社会人に英語を教えて感じたこと。
社会人になって英語を学び直したいという人はかなり多いと思う。実際に、自分の周りにもたくさんいる。
僕が英語系の学部を卒業していることもあって、頼ってくれる人が多く、また、英語を教えてほしいとも言われるので、去年から何人かに教え始めた。
その中で、いろいろ気付くことがあったので書き記そうと思う。
まず、英語に限らず、人文系の言語はかなり難しい。
かつてのセンター試験で国語だけ目標点が160点(8割)に設定されることが多いが、他の科目は満点を狙いに行くケースが多い中で、国語はかなり控えめな目標がなされると言える。
英語はというと、ご存知の通りセンター試験が満点だからといって英会話ができるわけではなく、英語で映画が観れるわけでもなく、BBCやNYTがさらっと読めたり観れたりするわけでもない。まして、英語の小説やエッセイは出鼻を挫かれる。
つまり、まだまだ圧倒的にインプットが足りないのである。
「こんなの使わないでしょ?」という文法は平気で出てくるし、「これって文法的におかしくない?」ということもままある。
英検1級の単語は日常的に使われるし、各地域でスラングもたくさん使われている。
アクセントやイントネーションも多岐に渡り、英語を母語としない人たち(我々も含むが)との英語でのコミュニケーションも必要となる。
そんな中で、何を軸に英語を教えたら良いのだろうと考えた。
まず、アメリカ英語かイギリス英語をどちらを中心に教えていくのか。
相手の現在のレベルにはよるが、話す、聞く、読む、書く、どれをメインに教えていくのか。
欧米の文化や、イレギュラーもしくはケースバイケースの話は、どの程度伝えるべきなのか。
結局のところ、どれもそこそこにだと思う。
というのも、こちらがいろいろ考えたところで、みんな基礎をガチガチに固めたいわけではないのだ。
当たり前だ。
みんな社会人で、今日も明日もやらなければいけないことがある。その中から、現状特に必要というわけではない、プラスアルファでしかない英語力を、基礎から固めるなんてのは悠長な話だった。
ある人は接客で、ある人は自分の作品のプレゼンで、ある人は海外旅行に行くために、英語を勉強したい。
そのニーズに向かって勉強プランを提示できてない、こちらの提案不足、プランニング不足があったなと思う。
ただもちろん、基礎は大事で、特に「絶対に必要な英単語とその活用」と、「最低限レベルの現在未来過去形」を覚えてもらわないといけない。会話しかしないにしてもだ。
なんとか「あ、これ覚えないとどうしようもないな」という体験をしてもらって、それだけは使いこなせるようにしてもらう努力、これが必要なんだろうと思う。
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