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司法書士の仕事について
司法書士とは
司法書士と言えば不動産や法人等の登記手続きの専門家と言うイメージが強いかと思われますが、これは戦後の金融や不動産に関心が集まり、それらに関する法律や登記手続きの専門家として司法書士が注目を浴びたことになるかもしれません。
しかし司法書士の「司法」は立法や行政に対して「裁判」を意味する言葉でもあり、司法書士は登記手続きの専門家として経済社会の発展と安定に寄与する一方で、市民の日常生活で発生する様々な法律問題に対し訴訟関係書類を作成するなど、これまで「訴訟支援」と言う形で裁判の分野にも広く関わってきました。
そして平成13年の司法制度改革審議会の意見書に基づく平成14年の司法書士法改正によって、法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所の訴訟代理権等が認められることになりました。
現在、司法書士の約70%が認定司法書士として訴額140万円以下の民事事件の訴訟代理人となり、また裁判外での和解交渉を行うなど市民の身近に起こりうる法律問題の解決や様々な相談に応じてます。
また、高齢化社会に対して平成12年から制度化された成年後見制度に対しては、いち早く取り組みを開始し現在では専門職後見人として司法書士の割合はトップとなっており、成年後見と言えば司法書士と言われるほど着実な実績をあげています。
このように、司法書士は常に市民のそばにいる身近な法律家として歩んでおり、市民生活における紛争の防止と解決並びに権利保護の努力努めています。
司法書士の仕事
●家土地について
相談1:住宅ローンを返済した後必要な手続きは?
住宅ローンを返済した後の手続きとしては抵当権を抹消するための抵当権抹消登記と言う作業が必要になります。金融機関から返却された書類をもとに手続きを行います。この抵当権抹消登記の手続きは専門家である司法書士に依頼することが出来ます。
登記手続きは複雑である場合が多く、万一手続きを間違って行うと思わぬ結果を招く場合もあります。司法書士は登記手続きのプロフェッショナルとして依頼者の権利が保護されるよう、登記手続きを依頼者の代理人として行います。
●相続について
相談2:亡き父の残した借金が払えないので相続放棄したい
親が多額の借金を残して亡くなった場合を考慮して、民法では相続人が財産の相続を拒否することを認めています。これは相続放棄と言う手続きで、相続放棄をした人は最初から相続人ではなかったものとして取り扱われますので、借金を引き継ぐこともなく遺産分割協議に参加することもありません。
ただし相続放棄手続きは被相続人が死亡し、相続する権利のある人が相続人になったことを知った時から、3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てをしなければなりません。
司法書士は相続があったときの、一番最初の相談相手です。
相続登記や相続放棄手続きなどを行う専門家として個人の大切な財産を責任を持って次の世代へつなげていきます。
●成年後見人制度について
相談3:離れて暮らす年老いた親が悪質商法に会わないか心配
人は誰しも必ず老いていきます。
今は大丈夫であっても面倒みてくれるような人もなく将来が心配である。あるいは現在既に判断能力の衰えを感じていて、日々不安を抱え暮らしていらっしゃると言うケースは多くあると思います。
相談内容の場合は、家庭裁判所が適切な支援者を選ぶ法廷後見制度を利用することが考えられます。
司法書士は公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートを設立して法定後見の親族以外の後見人等として家庭裁判所から最も多く選ばれているのは、司法書士です。
●日常のトラブルについて
相談4:友人に貸したお金を返してもらえない
日常生活におけるトラブルは、その金額があまり高額でない場合は、たとえトラブルに巻き込まれたとしても諦めてしまう方が多いのではないでしょうないでしょうか?
お金を貸した友人に返済を求めることになりますが、ご本人が電話を一本かけたからといってすぐにお金を返済してくれるとは限りません。
最終的には裁判をするしかないと言う場合もよくありますが、司法書士は裁判の場面でも支援することができます。法務大臣の認定を受けた司法書士はトラブルの金額が140万円以下の簡易裁判での民事事件であれば訴訟代理人として訴訟手続きができます。
納得のいく裁判をご自身でなさりたいと言う方には、司法書士が本人訴訟をサポートし法的支援を行います。
●労働トラブルについて
相談5:突然解雇を通告された
労働に関するトラブルは実に様々ですが、雇用や労働条件に関する問題は生活がかかっているだけに深刻です。相談内容の解雇問題はすべての解雇が必ずしも有効と言うわけではありません。
そもそも解雇が許されるケースなのか、また解雇が有効であるとしても解雇予告手当が支給されているかなどの問題があります。これらの事実関係をきちんと整理把握した上で、雇用者に請求すべき内容を決める必要があります。
労働トラブルは他にも残業代や退職金の未払いなどが挙げられますが、どの問題もなかなか複雑なものが多く泣き寝入りとなってしまうケースも少なくありません。
労働トラブルに巻き込まれたら司法書士は皆さんの代理人として、相手方と交渉したり訴訟をしたり、または訴額が140万を超える争いでは裁判所提出書類の作成を通じてサポートします。
このように司法書士は市民の生活での困りごとに身近に相談できる法律の専門家です。法的トラブルや会社設立、相続、登記手続きなど様々な場面で支援できるから多くの人の役に立ち、社会に貢献できる仕事です。
※引用文献:日本司法書士連合会「司法書士」の仕事がわかる本より
現在、司法書士会では社会からのニーズに対応するため様々な無料相談会を行っています。例えば
敬老の日に合わせて➡成年後見相談会
司法書士の日法の日に合わせて➡司法書士法律相談
勤労感謝の日に合わせて➡労働トラブル110番
相続登記はお済みですか月間など
市民の皆様が相談できやすく窓口を開設されています。
ちなみに、明日は10月1日方の日です。
この機会にあなたの困り事、法的に解決したいことなど、ぜひお近くの司法書士無料相談窓口へ行かれてみてはいかがでしょうか?
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