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スタートアップ経営者必見!ストックオプション設計の基礎知識と成功事例

経理・記帳代行サービスおよび経理コンサルティングを提供しているledge ease(レイシー)です!
数ある記事の中から私たちの記事を見つけて頂き、ありがとうございます!

今回の記事は「ストックオプション設計の基礎知識と成功事例」です。

創業メンバー・重要な外部パートナー等の功労者に対するインセンティブや優秀な人員を採用する為の報酬として有効なストックオプション。
導入したいスタートアップ経営者の方は多いと思いますが、「いまいち導入や設計方法が分からない。。。」というスタートアップ経営者からの相談をよく受けます。

今回の記事では、その様なスタートアップ経営者に向けた【ストックオプションの基礎知識】をまとめました。
ストックオプションの導入を考えている経営者に少しでも参考になればと思います。


⚠️ 重要な注意事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、税務・法務の正確性を保証するものではありません。
ストックオプションの設計・発行・税務処理に関しては、必ず税理士・専門家・税務署へご確認ください。


1. ストックオプションとは?


ストックオプションは企業の成長と一緒に育ちます

1-1. ストックオプションの基本的な仕組み

ストックオプション(SO)は、将来、一定の条件下で自社株をあらかじめ決めた価格で取得できる権利です。

通常、SOの付与時点では株を取得せず、後に条件を満たしたタイミングで行使することで、低価格で株式を取得できます。

  • 付与時:権利を与える(この時点では税負担なし)

  • 行使時:決められた価格で株式を取得(行使価格と時価の差額が課税対象になることも)

  • 売却時:株式を売却しキャピタルゲインを得る

1-2. なぜスタートアップで活用されるのか?

スタートアップは資金が限られており、高額な給与を提示しにくい状況が多いため、SOを活用することでキャッシュアウトを抑えつつ優秀な人材を獲得・維持できます。

また、「ストックオプション = 成功すれば大きなリターンを得られる」という期待値を持たせることで、企業の成長と個人の利益を一致させることが可能です。


2. ストックオプションの種類と特徴

2-1. 税制適格ストックオプションと非適格ストックオプション

① 税制適格ストックオプション(税制優遇あり)

  • 特徴

    • 行使時の所得税がかからず、売却時にキャピタルゲイン課税(最大20.315%)

    • スタートアップ向けに有利な制度

  • 要件(抜粋)

    • 行使価格が発行時の時価以上であること

    • 株式発行法人の取締役・従業員に付与されること

    • 発行決議から10年以内に行使されること など

② 非適格ストックオプション(税制優遇なし)

  • 特徴

    • 行使時に給与所得として課税(最大55%)される

    • 税負担が重いベンチャーキャピタル(VC)やアドバイザーなど、税制適格SOを発行できない相手に付与可能

2-2. 信託型SOやJ-KISS型SOの活用

近年、税制適格SOの課税を回避するために、信託型SOJ-KISS型SO(J-KISS SAFEに紐づいたSO)といったスキームも活用されています。


3. 発行時のポイントと注意点

3-1. 何株分を発行すべきか?

一般的に発行済株式総数の10〜20%をSOプールとして確保するのが通例です。
米国スタートアップでは15〜20%程度、日本では10%程度が多い傾向にあります。

3-2. 行使価格の設定(1円SOは可能か?)

1円SO(低額行使SO)は、ベンチャーキャピタル(VC)からの投資を受ける際にダイリューション(希薄化)問題を引き起こすため、慎重に設計する必要があります。

3-3. ベスティング(権利確定条件)の設計

  • 一般的なベスティングスケジュール

    • 4年ベスティング(1年クリフ、以降毎月25%ずつ)

    • 例)1年後に25%が権利確定、その後毎月1/48ずつ確定


4. 税制と会計処理の基礎知識

⚠️ 税務に関する注意

ストックオプションの税務処理は状況により異なり、適用要件が細かく規定されています。本記事の内容は一般的な解説であり、実際の税務処理については税理士・専門家・税務署への確認を強く推奨します。

税務のポイント

  • 税制適格SO:売却時に20.315%のキャピタルゲイン課税

  • 非適格SO:行使時に最大55%の所得税が発生

会計処理のポイント

  • ストックオプション費用は株式報酬費用としてPL(損益計算書)に計上

  • 行使時の税務・会計処理は事前に専門家と確認必須


5. 成功事例と失敗事例

成功事例

  • メルカリ:適切なベスティング設計で優秀な人材を確保

  • SmartHR:資金調達と連動し適切にSOを設計

失敗事例

  • A社:行使価格の設定ミスで大きな税負担が発生

  • B社:ベスティングなしで退職者に利益を持っていかれる


6. まとめ|SOは慎重に設計すべし

ストックオプションはスタートアップの成長に不可欠なインセンティブ制度ですが、適切に設計しなければ税務リスクやインセンティブの欠如により逆効果になる可能性があります。

  • 税制適格SOを活用し、税負担を最適化

  • 行使価格・ベスティングを慎重に設計

  • SO設計は専門家と相談するのがベスト

ストックオプションを適切に活用し、スタートアップの成長と人材確保を加速させましょう!

7. 最後に

私たち【ledge ease(レイジー)】では、個人事業主やベンチャー・スタートアップ企業に特化した、経理・記帳代行サービスおよび経理コンサルティングを提供している企業です。
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