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文中の言葉と言葉の境目、どう表す?

英文には、単語と単語の間にスペースがあります。
一見何の意味も持たないように見えるスペースですが、
これがもしなかったら…私たちの読むという作業はどうなるでしょうか。

最近聞いた “Clear + Vivid with Alan Alda”というポッドキャストの
‘Keith Houston: There’s more to writing than words.”というエピソードで
英文のスペースに関するお話しがありました。

このエピソードによると、遠い昔、単語と単語の間にはスペースがなく、
読者にとって非常に読みづらい、わかりづらい文が当たり前だったそうです。
その後、単語と単語の間にスペースを入れるという画期的な発想が生まれ、
現在見られる単語と単語の間にスペースがある文が登場したそうです。

このエピソードを聞いて、私はふとこんなことを考えました。
「日本語の文には、単語と単語の間にスペースがないよな。」と。


毎日使っている日本語ですから、そこまで意識していないかもしれませんが、日本語の文の単語と単語の間には、基本、スペースがありません。
これは、ひらがな・カタカナ・漢字という3種類の文字を使い分けていることと関係していると私は考えます。

日本語は、3種類の文字を使い分けます。
原則、和語=ひらがな 外来語=カタカナ、漢語=漢字というルールはあるものの、 ひらがなで「まんが」と書いてもよし、 カタカナで「マンガ」と書いてよし、漢字で「漫画」と書くこともできます。
言葉から伝えたい印象、言葉を読む人への視覚的なメッセージなどを考慮して、 私たちは、文字を使い分けています。

いくつかの言葉を、これはひらがな、それはカタカナ、あれは漢字と使い分け 一つの文の中にちりばめていきます。 文の中で、ひらがなから急に
カタカナに変わったところで 違う言葉かな?と推測できます。 3つの文字を使い分けることで、スペースがなくても文を理解しながら読み進められるというわけです。


日本語の文は、言葉の間にスペースがないと言いましたが、例外があります。それは、外国語として日本語を教える時です。
日本語を初めて学ぶ初級学習者の教科書を見てみてください。
ひらがなだけで、文が書かれていることに気がつきます。
ひらがなだけで文を読むのは大変です。
だからこそ、ひらがなで書かれた言葉の間にスペースを設けているのです。

ところが、日本語の教科書も初級後半くらいになってくると、
このスペースがなくなっていきます。
初級後半のレベルだと、ひらがな・カタカナはもちろん、漢字も数十個は覚えているため、 日本語話者と同じように、スペースなしでも日本語を読めるように、テキストが工夫されています。

読者がスラスラ読んで理解できるように、 英語には単語間にスペースが設けられています。 日本語は3つの文字を使い分けて、単語ごとに区切りや意味がわかるように工夫されています。
英語も日本語も言語ですが、それぞれの言語ごとに読者に向けた工夫が違っておもしろいと私は思います。 皆さんの学習されている言語では、言葉と言葉の区切りをどのように工夫していますか。
調べてみると、言語の意外な違いが見えてくるかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんの一日が言葉と文化でちょっと素敵になりますように。

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