんとなく家族のような気がしました。
そのワンちゃんは崖っぷちの方へ行き、遠吠えを始めました。長い間、誰かを呼ぶように吠え続けました。
どこかでまたお遍路さんを案内しているのでしょうか。
それとももう、いないのでしょうか。
30分くらい待ってみましたが、遠方へのドライブでもあり、そのまま帰りました。
来たことは、伝わってる。
このことも、何だったのか、全然わかりません。それでもなにか、何かだったと感じるのです。
今は、動物だけでなく、鳥や、虫や、植物にも、それに、まったく見えないものにも、そう感じる時があります。
あのワンちゃんとの縁も、いつかわかる時があるように思います。
それは、死ぬ時なのかもしれません。今は、自分は、人は、無数のつながりの中にあると、それを感じていればいい。
言葉をもたないものへの心、からの心。ともにあること、ともにするしごと。それはとても、大事なことに思えるのです。
~写真は、たぶん愛媛と、香川、徳島の3枚です。
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