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英文を繰り返し読む効果

英文を読む時、真っ先にすることと言えば、文の意味を知ることでしょう。 文の中に知らない単語が出てきたら、辞書で調べる。 一つ一つの言葉の意味をつなぎ合わせていくと、文の意味が見えてきます。

意味を知った次に何をしますか。
…? え?意味以上に何かすることがあるの?と思うかもしれません。

英文は一度読んだらそれで終わりではありません。 何度も繰り返し読むことで、 学んだことがずっしりと深く、みなさんの脳に記憶されるという効果を期待できます。

繰り返し読むことでこんな効果が!

「三人称単数 he she, itには、動詞の語尾に-sがつく」ということを学んだ生徒さんが、ある英語の文を1週間読みました。 1週間で、最も感動したのは、「三人称単数が主語の文には、どれもちゃんと動詞の語尾に-sがついていた。」ことだった と生徒さんは教えてくださいました。
 英語の授業で習ったことが、実際にネイティブスピーカーの書いた英文に反映されていた、生徒さんはと知りました。 それまで、何で動詞の語尾にわざわざ-sつけるの?、面倒だなあと思っていたそうです。
 英語の文を繰り返し読むことで、動詞の語尾に-sをつける大切さや必要性を実感したと仰いました。

言語習得とは?

 言語習得というのは、何層にも重なる類似する経験から成り立っていると私は考えます。
 1回の英語のレッスンで、「三人称単数 he she, itには、動詞の語尾に-sがつく」と教師から教わっても、 右から左へ情報が流れていくだけだったり、同じような文法のルールが母語の日本語にないため納得いかないと感じたりします。 ところが、何度も英文を読んでいくと、実際に英語のレッスンで習った文法と同じルールが適応されていることに気がつきます。 右から左へ流れていくだけだった情報に、大切・必要というタグがつけられ、三人称単数の-sに意味が見出されます。 納得いかない、面倒だと思っていた決まりごとは、実際に使われる場面に何度も出会うと、白旗を上げざるを得なくなります。
 英語の文を読むという行為を繰り返していくと、何度も同じ表現に出会い、その回数が増えるほど、 それが経験として積み上がっていきます。 そうして積みあがった経験が、習得=当たり前のこととして定着して行くのです。 英文を繰り返し読む行為は、何層にも重なる類似経験を積んでいくことを可能にしてくれます。

 言語を習得することは、違いを認めることだとも言えます。 言語自体はとても単純なものですが、それを使う私たちが、自分たちの価値観によって、言語を複雑なように見えているのです。 ですが、学んでいる言語に触れれば触れるほど、その言語が自然と頭に入ってきます。 文を繰り返して発音することは、自然と言語が脳に定着する方法の一つです。
 ぜひ、好きな、気になる英語の文を繰り返し読んでみてください。 その文が持つ最大の魅力が皆さんに届いて、言語が自然と身についていきます。

今日のお話が皆さんの言語への関心を高めるものとなれば幸いです。
最後までお読みいただきどうもありがとうございました。

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