環境エンリッチメント(採食編)
みなさんは環境エンリッチメントという言葉を知っていますか?
動物を飼育しているとよく聞く言葉だと思うのですが…
環境エンリッチメントを満たした生活を動物たちに提供できているでしょうか?
ドッグライフコンサルタントの佐藤です。
環境エンリッチメントとは
環境エンリッチメント(英 : environmental enrichment)は、飼育動物の正常な行動の多様性を引き出し、異常行動を減らして、動物の福祉と健康を改善するために、飼育環境に対して行われる工夫を指す。飼育動物の福祉を向上させるもっとも強力な手段の1つとされる。
とWikipediaには記載されています。
ここで言われている「飼育動物の正常な行動の多様性」ってどんなものがあるのでしょうか?
そして、「動物の福祉と健康を改善するために飼育環境に対して行われる」って具体的にどんなことだろうと思いませんか?
「飼育動物の福祉を向上させるもっとも強力な手段」とかかれると是非ともやってみたくなりますよね。
環境エンリッチメントに必要なこと
まずは、飼育動物がどのような生態の動物なのか知る必要があります。
どのように生活をし、どんな行動を取っているか。
動物によって違うと思いますが、みなさんが飼っている動物がどんな環境でどんな生活をしているか知るととても楽しいと思いますよ。
いろいろな行動があるなかで、一番、取り組みやすいものとしては採食エンリッチメントです。
採食エンリッチメントとは
フードボールから食べ物を食べるのではなく、飼育動物が試行錯誤しながら食べ物を得る工夫をすることです。
自然界では、食べ物は自動的に出るものではありません。
自分で動いた結果得られるものなんですね。
なので、それを擬似的に体験してもらうのがこの採食エンリッチメントです。
最近では動物園でこの採食エンリッチメントが採用されているところも増えてきました。
たとえば…ライオンに肉をあげるときに骨付き肉をあげるとか…
猿のフードも木の上に吊るしてみたりとか…
餌場に餌を置くのではなく、いろんなところにかくしてみたりとか…
そうすることで、動物たちが持つ行動の多様性が少し出てきます。
このようにエンリッチメントを充実させることで動物たちのストレスも軽減されていくんです。
犬も同様に食べるときに工夫してあげるといいですよね。
採食エンリッチメントのあれこれ
では、犬の採食エンリッチメントにはどんなものがあるのでしょうか?
コングなど使う事もできます。
コングのなかにフードをいれるだけ。
最近では知育玩具などを使うことも出来ますね。
コングや知育玩具を持っていなくても工夫次第でどうとでも出来ます。
たとえば、タオルにドライフードをくるむだけでも十分エンリッチメントになりますし、ペットボトルにフードをいれるだけでも楽しいおもちゃです。
また、いらなくなった毛足の長いバスマットがあればそれにフードを隠すことだってできます。
手先が器用な方であれば布を重ねて縫い合わせ、布と布の間にフードが隠せるようにしてオリジナルマットを作るのもありだと思います。
採食エンリッチメントをすると普段は食が細い子も俄然食べる気力が沸くようです。
動物たちはただ食べるよりはなにかをやって食べることが好きなのでちょっとした工夫をしてあげるといいかもしれないですね。
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