講義を抜け出して

爽やかそうな題をつけてみた。自転車で二人乗りし河川敷に行くとか、そういう青春物語ではない。

私が今回問い詰めたいのは、講義を抜け出して就活をしなければならないという点だ。

そもそも大学は、義務教育が終わって高校に通い、もっと専門的な勉強がしたい!という人が来る場である。
入学まで頑張ってその後遊ぶ人もいるが、それはそれで別にいいんではないだろうか。その人の人生だし。

それは置いておいて、私達は就活(就職)をするために大学にいるわけではない。勉強をするために大学生になったのだ。4年生になっても学費はこれまでと一緒で授業はあるし、むしろ学年が上がるほうが授業の選択肢も広がる。それなのに週に1回のゼミしか受講できず、それすらも就活で潰れてしまうときがある。

これは由々しき事態ではないのか?

確かに人生で一番長いのは、就労人口としての期間だ。だが学生でいられるのもここまでだ。
「そんなに言うなら卒業して1年間就活すればいいじゃないか」
という声も聞こえる。しかし学生の中には奨学金を抱える人も多く、働いて返していかなければならない。様々な意味で若者に限界が来ているのだ。

合同企業説明会に出向き、A社用のエントリーシートを直筆で書き、A社の面接を受け、B社用のエントリーシートを直筆で書き、A社のテストを受け、企業説明会に出向き、C社のエントリーシートを直筆で書き、B社は落ち、C社の面接を受け、A社で落ち…を繰り返す。急に電話で呼び出されたりもする。
大学の進路支援課では入学当初から「ボランティアしなさい!人と違う活動をしなさい!資格を取りなさい!」の繰り返しだ。

何の為に大学生なのだろうか。
まだ受けたい講義はたくさんあるのに、受けられない。

「大学で学んだことはなんですか?」

本末転倒じゃないか。

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