「100日間生きたワニ」から思うこと
先日映画館で観てきました。
公開当日から酷評されており、流石にいろいろあったにせよ言い過ぎやろ! と思ったので自分の目で確かめるべく観てきました。
個人的な感想としては「苦痛」。作品としての褒めるところが一切ないと思ったのは始めてだった。アニメーションやアフレコの酷さも目につくが、後半三十分のオリジナル展開は特に酷かった。
後半のあらすじはワニ君の死をきっかけに離ればなれになった登場人物達。そこにオリジナルキャラのカエル君が「唐突」に登場。うざがらみするカエル君に困惑するが、カエル君にも友達を失った過去が判明。打ち解け、失ったワニ君ポジションにカエル君が納まりエンディング。
特に酷かったと思うのは「唐突」に現れたカエル君がワニ君のポジションに納まったところだった。新主人公的な扱いなら分かるが、打ち解けてからカエル君がワニ君の扱いをされていた。
友達が亡くなってから新しい友達ができたとしてもその友達本人にはならないと思う。100歩譲ってそんなストーリーにするとしても、ちゃんとした描写や説明もなしにそんなことをすれば悪い意味で製作者側がおかしいんじゃないかと思われる。それが劇中で当たり前に行われていたので、私は製作者側の品性を疑った。
死んだワニ君の命さえ粗末に扱われているように思えた。作品のコンセプトに合ってない。人の心が分からないサイコパスでももっとマシな作品を作ると思う。
(ここで無理に良いところを上げるとすればテンポ 間 アニメーション アフレコ 全てが苦痛レベルの前半からウザくしゃべくり倒すカエル君のお陰でまぁまぁ気にならなくなった。特にテンポと間。)
さて、観終わってからレビューサイトの酷評や意見とこれほどマッチする作品はないなと思ったが、なぜこんなにも叩かれているのだろうか?
お金儲けの匂いが~電通が~などいろんな意見を見たが、ハッキリ言って原作がつまらないからだと思う。最初の頃はシニカルな感じで面白いと思うところはあったが(97日目のヒヨコを助けるところなど)、だんだん手抜きになって失速していったように思えた。
SNSを使って毎日投稿するドキドキ感と「死」という本能に直結するセンシティブなワードで人を集めたのはナイスアイディアかもしれない。しかし内容がそれらを越えられなかったのがいけなかった。原作の四コマ漫画が面白かったらここまで荒れていないと思う。製作者側も今後どんなに良い作品を作ろうが「ワニ」や「ステマ」で正当な評価は得られないのではないか?と思う。
★「100日間生きたワニ」から思うことまとめ
・製作者側が作品内容に反するようなことをしてはいけない。
・ターゲット層が作品に何を感じているか。人の気持ちをよく考える。
・センシティブなワード(死 ホラー アダルトなど)や尖ったアイディアは注目を集めやすいが、実力が伴わなければそれらに食われてしまうということ。最悪過去や未来のキャリアに響く。