
【1/28講義】サステナマーケティングで考えるべきは「付随価値」と「コミュニティ」)
※今回の講義をしてくださった宮副教授の論文がこちらから読めます。授業で話された内容とも近いため、気になる方は是非ご覧ください。
飛び先:日本マーケティング学会HP ダウンロードページ
今回の授業はディスカッションと発表がメイン。
「トアルコ トラジャコーヒーのSDGsマーケティング戦略を考える」
というお題でした。
トアルコ トラジャコーヒーいえば、街中で見かける「KEY COFFEE」の最高級ブランド。
誕生から50年の歴史を持つ、KEY COFFEEのプライドが詰め込まれた商品です。
コクが深く、酸味がややあるのが特徴で、そのおいしさで人気なのはもちろん、実はSDGs要素がふんだんに盛り込まれたコーヒーになっています。
代表的なものだけでもピックアップすると
・循環農法を実践。持続可能な農業を約40年間継続
・栽培ノウハウを周辺農家に提供。苗木や脱肉機(果肉を除去する機会)も無償提供
・気候変動に強い苗を開発
・地元政府や地域と連携し、インフラや学校教育への支援
・JICAとも民間連携プログラムを実施
などなど、SDGsの考え方が広がるずっと前から持続可能な社会への取り組みをしてきたコーヒーブランドです。
(気になる方は一部「ルノアール」や喫茶店でも飲めるため是非試してみてください!公式サイトはこちら)
これだけたっぷりSDGs要素があるなら、後は伝えるだけじゃん!楽勝!と思ってましたが思ったよりも難航。。。
悩んだポイントとしては
「良いことしてるのはわかるけど、どう伝えたら買ってもらう理由になるの?」
という点。
いくら良いことをしていても、マーケティングを考える以上、売上などに繋がらないと意味がありません。
自分の経験を振り返ってみても、「なんか良いことしてるから」なんて理由だけで買うことはまずなかったと思います。
(例えばパタゴニアも使っている商品のクオリティが高くて、町でも映えるから繰り返し買っている、という感覚です)
商品の「コア」「形態」「付随価値」は何?
そこで考えのフレームワークとして使われたのがコトラーが考案した
「プロダクト3層モデル」。

それぞれを下記のように整理しています。
・コア:商品、サービスのコアとなるベネフィット、顧客の本質的ニーズを満たすもの
・形態:コアを認識してもらうための商品のデザイン、パッケージなど
・付随価値:アフターサービス、送料無料、楽しみ方など
分けたうえで重要になってくるのが次の2点、
1点目が、最近の消費者は「コア」や「形態」だけでは買わないということ。
例えばコーヒーであれば、単においしいから買うのではなく、スタバでゆっくりくつろぐことをセットで買う人も多く存在しています。
「コア」や「形態」、「付随価値」それぞれを単体で考えるのではなく、全体で考えることが重要になります。
2点目が、「付随価値」をしっかり考えることの重要性
製品自体でのアップデート、差別化はかなり難しくなってきています。コアや形態だけで戦おうとするのではなく、付随価値をしっかり考え、商品の魅力として伝えていく必要があります。
コミュニティマーケティングで見込み顧客を育成
・「コア」「形態」「付随価値」を全体で考える
・特に「付随価値」をしっかり伝えることが大切
上記のことが分かったとはいえ、どうやって全体をとらえ、付随価値を伝えていくのか。。
そこでもう一つの考えとして話されたのが「コミュニティマーケティング」の考え方でした。
例として挙げられそうなのが「Allbirds(オールバーズ)」。
言われずと知れた、サステナブルなシューズを中心に販売している企業ですが、靴の販売とは関係なくたくさんの環境関連のイベントを開催しています。
(イベント掲載ページはこちら)
靴に必ずしも興味がなくても興味関心が近い層が集まり、製品の良さ・価値に気付いてくれるかもしれないユーザーのコミュニティが形成されています。
商品の「コア」や「形態」だけでは価値が伝わりづらくなっている現代では、「付随価値」としてコミュニティを形成し、将来的に商品の良さに気づいてもらうきっかけとなる手法は今後重要となってきそうです。
※「シェア街メディア」さんのnoteで、企業のコミュニティの事例がたくさん載っていて参考になりました。(該当記事はこちら)
ではトアルコトラジャではどうするか
上記を踏まえて発表をしましたが、結論若干消化不良気味に。。
LINEギフトとして送る案や、パッケージを小分けにして販売するなど、形態までは考えられましたが、付随価値の内容が若干弱く、、コミュニティについてはほとんど考えられませんでした。
説明を聞けば理解できるけど、アウトプットしようと全然アイデアとして出てこない。
ありがちではありますが、学んだことを形にすることの難しさを改めて感じました。もっとインプットしているときに、アウトプットのイメージをせねば!と思っています。
※冒頭で紹介しましたが、今回の授業を担当された宮副教授の論文が無料でダウンロードできますので、気になる方は是非読んでみてください!
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