僕の好きなクリエーター054-グレングルード
ゴールドベルグ変奏曲
グレングルードで最も評価の高い曲はゴールドベルグ変奏曲と言われる 元々ゴールドベルグ変奏曲と言うのはバロック音楽である バロック音楽の特徴は チェンバロを使うところが特徴的だ。
中世の王様が不眠症を直すために配下にチェンバロを奏でさせた。チェンバロ用の曲で、中世といえども もちろん楽譜にはテンポの記載もちゃんとある。
ところがこのグルードのとっつあんは、この作曲家の意図をまるで無視して 自分の感情や解釈で音楽を弾いていく。 作曲家の意図より 演奏者の感性の方が重要に決まっている。と言って、ゆっくり引かなければならないところを超スピードで弾いていたり、早く弾くところをカタツムリが這うように弾く。
チェンバロの特徴
チェンバロとピアノとどう違うか?もちろん音が違うのは当然だが 同じ弦楽器ではあるが、チェンバロの方が鍵盤は軽いのである となるとスピード演奏にはピアノよりもチェンバロの方が向いていることになる。
だからバロック音楽にはチェンバロを超スピードで奏でる曲が結構ある。
これをグルードは さらに早くピアノで信じられないスピードで弾く。もちろん早く引けばいいっていうものではないのだが、
グルードはお構いなしに自分の引きたいように弾いた。そうやって、テンポを無視して弾くとまるで原曲とは違った音楽になるのだった。
職人グレングルード
しかも驚いたことにグレードは、レコーディングであろうが、コンサートであろうが ハミングしながらピアノを弾く。僕の持っているCDにも、パラランパッパ パラランパッパって、鼻歌まじりに いや、ほとんど唸り声みたいな声が入っている。
格式高い批評家たちはグルードの天真爛漫な音楽に批判的だったが、そんなもの何のその 俺は俺のやりたい音楽を弾くのだとばかりに決して自分のスタイルを崩さなかった。
グルードのコンサートは椅子の高さをああてもないこうでもないって30分ぐらい調整するらしい 客は演奏がまだかまだかと待っている。知らんぷりして椅子の調整を続けるグルード。
そして、鍵盤の位置ぐらいに椅子の高さを調整して、 手の横に顔を近づけて演奏するからとうぜん前屈みになってケツを突き出すような格好になるのだ。まるで千と千尋に出てくる湯守ジジイみたいな格好になる。それもお構いなし。
グルード以前とグルード以降
グルードの演奏は人気が絶えなかった。というのも、後にも先にもグルードの真似ができないのだ。彼の死後、グルードの再来と言われる音楽家が出てこない。
グレングルードのゴールドベルグ変奏曲は 若い頃の頃の収録と、歳をとってからの収録がある。 どちらがいいか?若い時の方が僕は未来を見つめて意欲にあふれている気がして好きだ。
ピアノ演奏においてはグルード以前とグルード以後というように音楽界が変わってしまったほど影響力を与えた まるでデュシャン以前 デュシャン以後の芸術界のように