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てんかん様発作とトレハロース

明け方、子供がえづいて吐く音がして目を覚ますとてんかん様発作を起こしていて顔は紫色になりチアノーゼを起こして痙攣しているのをみると、私は息もできないほど怖くてショックを受けてしまうのですが、それを何度か繰り返し、観察しているうちに「子供が発作の前日に食べたもの」に共通点があることに気づきました。

それが「トレハロースを含む食べ物」です。


発作はいつも明け方か夜中に起こります。血糖値が下がっているときに起こります。発作の後はたいてい数か月間身体がぐったりとして低緊張が強く出ます。発作の前兆になるような症状が出ることもありますが突然来るときもあります。突然来た時は「明らかに食べてはならないものを食べたせいで代謝に問題が出て発作を起こした」と考えられるし、「前兆があった時期は知らず知らずのうちに食べてはならないものを少しずつ食べてしまったせいで具合が悪かった」と考えられます。

トレハロースを含むものを食べると具合が悪くなるというのはかなり前からわかっていました。だから食品の裏書を見て記載のあるものは食べないようにしていました。コンビニに売っているお菓子などは入っていることが多いので買えません。怖いのは外食。使われている食材に入っている可能性があります。家で作ったものでなければ安心できませんでしたが頑張って自炊していました。

でもここ2~3か月立て続けに発作を起こしてぐったりして調子が悪かったんです。せっかく立って歩けるようになっていたのにまた具合が悪くなってごろごろし、無理に立たせようとすると苦しんで「足が痛い」と言ってうずくまりました。

この原因が近所にあるスーパーの肉と魚にあるということになかなか気づけなかったのですが、子供がだんだんとそのスーパーで買ったものだけを食べなくなってきたんです。

Aスーパーで購入した鶏肉は食べないのに、Bスーパーで買ったら食べる。Aスーパーで購入した海老は大好物のはずなのに一切手を付けない。冷凍の魚はもっと嫌がり、口にいれてもすぐに吐き出します。

おかしい…。

自炊していても、子供が警戒する食べ物があって、それを食べると実際に具合が悪くなるんです。ひどい下痢をします。視線が合わなくなったり、体の軸が取れずにぐらぐらします。低緊張が強くなりよだれが出て止まらなくなり、頻繁に体をあちこちにぶつけて青あざだらけになるんです。


そこで私はトレハロースの製造メーカーに問い合わせをしました。トレハロースと発作の関係性はあるのかと。

その答えは「トレハロースはトレハラーゼという酵素で代謝されるが生まれつき欠損していたり量の少ない人がいてその場合は下痢をする」という内容でした。トレハロースを甘味料として使った場合は記載の必要があるけれど、食材に潤いを持たせる保湿の機能として使った場合は水溶液につけているだけだったりするので記載されないことがある。どの食材にどのくらい使われているかはメーカーは把握できないとのこと。

でもこれ結構危険なことだと思うんです。日本のサイトではトレハラーゼが欠損している人の数が表記されたページは見つかりませんでしたが、海外のサイトでは100人に1人とかかなり多い数字を公開しているところもあって、情報はまちまち。特にトレハラーゼは小腸の柔毛の上にのっかっているタイプの酵素です。二糖類分解酵素と同じタイプ。ということは、一度下痢になって酵素が流れてしまった場合はトレハラーゼも同じように流れて機能しなくなるのでは?むしろトレハロースによっておこる下痢から二糖類分解酵素が流出して体調が悪くなっているのでは?

どちらにしてもメーカーの担当者は緊張した声で「研究者は数か月前に定年退職したのでもうわかるものがいないから質問の答えはわからない」と言って電話を切りました。


わかる人がいないなら自分で考えるしかないといういつものパターンです。

・トレハロースを含む食品を取るとトレハラーゼの少ない人は下痢になる
   ↓
・下痢をすると小腸の酵素が流出してしまう
   ↓
・二糖類分解酵素が流出すると糖質を単糖類に分解できないので血糖値が下がる
   ↓
・睡眠時は特に血糖値が下がり、糖を確保するために糖鎖を溶かし始める。脱髄が起きてけいれん発作が起きる

こういう流れでしょうか。となると、トレハロースだけではなくキシリトールやエリスリトールも同じ構造で具合が悪くなります。




トレハロースで脱髄が起きててんかん様発作が起きているのならいろいろな食品に注意が必要になります。トレハロースはカロリーが低い甘味料で食品の消費期限を延ばすのでお菓子やパンだけでなく、カット野菜や肉や魚にも使われているのです。

Aというスーパーの冷凍の魚はとてもおいしいのです。ほかの冷凍の魚は解凍するとパサパサになるのですが、そのスーパーの魚はふっくらとしていて解凍時のドリップもほとんど出ません。お肉もいつまでも新鮮で賞味期限がとても長いのです。

スーパーは商品価値を上げるつもりでトレハロースを使って保存期間を長くしようとしているのかもしれませんが、トレハロースはすべての人にとって安全な食品添加物ではありません。酵素がなければ代謝されずに下痢を引き起こします。そして酵素を持たない人間の数は意外と多く、ただ下痢になるというだけでは終わりません。もしも使っているのであれば使っていると表記してもらいたいのです。そうしなければ、私の子供はまた発作を起こして死にかけ、しばらく発達が遅れます。


私が子供を連れてあちこち出歩いていると多くの方が声をかけてくださるのですが脳性麻痺だというと「どうやってこんなに元気になったんだ」と驚き、その手法を知りたがられます。大抵は皆さん「親戚の中に発達障害の子がいる」と言われるんです。発達障害の子供はたくさんいますよね。以前はそこまで多くはなかったように思いますが年々増えてきています。重症度は違えど脳の発達が遅れる病気なので何か参考になることがあるのではないかと思って質問してこられるのでしょう。そういう時私はこのトレハロースの話をします。

理由はアンドロゲン補充療法や双子葉合弁花類の除去、夜間の単糖類の補給などは確かに効果は高いけれど、ちょっと普通の人にはハードルが高すぎるし、トレハロース除去や人工甘味料などの添加物を避けるということであればだれでも気軽に始められるから。

実際に体調が変わることを実感している人が多いです。カゼインフリーやグルテンフリーなどよりもその効果は高いです。

昔は「これは子供の食べるものじゃないから」と言って食べさせてもらえない食材がいくつかあったように思います。酒のつまみになるような辛いものを始めとしていくつもあったはずなのに最近はあまり言われません。トレハロースももしかしたら私の子供だけではなく、多くの子供には良くないものの一つに当てはまるのではないかと思っています。

でも野菜やお肉や魚までトレハロースが侵食してくるとなると、ちっとも手軽に試せるテクニックとは言えなくなってしまいますね。


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