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社労士が考える皆勤手当

お勤めの方、給与に皆勤手当という項目がありますか?
皆勤手当、嬉しいですか?

皆勤手当とは?
皆勤手当とは会社で決められている所定労働日に遅刻早退欠勤なくフル出勤した場合(有給休暇を取得した場合は出勤したとみなされるのでカットされない、カットされてたら当方にご相談をw)に5,000〜15,000円くらいを支給すると設定されているところが多い。
1日でも休んだら、遅刻や早退があったらカットされてしまいます!
遅刻2回以内なら精勤手当として皆勤手当の半額支給という2段階設定のところもある。なんとも中途半端な、でも温情を少し感じる。

フル出勤したら皆勤手当というご褒美あるよー、とちらつかせる。
給与計算の時に「この人欠勤してるから皆勤手当てなしで」
「子供さんの体調不良で早退したから皆勤手当てなしで」と
安易にカットされてしまうし、従業員もカットされるのは仕方ないと思っているかもしれない。給与計算は期日もあるから、その従業員さんの早退って看護休暇ではないの?とそこまで確認する余裕も正直ないのが実情。
看護休暇だった場合、欠勤とはみなさないから欠勤控除するのは間違いです。

いやいや社労士の立場から言うと、皆勤手当で釣ってるなんてかなり時代遅れです。

第一義的には皆勤手当なんかやめて基本給に組み込んでもらいたい、というのが基本です。
モデルケース:基本給22万円+皆勤手当1万円 

①社労士がおすすめする基本給組み込みの考え方
新基本給(今までの基給+皆勤手当)では新基本給を所定労働日数(または所定労働時間数)で割って控除できます。
新基本給23万円(今までの基本給22万円+皆勤手当1万円)÷21.7=10,599円の控除230,000-10,599=219,401円
欠勤したときの1回の控除額が大きくなります。給与が減るといっても減給の制裁ではなくノーワークノーペイなのでどこからも文句はないはず。
基本給が上がったのだからそれに伴って控除額も変わるのも致し方ない。
減給も残業の単価計算も新基本給23万円をベースに計算することになるから単価がちょっと上がる。

②皆勤手当ありきの考え方
今までの基本給+皆勤手当の給与計算では欠勤控除するときの計算に皆勤手当を入れないという考え方が基本になっているはず。基本給22万円のみを所定労働日数で割って1日分の控除をする。
22万円÷21.7=10,138円の控除 
皆勤手当がなくなるうえに10,138円控除って。働いてないから仕方ないんだけども、泣きそう。
220,000-10,000-10,138=199,862円 

月額230,000円の給与で1日欠勤した時に219,401円と199,862円の支給額の違い。いや、この給与額は泣くよToT

休んだ日について有給を充てることができるルールがあるならそうするのがいいですね。

まあ、理由なく休む人もいることはいると思う。
そういう人と毎日きっちり出勤する人との差別化のための手当として皆勤手当的なものを考えるなら?
時代遅れと言われようが、皆勤手当的なものを給与に入れてなんとか休まず来てほしい、頑張って出勤してる人にご褒美乗せたいとやっぱり思うなら、
積み上げ式の手当にする、なんてどうでしょう。

名称は就業規則や給与規程に載せる場合何手当にしようかなあ。
ちょいダサいけど精勤手当かなぁ。ダサいなあ。
出勤手当?、、、通勤手当と混同しそうかな。
ゲームやスマホのアプリみたいにログインボーナス手当!w

②の考え方によるモデルケースで考えると
欠勤すると皆勤手当なしプラス欠勤控除控除のダブルパンチでしたね。

しかし!ログインボーナスのモデルケースを導入した場合についてちょっと考えてみました。
皆勤手当が10,000円だからきちんと出勤したらそれに近い額になるよう、
1日500円の積み上げ手当、月によっては23日で11,500円のログインボーナス。これなら変動手当だから残業の計算単価に入れなくてもいい(多分)。
給与計算する側も出勤日数×単価500円で自動計算するように設定する。
GWや年末年始少なくなるけど、週40時間勤務の会社なら月の要所定出勤日数は平均21.7日だから年のトータルでは10,000円×12より多くなるので問題なし。
ゼロと比べるともらえるものがあるので(ちょっとは)モチベーションになるかも、毎日休まず来る人は今貰っている毎月10,000円よりトータルちょっと増える予定。
ただし、遅刻早退したときは250円?にしないといけないかな?いや、ケチすぎるか(-"-)そもそもそんなちまちま給与計算めんどくさい。
ここは出勤〇日と勤怠に表示するなら〇日×500円、その明朗計算方法だけで行きましょう!

事情があって休んだら皆勤手当全額カットされてしまう戦慄がなくなるのは大きいと思う。皆勤手当10,000円のために、いや10,000円は大きいですよ、子供の習い事+諸費くらいになるし、その10,000円に縛られてちょっと遅刻や早退も易々とできない、私生活に影響出てる人いると思います。

新しいログインボーナス手当があれば休む日があったとしてもチリツモで毎月10,000円近い額は確保できる。真面目に出勤してる人は同じペースでも年間受け取れる額が増える。
よく休む人にもチリツモ払わないといけないのかーと思うなら
それはもう賞与で差をつけるのをお勧めします。そのための半年なりの評価期間があるのだから。
また別の記事で出勤率と賞与のこと書いてみます。

かくいうわたしもド平日に子供の外せない用事があるので週所定35時間も無理なことがほぼ毎月です。皆勤手当あったとしてももらえることはないです。
ええねん。働いた分だけ+成果給もらえたらそれでええねん。
当然皆勤手当みたいなオワコン手当、給与項目にはないですよ。ただ、ログインボーナスも無いが。

皆勤手当やめてチリツモログイン給、採用してみませんかー?

この記事は皆勤で働くなんてそもそも無理ゲーな社労士が、皆勤で働くことのみを良しとする時代遅れな労務管理はいかがなものかと思って書いたものです。労基法とか詳しく精査したわけではないのでただの読み物として読んでください。



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