遺伝性疾患を考える
日曜日に「犬猫の繁殖販売を考えるシンポジウム」に参加してきました。
動物愛護法改正の年でもあり主催者のかたはそれについても言及されていました。
色々と感じることはありますか私の感想としてはなんだかしっくり来ないシンポジウムだったなぁ~という印象です。
あくまでも私の感想、印象です。
ドッグライフコンサルタントの佐藤です。
遺伝性疾患について考える
私は雑種も嫌いではありませんが純血犬種が好きです。
どちらかというと、和犬よりも洋犬の方が好きなのかもなぁと先日セミナー内でみた写真で思ったのですけど…
だからといって和犬や雑種が嫌いなのか?というと好きです。
犬猫どれもかわいいし個性豊かだし好きですよ。
どちらかというと…という話。
話はそれましたが、純血犬種には切っても切り離せないのが遺伝性疾患です。
遺伝性疾患の要因として多いのは血縁の近さだと思います。
純血犬種は、犬種特有の機能や姿形を作るために近親交配をした結果出来たものです。
なので、少なからず遺伝性疾患のリスクを抱えています。
遺伝性疾患は遺伝的な因子を持っていたら必ず出るものと出るかも知れないもの…色々あり、発症時期も多くは何歳くらいと平均値はあっても確実なものがないので「うちの子に限って」とあまり気にしないかたも多いと思います。
しかし、このままでは対岸の火事でない状況になっています。
遺伝性疾患は治る見込みのない病気でそれに携わるすべてのひとがいたたまれなくなる(不幸になる)病気です。
なにより、犬が一番辛いですよね。
その遺伝性疾患のリスクを少なく出来ないのか?
遺伝性疾患は予防できる病気
ブリーディング計画である程度防げるのが遺伝性疾患です。
遺伝性疾患の出た血統をブリーディングに使わないことや、交配に使う犬の遺伝子検査をする事。
また、近親交配をしないこと。
狭い日本では、どうしても近親交配しやすい状況にあると思います。
また、ショーでチャンピオンになれば、その子種は広まりやすくなる。
その結果血縁は広がり近親交配になりやすくなります。
ブリーダーはその犬種のプロであるということに誇りをもって繁殖をしてほしいです。
お金儲けだけではなく、プロ意識を持ち犬種保全も含めてブリーディングしてほしいですね。
消費者としてできること
チャンピオン犬と交配するのが悪いのではなく、犬を迎える側がそういうのを欲するというのもあると思います。
見た目や毛色に稀少価値があればそれを欲するでしょう。
数が少なければ稀少価値が出てしまうのは仕方ないですが、その為だけに無理な繁殖をすれば病気のリスクは高まります。
そういうことを知り、犬を迎えるときはきちんと血統を調べるくらいの事をするとブリーダーを変えるきっかけになるような気がします。
犬種保全に力をいれているブリーダーもたくさんいますが、ただ売れればいいと命を物として扱うブリーダーもたくさんいます。
将来のワンコたちのために、子供たちのために、大人である私たち(消費者)から変えていきませんか?
JKCに望むこと
日本では、JKCといえば犬種を管理するところという認識で、犬の資格もJKC公認となるとなんとなくすごいのかな?と思いますが…実際どうなんでしょうね。
犬種管理できる立場でありながら、ただ単に血統証の登録をするところという認識でしかないひとが多い気がします。
ショーをやって健全なと言いつつその管理はどこまでするつもりなのかな?という疑問もあり…
健全なというのであれば、遺伝性疾患が出ているかどうかの追跡調査が出来るような仕組みを作って欲しいです。
遺伝性疾患が発症したときに通報してその家系を特定することが出来れば蔓延を防げるのでは?と思います。
そして、遺伝性疾患発症の血縁をブリーディングに使わないルールをJKC が提示して運営すればかなり改善されるかはず。
嘘のデータを使っても実際に出たらその家系は使えないとすれば嘘はつけなくなるわけで…
そうなれば、健全な血統が残ってそのような活動をしているケンネルクラブであれば信用度も上がる。
不適切なブリーディングは排除されていく。
そういうモデルケースがスウェーデンにあるのだからそういうところは真似してもいいんじゃないかな?と思います。