今日覚えたい読解
次の文を正確に解釈してみましょう。
Bouche est un restaurant de quartier où on découvre une cuisine raffinée et de saison.
上手な訳ではなく「正確な解釈」を目指してください。要するに、フランス人のように「内容を感じながら読む」、ということです。単に単語の訳をくっつけてかっこいい日本語になっているから読めている、ということではないのです。
Bouche est un restaurant
まず、「Bouche はレストランなのです。」
un restaurant de quartier
「地区のレストラン」ってなんでしょう。記事では République 広場付近のレストランを紹介しているので、「そのあたりの地区にあるレストラン」と思った方は多いのでしょうか。
残念ながらそうではありません。"un restaurant de quartier" は「地域に根づいた」「地区の人に愛されている」といったニュアンスです。遠くから食事にやってくる人がいるような高級店ではないけれど、地元の人たちに愛されている気軽でおいしいレストランなのでしょう。
où on découvre
そのレストランでは発見や気づきがあるのです。
une cuisine raffinée et de saison.
"une cuisine raffinée" とは「洗練された料理」ということです。形容詞 raffinée が付いているので、数えにくい名詞 cuisine にも不定冠詞が付いています。
では、une cuisine raffinée et de saison. はどういう解釈なのでしょう。
接続詞 et は大原則として「同種のものをつなぐ」という約束事があります。
ということは raffiné と de saison が同種であるということですね。
以前からお話しているとおり、"de + 名詞" は形容詞と同じように振る舞うのです。実は先程の "un restaurant de quartier" も同じです。
un produit de luxe(高級品)、un vin de qualité(高品質のワイン)、un garçon de caractère(個性派の男の子)、le français de rue(街で使われているラフなフランス語)など。
"de saison" は「季節の」「旬の」という形容詞的な表現なので "raffinée et de saison" が成立するのです。
Bouche est un restaurant de quartier où on découvre une cuisine raffinée et de saison.
Bouche は地域に根づいた(愛されている)レストランで、毎回洗練された季節のお料理をいただけます。
文字で書かれたフランス語であっても、訳ではなく「解釈」「理解」であるべきだとぼくは考えます。
ご参考まで