2024箱根駅伝 「往路」振り返り|創価大学
✳︎トップ画像は、よろず工房:Yasuyuki様ご提供のフォトライブラリーから使用させていただいております。ありがとうございます😊
さて。すでに2024年も1月が終わろうとしているのに、いまさら感は否めませんが、自分の備忘録として箱根駅伝の振り返りを遺しておきます…(しかもこの記事では往路まで)。メインは出走選手のPBプロットと区間順位のまとめですので、以下の目次から気になるところだけでもご覧いただければ幸いです。
区間エントリーの答え合わせ
予想してそれを公表したならば、答え合わせも遺しておきたいタイプでして。まずはそこから。
箱根駅伝の区間配置についての予想の詳細は前記事の通り。
12/29に発表された区間エントリーは以下通り(当日変更なくこれが最終)。
(往路)
1区 桑田 大輔 (4年)
2区 スティーブン ムチーニ (1年)
3区 山森 龍暁 (4年)
4区 野沢 悠真 (2年)
5区 吉田 響 (3年)
(復路)
6区 川上 翔太 (1年)
7区 石丸 惇那 (2年)
8区 小池 莉希 (1年)
9区 吉田 凌 (3年)
10区 上杉 祥大 (4年)
私の区間予想との違いは以下の通り(敬称略):
区間:予想 → 実際
3区:小暮③→山森④
4区:山森④→野沢②
8区:野沢②→小池①
暫定オーダーが発表された段階では、前回同様に小暮③選手は往路全般のバックアップで、問題なければ復路当日変更で出走する可能性があると予想(切望)していたが、結局、創価大学は当日変更は無し。小暮選手に関しては、本人のXのポストで1週間前に怪我をして出走できなかったとのこと。出雲、全日本に続き、残念ではありますが、来年こそは三大駅伝での出走・活躍を期待!
尚、7区出走した石丸②選手のインタビューによると、当初7区は小暮選手でケガにより代わったとのこと。また、後日(1/29)の築舘コーチのXポストによると、”今回の箱根も万全なら3区だった。”とのことで、やはり小暮選手が3区→7区の候補だったのは間違いないと思われる。
野沢②選手は、私は元々8区予想だったが、往路ならばアップダウンがあるタフな4区も適性があると思われる。但し、前回5区経験者なので、最初は補員登録で当日は万が一の5区バックアップ、そして問題なければ復路8区に当日変更と予想していたので、少し意外な感じはした。
尚、後日公開になった大学公式ダイジェスト動画では(8区に関して)”直前で外れた1年生の齋藤”との吉田正城主務の談話もあり、当初予定では8区は齊藤選手①であったことが伺われた。
一応、区間予想の答え合わせとしては、今回は
・区間まで一致が7/10
・(区間に依らず)出走だけなら9/10
となった。これは、
・出雲駅伝(区間3/6、出走5/6)
・全日本大学駅伝(区間1/8、出走5/8)
よりも高い一致率。まぁ、直前情報で桑田選手の1区起用が濃厚になったことを反映できたので、「後出しジャンケン」感は否めない。チームエントリーおよび区間エントリーがチーム外部(ファン目線)からの予想とある程度一致したというのは、おしなべて調整は順調であった(上記の小暮選手や齊藤選手の例はあったものの)ものと推察された。
往路各区の出走選手のPBプロットと区間順位
ということで、ここから各区間の出走選手のPBプロット(縦軸:ハーフマラソン vs. 横軸:10000m)のデータラベルに区間順位の結果を付したものを示していく。但し、全ての大学ではなく、前回大会シード校+私が個人的に気になった大学(大東大・東海大・帝京大・東京農大)を加えた14校のデータのみ。尚、PBプロットの説明(図中に引いた点線の意味等)については以下のXポストをご参照のこと。
・1区:桑田選手区間2位の絶好のスタート
当日変更により駒澤大・篠原選手および駿河台大・レマイヤン選手が出走になったことで予想された通りの高速レースとなった1区。桑田選手④は飛び出した選手にはつかず、集団で機会をうかがい、篠原選手以外に追いついた後に、最後に一発勝負でスパートを決め、先頭の篠原選手から23秒差の2位!これ以上ない絶好のスタートとなった。
1区出走選手のPBプロットと区間順位(データラベルに記載)は以下の通り(Fig.1)。篠原選手はPB通りの区間賞となったが、それ以外の順位は(当然ながら)PBデータ通りにはなっていない。今回の1区(21.3km)区間タイムをハーフマラソン(21.0975km)換算(区間タイムに21.0975/21.3を乗じる)すると、桑田選手の場合1:00:50相当とハーフ61分ギリとなり(当然ながらコース・気候が違うにせよ)、ハーフPBを2分以上も上回る結果となった。
今回の1区の主な区間順位のハーフ換算タイムは以下の通り:
区間1位 1:00:27
区間5位 1:00:58
区間10位 1:01:03
区間一桁順位にはハーフ61分程度が必要という、高速レースとなったことが分かる。こういう展開になると、箱根1区にはエース級の選手を置かざるを得ないと言えるかもしれない。(ちなみに、今回の区間23位でもハーフ換算63分程度とかなりの高水準!)
・2区:#やるじゃんムチーニ
Leakey選手③がエントリーから外れる情況の中、1年生で箱根駅伝の2区を担うことになったStephen選手が区間5位の好走。タイムは66分43秒でMulwa先輩の創大記録に迫る好タイム。そんな彼を終盤でぶち抜いた青学大・黒田選手②が区間賞。駒澤大・鈴木選手④に対して縮めた13秒が、3区での逆転劇につながる布石となった格好。
2区出走選手のPBプロットと区間順位(データラベルに記載)は以下の通り(Fig.2)。これもPB通りにはなっていないが、逆にこの冬のハーフ等での黒田選手の活躍が大いに期待されるところ。
今回の2区の主な区間順位のハーフ換算タイムは以下の通り:
区間1位 1:00:23
区間5位 1:00:56
区間10位 1:01:40
権太坂といわゆる戸塚の壁を有する起伏のある2区であっても、区間1・5位は今回の1区と遜色ないタイムとなっている。これは66分台が6名と超絶レベルの高い今回の2区になったことによる。1区に比べると、区間10位はタイム差が開いているが、直前の発熱等によるコンディション不良で区間15位となった中大・吉居選手であってもハーフ換算1:02:10。流石”花の2区”、やはり相当にレベルが高い。
尚、Stephen選手①はハーフマラソン自体は未出走(Mulwa先輩も大学時には結局ハーフは走らず)ながら、(2区のタフなコースで)ハーフ換算61分を切るパフォーマンスを示す結果となった。留学生とはいえ、1年生でこれは快挙と言えるのでは。来年度以降も大いに期待される。
・3区:2年連続の山森選手をもってしても…
97回大会の葛西選手(現・旭化成)の好走を除いては、創価大学にとって”鬼門”となってしまっている感のある3区。2年連続の3区出走となった山森選手④をもってしても区間19位(順位も3位→8位)と苦しい結果となってしまった…。
3区出走選手のPBプロットと区間順位(データラベルに記載)は以下の通り(Fig.3)。(下り基調の3区とは言え)ハーフ換算で日本新記録ペースのスピードでトップを争った区間1・2位の青学大・太田選手と駒澤大・佐藤圭選手はハーフ記録無しのためプロットなし。それ以降はの3・4位はPB通りの実力が反映された結果となっている。
今回の3区の主な区間順位のハーフ換算タイムは以下の通り:
区間1位 58:56
区間5位 1:01:03
区間10位 1:02:32
前述の通りのハイレベルな区間賞争いに加えて、区間1桁にはハーフ換算で62分台前半が必要というレベルの高い3区となっている。また、1・2区以上に差が広がりやすいのも特徴かもしれない。区間19位となった山森選手でもハーフ換算1:03:24と自身のハーフPBとさほど遜色ないタイムではあるが、それでもトップとは3分半ほどの差がこの区間だけでついた形となっている。次回の3区は誰が担えるのか(個人的には小暮選手を切に願うが)ー高速ハーフレースへの対応ーが大きな課題と思われる。
・4区:冷たい雨の試練①|野沢選手
前回・前々回と嶋津選手(現・GMO)が担った4区に今回は野沢選手②が出走。前回5区も経験し、細かいアップダウンがある4区は十分適性があると考えられるところ。ただ、惜しむらくは冷たい雨模様が苦しいレースとなった昨年のレガシーハーフを想起させ、その影響か区間15位と苦しい走りとなった。それでも順位を落とさず8位で繋いだのは立派。
4区出走選手のPBプロットと区間順位(データラベルに記載)は以下の通り(Fig.4)。区間1・2・3位まではPB通りともいえるが、それ以外はPBと区間順位にはあまり相関がないようも見える。
今回の4区の主な区間順位のハーフ換算タイムは以下の通り:
区間1位 1:01:45
区間5位 1:02:41
区間10位 1:03:21
1~3区に比べれば比較的落ち着いたペースではあり、3分/kmで押しきれば区間一桁に食い込める結果となった。区間15位の野沢選手のハーフ換算は1:03:39で区間10位とはそれほど差は大きくない。ただ、昨年度までの嶋津選手のようにこの4区で”稼ぐ”ことが(特に創大チームには)望まれるところか。箱根後の1/28の大阪ハーフでは1:01:46の創価大新記録を達成!した野沢選手。来年度は4区もしくは8区で”稼ぐ”走りに是非期待したいところ。
・5区:冷たい雨の試練②|吉田響選手
シン・山の神を目指して、2年ぶりの天下の険に挑んだ吉田響③選手。東海大から創価大に移った今季は、出雲5区で区間賞、全日本5区で区間新・区間賞を獲得した。どちらも気温が高くなったり風が強くなったりするタフなコンディションでも強さを魅せてくれた。箱根5区でも区間賞・区間新の三大駅伝5区コンプリートが大いに期待された。ただ、”寒さ”だけは苦手とのことで、それでも十分に対策は施されたはずだが、5区では珍しい(雪は降っても)雨となり、スタートから間もなく一人抜いたものの、差し込みがあったようで思うようにペースが上がらず、終盤の下りも切り替えがうまくいかなかったようで、区間9位の結果。築舘コーチのXポストの曰く”山登りは年に一度。選考も調整も、あまりにも少ない情報を頼りに準備しなけれならない。その僅かな情報が一人歩きし、未知数のまま膨らんだその期待は予想以上に本人の精神を削ることもある。”
5区出走選手のPBプロットと区間順位(データラベルに記載)は以下の通り(Fig.5)。山登り特殊区間でトラック1万やハーフのPBとの相関は他の区間よりも低そうであるが、区間新となった区間1・2位(城西大・山本唯選手、青学大・若林選手)はPB通りの結果となったところは興味深い。山登り(下り)の適性はもちろんのこと、平地での走力も兼ね備えることが必要、ということか。
今回の5区の主な区間順位のハーフ換算タイムは以下の通り:
区間1位 1:10:13
区間5位 1:13:03
区間10位 1:13:48
新記録となった1位のタイムが3:20/km相当。天下の険の登り(と下り)をこのペースで押し通すことが「シン・山の神」へのまずは基準となる。今回は5区経験者・実力者が多く出走し、思ったほど差がつかない予想もあったが、それでも実際は区間10位と1位の差は3分半程度と往路の中でも最も差が広がった結果となった。
往路のまとめ(は榎木監督と選手インタビューにて)
往路終了後の榎木監督および出走選手のインタビューは以下のリンクより。
(ひとまず往路分を投稿します。復路分も遠からず書く予定です…)
ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました・お疲れ様でした。