今日覚えたい文法
形容詞が修飾する名詞
「眠れる森の美女」
眠っているのは森?
眠っているのは美女?
常識的に判断をして森は眠らないので、眠っているのは美女なのです。
(まあ屁理屈を捏ねて、眠っているのは「森さん」の美人の娘さんである可能性を捨てきれないですがね)
人間というのは何かを理解しようとしたら、ありとあらゆる知識を動員して問題解決に当たるのです。社会経験が高かったり読書量が高い人が、いわゆる「文章題」の正解率が高い(le Ciel フランス語教室調べ)なのは、言語外の知識による差でしょうね。
フランス語でも同じような現象が見られます。
une bonne bouteille de vin
おいしいのは瓶?
おいしいのはワイン?
常識的に判断をして「おいしい」と評価をできるのはワインだけなので、「美味しいワインが一瓶」と判断されるわけです。
しかしよく観察をしてみましょう。
UNE BONNE BOUTEILLE de vin
形容詞が女性形で性の一致をしているのは、bouteille に合わせているのですよね。ということは、bon(ne) なのはやはり bouteille なのでしょうか?
若い時に飲んだワインの味が忘れなくて、ずっと「そのワイン」を探している一がいたとします。
「あの赤いラベルで Syrah というぶどうを使った Fronton 産出の赤ワイン… どこにあるんだろう?」
探し始めて30年。田舎町のワインセラーでやっと見つけました。
これこれ、探していたのは!
C'est la bonne bouteille de vin que je cherchais !
こうなると、探していたのはワインということもできますし、ワインのラベル(すなわち瓶)ということもできますよね。
しかも(敢えて言えば)日本語訳は「例の、あのワイン(の瓶)」というということになるでしょうか。
「まさにあの赤いラベルのワインだ!」←赤いのはボトルであってワインではない
この日本語に(少なくともぼくは)違和感がないように、フランス語でもune bonne bouteille de vin
la bonne bouteille de vin
が可能なのでしょう。
ちなみに、
une bouteille de bon vin ということも可能なようですが、ぼくは若干の違和感を感じます。
de の後には無冠詞の名詞が来ることが多いのですが、その前に形容詞が付いている体と分析します。
une bouteille de vin rouge だと気持ち悪くないんだよなぁ…
とりとめのない内容で、失礼しました。
ご参考まで