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僕の好きなクリエーター059 大高 猛
大高 猛さんのお話
これももう時効かなあと思うのでお話をする。
大高 猛さんといえばエキスポ70 大阪万博のロゴマークやカップヌードルのカップのロゴタイプを手がけた事で有名で、日本を代表するグラフィックデザイナーだ。
僕はとある大阪のスポーツメーカーのデザイン部と契約して働いていた頃の大高さんのエピソードがあるのでちょっと話したい
その会社に大高さんという女性がいて、当時は二十歳そこそこの女性だったと思うが、その彼女が大高さんの娘さんだったというのは、契約して3-4年目に初めて分かったことだ。
それが分かったというのも、大高 猛さんが日清のカップヌードルのグラフィックのデザイン契約を交わした時の話を この娘さんがぽろりとこぼしたからなのだった。
カップヌードル裏話
カップヌードルのロゴは日本人なら誰しもが見たことがあるだろう いやそれどころか、もしかしたら世界中の人が一度は目にしたことがあるかもしれない。
娘さんが言うには当時、このデザインの依頼を受けたときに、日清からはギャランティについて二つの提案があった。
一つはデザイン料150万 もう一つはロイヤリティ契約で、一個のカップラーメンが売れるにつき一円のギャランティが発生するというものだった。
大高さんは悩んだすえ、1円だったら150万儲けようと思ったら150万個売れなきゃならない。
で、結局150万の報酬の方を受け取ってしまった。と言う話。これが本当だったらロイヤリティ契約していると、超ロングセラーのこの商品は いったい、幾つ売れたかわからない。 何十億個で済むだろうか?
全くもったいない話だ。けれど、これをロイヤリティにしていたら、もしかしたら、途中でカップラーメンのロゴは変わっていたかもしれない。
まあ、どっちが良かったかなんて考えない方がいいが、きっと娘さんが大高さんの愚痴を聞いたのかもしれない。だからこの話はあまり知られていない話だろう。
カップヌードルのロゴ
ところでこのカップラーメンのロゴ。ぼくは中華飯店のラーメンのドンプリについている、トレードマークと言ってもいい四角い渦巻き模様のようなものを思い出す。カップヌードルのロゴがクルクルとカールしているからだ。
このラーメンの縁についている渦巻き模様は雷紋と言われ、中国の自然界の脅威を表す雷かたどった伝統の文様らしい。それを意識しているような気がしてならない。それを証拠にその上の方に!マークのような連続した ゴールドの模様がカップの淵を取り巻くようについているが、 これは西洋皿に付いている模様を意識したらしい。 ということは、西洋と中国文様を意識した折衷案のようなイメージじゃないかと勝手に僕は思っている
作品からでる人柄
大高さんのグラフィックはどこかユーモラスで温かみを持っているものが多く、きっと優しい人だったのではないかと思えるのだ。
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