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厳冬期のカラコルム・ハイウェイをちょっとだけ訪れた話

カラコルム・ハイウェイ(中国・パキスタン公路)は中国最西端の街・カシュガルから南下し、パミール高原やカラコルム山脈を越えてパキスタン北部を結ぶ街道である。

世界最高所の道路国境(標高4693m)やナンガパルバット峰(同8125m)をはじめとした世界屈指の高峰などが世界中から旅行者を集めるバックパッカーの聖地だ。しかしこの国境は5月から10月までしか開いておらず夏季限定のルートとしても有名である。これはそんなカラコルム・ハイウェイに厳冬期に(ちょっとだけ)訪れたお話。


新型コロナウイルスの流行が始まる直前の12月、大学の卒業論文を放り出して、西安・ウルムチを経由して、友人とカシュガルに降り立った。

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事前の情報収集より、新疆ウイグル自治区では中国当局による締め付けが厳しくなり、観光客であってもカシュガル郊外に出るにはパーミッション(辺境旅行許可証)が必要でなかなか難しいと聞いていた。
まずはカシュガルに2軒あるユースホステルの一つ、パミールユースホステル(帕米尔青年旅舍)に投宿する。
(どうやらもう1軒の喀什老城青年旅舎は外国人宿泊不可になったようだ)

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心づもりとしてはパーミッションだけ何とか手に入れて、カラコルム・ハイウェイの中国側最後の街タシュクルガンをバスで訪問するか、あるいは車を雇って途中のカラクリ湖までだけでも行きたいと考えていた。

とにかくパーミッションが必要なのか、取るのに何日かかるのか、さらに費用はいくらかかるのか。
何も情報がなかったので、とりあえず近所の旅行会社を訪れて聞いてみた。
地球の歩き方にも載っている英語が通じそうな会社はもぬけの殻で、二軒目に訪れたおんぼろビルの中にある会社に入った。

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英語の通じない受付の人に身振り手振りで何とかカラコルム・ハイウェイに行きたい旨伝えると、

・パーミッションは必要である。
・パーミッション発行に少なくとも丸一日かかる。
・カラクリ湖までであれば車を手配できる。(我々の日程ではタシュクルガンまでは無理)
・ただオフシーズンで所属の運転手も帰省していて費用は高くなる。
・非常に寒いので防寒着の用意は万全に。

提示された値段はかなり高く、私は一瞬躊躇してしまったのだが、友人はぜひ行きたいということで、結局2割ほどまけてもらって、その翌々日に日帰りでカラクリ湖までの車を予約した。このときは現在のような状況など予想もしていなかっただけにこの時の友人の判断には感謝している。

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翌日はカシュガル市内で一日観光し(このお話はいずれまた後日)、この中国最西端の街を堪能した。

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翌早朝、運転手と合流して車に乗り込んだ。

まだ薄暗い市内を車は快調に駆けていく。
市内から出るところで早速一つ目の検問があった。

しかしパーミッションの威力は絶大である。運転手が書類を見せて二言三言話しただけで特に何も言われず通過できた。横で止まっていた郊外に向かう路線バスがすべての乗客を一度降ろして確認していたのとは大違いである。

しばらく行くと周囲が徐々に周囲が明るくなってきた。

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見事な朝焼けである。幸先の良いスタートにこのあとの旅程に対する期待は高まる。

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遠くに見える雪を被った稜線が見事に染まるモルゲンロートを眺めながら、一路南下してゆく。


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前からは迫りくる山の威容。
振り向けば茫漠とした荒野。

車はきれいに整備された道を飛ばしてゆく。

山岳地帯に入る前の最後の集落の先にこれまでで最も厳重な検問があった。

さすがにそこでは我々も車を降り、パーミッションとパスポートを確認され、指紋や顔写真を記録された。

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検問を抜けるといよいよこの旅程のクライマックスにかかってゆく。

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これぞまさに中国の土木技術の真骨頂といったところか。

カラコルム・ハイウェイは数年前まではパキスタン側が不通になっていたのだが、中国からインド洋に出る幹線ルートということもあり、莫大な投資が行われ、山岳地帯にもかかわらずこのような高規格道路が延々と続く。

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ここまで十分に美しい景観を楽しんできたが、ここからは絶景と呼ぶにふさわしい景色が息次ぐ間もなく続く。


この先は写真が多くなるので今回はここまで
(一記事当たり10㎆までしか写真が貼れないので...)

この旅程のハイライトは次回にてどうぞお楽しみに。


この記事で取り上げた写真も含む、新疆ウイグル自治区にテーマをあてた同人写真集を2021年12月30日~31日に開催されるコミックマーケットC99にて頒布します。スペースは31日金曜日 東ネ30bになります。

https://webcatalog.circle.ms/Perma/Circle/10434620/

また同人ショップのメロンブックスさんで委託販売も行っていますので、こちらからも購入いただけます。

ではでは次回も気長にお待ちください。

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