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怖いけど読みやすいし、現代社会の風刺画にもなってると思う 中山七里先生 連続殺人鬼カエル男シリーズを読んで


はじめに

年が明けて少しずつ落ち着き始めたかと思えば、受験シーズン真っ只中。あの頃は頑張ってたなーと懐かしく思います。どうも陸空です。
今回は多分読みやすいであろうシリーズの本を紹介したいと思います。本来ならば1冊ずつご紹介したいのですが、こちらの都合でシリーズでのご紹介です。ご了承下さい。

この本(シリーズ)との出会い

実は昨年の3月頃父が、黄色靱帯骨化症という国指定の難病で入院、手術をしました。黄色靱帯骨化症自体は私も知っていたのですが、とても驚いたことを覚えています。そんな中で父は入院生活を大変有意義に過ごしたそうで、F1、映画、YouTubeなどを見て「結構やることあったぞ」なんて話してくれました。そんな時にセブンショッピングでこのシリーズに父が出会い、めっちゃ面白かった!と紹介してくれました。父のおすすめは大体面白いので、私も読もう!ということで私もこのシリーズに出会いました。 ブクログアプリをダウンロードした最近、完結編が出ていることを知り購入。本来ならば3冊あるシリーズを1冊ずつご紹介したいのですが、あんまり積読したくないタイプなので、3冊まとめてご紹介します。
⚠ご紹介の前に
この小説かなりグロッキーです。そんな描写があまり得意ではない方はここでそっとこの画面を閉じることを強くおすすめします。



感想

まず、カエル男と聞いてどういう事?と思った。
例として、猫みたいな人だよね~とかは言うかもしれないけど、カエル男みたいな言い方はしないよなぁと思った。
カエルのお面をかぶった男なのか?はたまたこの小説の舞台が人間界ではないのか?様々あると思うが、「殺人」なので人間界のお話なんだろうなとおもってよみはじめた。何故沢山生き物がいるなかでカエルなのか?読んでいくと分かるのでまずそれを知って頂きたい。
この本のキーワードを挙げるとするならば、刑法39条、精神障害、メディアだろうか。
特にこの刑法39条がかなり大きなカギになっている。
簡単に言うと刑法39条精神喪失の人が犯罪しても刑罰はない。
精神衰弱者が犯罪しても刑罰は軽くする。
これがすごく厄介な立ち位置というか、うまく表現できないのですがこれがほぼすべての盤面において、障壁になっているなと感じながら読んでいた。
そしてメディアはシリーズの中でも1冊目で特に大きな存在になった。タイトルから分かるように連続殺人のお話であるこのシリーズは、事件が起きるごとに市民の生活に緊張感が走るシーンが増えていき、最終的には警察署などが事件の犯人を過度に恐れた市民によって、襲撃されるような事態になってしまうことにつながったり、新聞記者による過度に市民を煽る報道が、捜査の妨げになってしまったりと、正直現在のマスコミ、週刊誌などが、いつかやらかしてもおかしくないような描写が描かれていた。ちょうどこれを書いているときには週刊文春の報道から明らかになった中居正広氏とフジテレビの問題が世間をにぎわせており、週刊誌側に対してもあまり良いイメージを持っている人は多くないのではないかと思う。この点から風刺画のようなものを感じた。 カエル男の恐ろしさに、かなり怖さを感じながら、最後にはこの一連の事件なんとかならなかったのだろうか?と思ってしまった。


この小説が読みやすいと思う理由

理由として犯人が分からないということが挙げられる。犯人が分からないからこそ誰なのかを予想しながら読むことができる。実際に私も犯人を予想しながら読んでいたが、まさかの展開が多々あり、予想は外れていく。ただ、予想しながら読むことで読者も名もなき警察官や、市民など小説に入り込むことができるので私はお勧めしたい。もちろん人によって読みやすいもの、読みにくいものがあるため、あくまでも一人の人の考えであることをご理解いただきたい。

本のご紹介

タイトル 連続殺人鬼カエル男
作者 中山七里
出版 宝島社
価格660円(税込)

※文庫化されたものを紹介しています

タイトル 連続殺人鬼カエル男
作者 中山七里
出版 宝島社
価格825円(税込)

※文庫化されたものを紹介しています

タイトル 連続殺人鬼カエル男完結編
作者 中山七里
出版 宝島社
価格 1870円(税込)

※2025年2月3日時点で文庫化されていません

最後に

この小説を書いた中山七里先生は岐阜県のご出身ということで、私は少し嬉しくなりました。こんな素敵な作家さんがいらっしゃる事がとても嬉しいです。
まだ積読がいくつかあるのでまた更新します。
ありがとうございました。

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