映画『ボリショイ・バビロン 華麗なるバレエの舞台裏』

“ボリショイはロシアの秘密兵器だ。この兵器を世界に売り込む。舞台芸術は世界共通の言語だ”(メドベージェフ当時首相)

“華麗で醍醐味ある踊り。他のバレエ作品がかすんで見える”(ブロードウェイワールド)

本作は世界最高峰と言われるボリショイバレエ劇団を撮ったドキュメンタリー。(2013🇬🇧)見事な踊りの技量が披露される。うちの小さい娘がやってるバレエが盆踊りに見えるぐらい。とはいえ、実はこの作品、踊りは後景で、ボリショイ内のドロドロがテーマになっている。

冒頭から芸術監督が塩酸を顔にかけられ、失明の危機に陥り、同劇団の男性ソリストが拘束されるというドロドロさ。
話を聞いていくと劇団内には派閥闘争があり、巻き込まれれば大人気なスターソリストもいきなり解雇とか、政府高官が普通に人事に介入してくるとか色々ヘビー。国が腐敗すると劇団も腐敗するとの言。それでも「他のバレエがかすんで見える」実力を持つのがボリショイ!ハラショー

ダンス映画というばカタルシスというパターンがあるはずだけど、本作は何かドンヨリと観終わるかなと。もちろんバレエに詳しい方とかだと見応えあると思いますけどね。

ただ、よくここまでインサイドに入って撮れたなと、そこが一番感心しました。劇団の積極的な協力が無いと撮れない画だと思います。
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