日記
序
8/9より夏休みに入った。この夏は変化の夏。
大学にいるうちは人との交流を大事にした。
夏休み中はほとんど交流はないだろう。
孤独と向き合い、集中を重ねる。
前期に蓄えた問題意識を片っ端から消費していく。変化していく。
新しくやってみたいことは決まっている。
思い描いたイメージを実現させていく。
8/8
全ての課題を提出した。明日から研究室も正式な夏休み ♪
さまざまなことから解放され、清々しい!とは微塵も思わなかった。
覚悟していた夏を迎えるのだ。
他者と関わる機会を失った私にできることは、孤独の最大活用である。
前期で搔き集めた問題意識に片っ端から挑戦していく。
思い描いたイメージを片っ端から実現していく。
そんな決意を持つ必要があったのだ。2か月間、この日のために温めておいた曲を、いまやっと耳にする。
両耳にイヤホンを挿して、味わった。
この曲は私に全能感を与える。さあ、夏の始まりだ!!!
8/9
3時就寝、11時起床、4時就寝
🔵坂本QFT 第一章を読む。
・この本の目的はポアンカレ変換(時空並進とローレンツ変換)によって不変な物理法則を得ることのようだ。これは、すべての慣性系で共変な物理法則を導くことが目的だとも言い換えられる。
・ミンコフスキー時空における微小距離ds^2がポアンカレ変換によって不変であることを確認した。この事実を逆手にとると、ds^2を不変にする変換によってすべての慣性系が結びつくと言える。
・本書で述べるローレンツ変換は、すべて本義ローレンツ変換を意味するらしい。限定された変換に対して不変となるような相対論的場の量子論を構築していくということだ。
・今まで私が単なる略記法だと思っていたEinsteinの縮約規則は、実は、ローレンツ変換の下で不変な量のみを扱うことを宣言する重要な規則であったということに気づかされた。
・前述の目的のもとでは物理法則に現れる量はすべて変換則で分類されるはずだ。スカラー、ベクトル、テンソル、スピノルのいずれかによって記述されていれば、自動的に相対論的共変性が保障される。
・以下、整理された知識を各論的に学んだ。
・u, d, s, c, b, tの6種類 } クォーク < バリオン(3)、メソン(2) } ハドロン
・e^-, ν_e, μ^-, ν_μ,τ^-, ν_τの6種類 }レプトン
・電磁(光子)、強い(グルーオン)、弱い(ウィークボソン)、重力(グラビトン)の4種類
・クォークの閉じ込め カラー自由度 RGBか補色でW 量子色力学 強い力
・世代の謎
・ボース粒子、フェルミ粒子
🔵履修登録をする。
大学院ともなるとなかなか面白そうな講義がたくさんある。
すべて受けるわけにゃいかない。気になる講義の受講者には声をかけて要約の報告を依頼してみようかな。本当に学問に興味のある人には知識をお返しし、そうでない人には謝礼金を払うなどして、あらゆる知識を集めたい。
🔵量子ダイナミクス 第1,2章を読む。
・時間に依存するシュレーディンガー方程式がメイン。
・K表示の利便性を知った。
・停留位相法の概念を理解した。すばやく振動する部分は積分で打ち消されるが、ゆっくりの部分は残る。この手法で求めた波束中心の速度が、よくあるやり方で求めた結果と一致することを確認した。
・ωを用いた群速度と分散の一般的な定義を知った。
・自由粒子の群速度と分散が古典的な結果と類似することを確認した。
🔵断熱近似
・Born-Oppenheimer近似と断熱近似の違いを確認した。前者のほうが粗い近似だ。
・BP近似では同位体置換してもPESは変わらないが、断熱近似では変わる。
・断熱表示
核の運動エネルギー項を削除したハミルトニアンに対する固有関数で分子波動関数を展開することである。
・断熱近似
この展開式をTDSHに代入して、核波動関数の時間依存を決定する式を導く。状態間相互作用の項を無視すると、それぞれの状態jで閉じた式が得られる。これを断熱近似という。この近似は、核の運動が電子のそれよりずっと遅く、電子状態が縮退していない場合に成立する。
・Born-Oppenheimer近似
この式をTDSHに代入して、核波動関数の時間依存を決定する式を再び導く。これをBorn-Huangの断熱近似という。右辺第二項を無視した場合がBorn-Oppenheimer近似である。
🔵本棚の整理
スッキリした。 パンパンだから地震が来ても大丈夫 (?)
🔵論文を読む。
・Solvation Effects on the SN2 Reaction between CH3Cl and Cl- in Water
・Gas phase SN2 reactions of halide ions with trifluoromethyl halides: front- and back-side attack vs. complex formation
・How Solvation Influences the SN2 versus E2 Competition
・SN2 versus SN2′ Competition
の4報を読んだ。内容はWordにまとめた。noteには投稿しないので気になる方はDM等で聞いて下さい。
🔵バイト
4時間の労働をした。半分ふざけながら真面目に個別授業をしてきた。生徒がずっとニヤニヤしていたので成功。特にボケる意図はなかったのだが、脱力して話す内容が面白かったらしい。普段から頭のネジを緩めている甲斐があった。自然と口からこぼれる言葉が人を笑顔にするならば。
🔵コガネムシを踏む。ああ、ごめん!
バイト中、気づかないうちに、コガネムシを踏んでしまった。ああ、ごめん!可哀想なことをしてしまった。。
塾長からティッシュに包んで捨てなと言われたが、私は窓の隙間から外に投げるべきだと直ぐに発想した。鳥に食べさ、生態系の循環を途絶えさせないようにするべきだと思ったのだ。私は何かおかしいだろうか??
🔵地震
19:27、マグニチュード5.3の地震発生。震源地は神奈川県西部。
バイト中だったため、とりあえず生徒を机の下に隠れさせ、通路を確保した。無事、何事もなくてよかった。
落ち着いた後、リアルタイム強震モニタの様子をスマホで見せて、s波とp波を実感させた。
ついでに、南海トラフという語を知らなかったのでggった。どうやらユーラシアプレートとフィリピン海プレートがぶつかる場所にあたる浅い海底のくぼ地のことらしい。ユーラシアプレートの下側にフィリピン海プレートがしずみこんで生まれるひずみが約100年周期で大地震を引き起こしているらしい。前回が1946年なので、、。ああ恐ろしい。
🔵拡散現象
粒子数分布の時間変化はFickの法則と連続の式を組合わせることで導かれる拡散方程式によって記述される。これの解はかの有名な正規分布である。
時間の一階微分と空間の二階微分の式はFurier変換による解法を用いるのが便利である。
分散と比例関係にある肩にある拡散係数DはLagevin方程式(速度に比例する摩擦とランダム力を受ける式)の統計平均をとることによって摩擦係数ξと関係づけることができる。この関係をEinsteinの関係式という。なお、流体力学で確率されたStokesの法則を組合わせると粘性係数ηとDが反比例の関係にあることを示せる。
個々の粒子の運動を記述するLagevin方程式の統計平均をとることによって、粒子分布関数の時間変化を現象論的に表す拡散方程式と結び付けられるのは実に興味深い。
そんなLagevin方程式であるが、溶質分子が小さくなった場合は、速度に単純比例する摩擦というモデルは怪しくなってくる。なぜなら、溶媒分子の応答が有限の時間遅れを伴うようになるからだ。そこで、摩擦には記憶の効果があるとして摩擦項に時間依存性を取り入れる。この式を一般化Lagevin方程式(Generalized Langevin Equation, GLE)という。当然、記憶効果が短い極限ではGLEがLagevin方程式に帰着することを要請する。
さて、ハミルトニアンが着目系と熱浴、それらの相互作用項で表されるとし、着目系の一般化座標に関する運動方程式を導くと、GLEが得られる。
熱浴も着目系のポテンシャルも調和振動子であると仮定しておくと、安定点周りにおいては、着目系の振動数は熱浴との結合のために元のそれよりも小さな実効周波数となることが示せる。不安定点周り(逆放物線上)においては、実効的な周波数は裸の周波数よりも増大することが示せる。これらのことは直感的にも頷けよう。
🔵京都学派を調べる。
9月の下旬に京都の学会へ行く。
京都府京都市左京区の琵琶湖疏水分線に沿った歩道は西田幾多郎や田辺元らが好んで散策し、思案を巡らしたといわれる。
この「哲学の道」と呼ばれる地を是非とも訪ねたいものだ。
『善の研究』によって名を上げた西田幾多郎の周囲に集まった同僚・後輩・弟子たち等は、いつしか「京都学派」と呼ばれ大きな存在感を示すようになったそうだ。
下記のサイトをチラホラと眺めようと思ったが、だんだん、眠たくなってきた。今日はこのくらいにして、おやすみなさい。
8/10
4時就寝、13時起床、3時就寝
🔵群論
概念が生じた動機と定義を確認した。
剰余類を元とする群(剰余群)をつくろうとする。
これは商の構成からの類推で行われるともいえるし、mod計算の一般化が動機になっているともいえるだろう。
ここで導入した演算規則がWell-definedとなるためには、右剰余類と左剰余類が一致してなければならない。この条件(aH=Ha)を満たす群Gの部分群Hを正規部分群と定義する。これが正規部分群という概念を生む動機だ。
なお、先の条件には同値な言い換えがあって、Hが正規部分群であるかを確かめるためにaha^-1⊂Hを計算したほうが便利なことがある。
Hの具体例として、可換群である整数ℤの部分群 nℤによる商をHとすれば、その元同士の演算はmod計算そのものである。
🔵多様体の基礎(黄色の本)
第一章は基礎的なことだったので、個人的に書き留めておきたいことだけを書く。
・UとVが互いに位相同形であるとは、それらの間に同相写像があること。同相写像とは、全単射かつ順方向、逆方向ともに連続な写像のことである。
(位相空間(X,ℴ),(Y,ℴ')についても同様。)
・UとVが互いにC^r級微分同相であるとは、それらの間にC^r級微分同相写像があること。C^r級微分同相写像とは、全単射かつ順方向、逆方向ともにC^r級写像のことである。
・ハウスドルフ空間とはハウスドルフの公理が成立する位相空間のことである。ハウスドルフの公理とは、任意の異なる2点をそれぞれ含む開集合が互いに交わらないように開集合をとってこれるという公理である。この公理を要請することによって病的な位相空間を排除することができるようだ。病的なものの具体例を私は知らない。必要になったら調べてみる。
第二章からようやく多様体のはなし。
・位相空間からR^mへの同相写像φを局所座標系と呼ぶ。要するに、これを使って空間にメモリを射し込むってことかな。
・m次元位相多様体Mとは、任意の点pについてpを含むm次元座標近傍(U,φ)が存在するようなハウスドルフ空間のこと。
・共通領域について座標近傍が2組あったとき、座標変換がある。図式を書けば一目瞭然。
・C^r級微分可能多様体とは、m次元座標近傍によって被覆され、それらの共通部分にはC^r級の座標変換が存在するようなハウスドルフ空間のこと。
・以下、具体例が待っている。これは明日以降の楽しみにとっておこう。
🔵くりこみ群
田崎さんによる解説書「くりこみ群とはなにか」を読む。
従来の解説は、スピン系の臨界現象や場の量子論といった高度なモデルが例にとられ、とっつきにくかった。しかし、当解説書では、簡単なニュートン力学の問題を例にとっており、他のことに惑わされことなく、くりこみ群のエッセンスを理解できそうな期待をもった。
取り上げられている例は、原点にある質点からの万有引力に打ち勝って、粒子を脱失させるための臨界速度に対応する、原点からの最も離れたときの距離を求めるというものである。R_max(u_0)⋍(u_e-u_0)^-θの臨界指数θをくりこみ群の方法を使って求めるのだ。
まずは無難に、この系に対するエネルギー保存則と角運動保存則を連立させることでθを求めた。結果は、θ=1であった。くりこみ群の方法によっても同じ答えが得られてほしい。
続きはまた明日。
🔵バイト
3時間の労働。今日も頭を使った。
🔵リー群
・群G, 集合X, 推移的群作用ρの組 (G,X,ρ) のことをGを変換群とし、Xを表現空間とするクライン幾何という。
・クライン幾何の典型例としては球面幾何、双曲幾何、メビウス幾何、ミンコフスキー幾何などが挙げられる。
・球面幾何 (O(3),S^2)、 SO(3)/SO(2)はS^2の等質空間
・双曲幾何 (SL_2ℝ,ℍ^2)、SL_2ℝ/SO(2)はℍ^2の等質空間、双曲距離関数は対数関数を用いて表される、一次分数変換は双曲距離を保つ。
・メビウス幾何 (GL_2ℂ, ℂ\bar) あるいは (PGL_2ℂ, ℂ\bar) あるいは (PSL_2ℝ, ℍ^2)、立体射影はS^2から拡大複素平面ℂ\barへの全単射、円を円に移すS^2上の変換が群をなすときメビウス変換Möb(S^2)という。
・ミンコフスキー幾何 (E_1(2), L^2)、 E_1(2)/O_1(2)はL^2の等質空間
・時間的ベクトル x = (rcoshs,rsinhs)(簡単のため未来的 x_1>0) を双曲線の一葉 ℍ_0^2(r)^+={ x∊L^2 | <x,x>=-r^2, x_1>0 } に沿って動かした点を y とすると、双曲線関数の加法定理よりブーストの概念を生むことができる。
ミンコフスキー上の点のブースト群による移動は双曲線上から逸れることはないという意味。この相対性理論において双曲線に相当するのが世界線である。慣性系に依らず世界線の長さは変わらないという要請がローレンツ変換を決定する。このローレンツ変換はブースト群である。ああ面白い。
ところで、時間項が空間項と符号が逆なのは、世界線を座標の二次形式で書いたときに、iとjの入れ替えに対して対称であるということ、すなわち、時間と空間が平等であって、どれか1つを特別扱いしないことから要請されたことだった気がするんだが、合っているっけ?
🔵映画をみる
8/11
3時就寝、12.5時起床、5時就寝
🔵研究
様々な条件で計算結果を比較した。
4D MTD 初期構造を6員環から7員環にしたところhillがすぐ足されるようになった。
wgは大きいほどhillが足されるタイミングは遅くなる。
🔵相対論
久々に相対論を学んだ。かつてと比べて、共変、反変ベクトルをすんなりと理解できるようになっていた。でも、やっぱり難しい。すぐ後で述べる通り、今日の夜、再び本を開き、アインシュタイン方程式を導くところまで辿り着くのであった(へとへと)。。
🔵読みたい本リスト
高校のときの国語便覧でオススメされていた本のなかから読んでみたい本をリストアップした。
🔵サイクリング
田園の広がる地。この季節は稲穂が実っている。井戸から汲み上げられた水が、勢いよくポンプから噴き出し、水しぶきが上がっていた。自転車を漕ぎ進めると、沼に面した。ポツポツと立ち並ぶ石ブロックの上には、白鷺が群れでたたずんでいた。水面では鴨たちが羽を休め、あるものは水中に潜っていくのが見えた。鴨は長い間水中に潜っていられるようだ。陸上では、おじさんが足を休めていた。ベンチに腰掛け、愛犬と静かに水面を眺めていた。しばらく進むと、遠くにバーベキュー場が見えてきた。ガヤガヤと賑やかな声と香ばしい香りが漂い、休日の活気が感じられた。さらに自転車を漕ぎ進め、公園の周りを一周した。スポーツに勤しむ人々、自転車の練習をする人々など、様々な姿があった。暗くなり家へ帰り始めた。夕暮れの空には半月が現れ、薄暗がりの稲からひっそりと顔を出す案山子(かかし)に驚いた。しかし、その光景はどこか懐かしく心を惹かれた。道中、手持ち花火をする家族を目にした。夏だなあ。。
🔵相対論 再び ~いよいよアインシュタイン方程式~
帰宅後、再び、一般相対論を学ぶ。
テンソルは座標と同じ座標変換規則に従うから、物理法則をテンソル方程式としたいことがわかった。
リーマン曲率テンソルが空間の曲がり具合を表すということもわかった。共変微分導入のモチベもわかった。リッチテンソルやスカラー曲率導入のモチベはわかりにくかったが、おそらくアインシュタイン方程式を導く過程で使う縮約したビアンキ方程式を求めるために導入したのだろう。
曲がった空間における測地線方程式の導出もたぶんわかった。けど、ヌル(質量ゼロ)の場合の式の意味が理解できなかった。たぶん致命的にエッセンスがわかっていない。測地線方程式は重力場中をテスト粒子が運動する様子は記述できるけど、粒子そのものが作り出す重力が周囲の重力場に与える影響は考えられないということはわかる。そこで、そのことも考慮するアインシュタイン方程式がいよいよ登場。等価原理により局所的に平坦なミンコフスキー時空をつくることができるからこれを使う。
重力場と質量密度の関係を示すポアソン方程式と局所ローレンツ系でのエネルギー運動量の保存則を用いることで、ランク2のテンソルで表された重力場の方程式のパラメタを決定することができた。
ここでの数多くの近似の妥当性やテンソルの各成分のイメージなどを考える余裕はもうなくなっていた。しかし、どうやらこんな流れでアインシュタイン方程式を導くことができるということはわかった。
次回は、復習をしたほうがいいのか、せっかく方程式が得られたのだから、昔の偉い人が見つけた解を眺めてみるのがいいのか。。後者をしてみよう。
🔵振り返り
僕は、現実に目を向けるため、測定や物性に関する図書を夏休み前にたくさん借りてきたはずなのだった。なのになぜ、数学的なことばかりやっているんだ。昨日、今日は完全に机の上の人になってしまっている。こんなんじゃ立派な理論化学者にはなれない。気持ちのコントロールは難しい。
🔵物質の電磁気学
最後の追い込み(詰め込み?)
ああ、なんだか気持ち悪くなってきたけど、わけのわからない数学の世界から抜け出さないと、いよいよ理屈人間になっちゃうと思って、。
物に触れておきたい気持ちになった。(最初からそのつもりでいた。)
というわけで、岩波基礎物理シリーズの『物質の電磁気学』を読む。
真空中の電磁気学はだいたい理解しているつもりだ。物質中の電磁気学はどうなっているのか知らん。誘電率や透磁率の値が変るんでしょ。とかそのくらいの知識。微視的に見れば、物質を電荷の集まりとして、真空の電磁気学だけで記述できそうな気はするけど、電荷同士がセルフコンシステントになるように電荷の位置や速度、付随する場を決定することは極めて困難な予感がする。だからこそ、うまい具合に平均化・粗視化したり、現象論的な記述をしたりすることが求められるのだろう。目次を見てみると、第一章は真空中の話らしいので、ここは読みとばして、第二章から読んでいくことにしよう。物を大別している。金属、誘電体(絶縁体)、半導体に。
まずは総電荷ゼロの導体に対して、外部電荷を近づけたときにどのような誘導電荷および誘導電荷をつくるのかといった問。静電誘導の場合、導体内部では全電場をゼロにするため外部電場を打ち消す誘導電場が作られる。導体表面のみに現れる誘導電荷の面密度はガウスの法則から求まる。半無限導体と点電荷のモデルを例に、金属表面近くにある原子は孤立した状態に比べて鏡像力ポテンシャルのぶんイオン化しやすいことが説明されていた。なるほどぉ。俺が求めていた知識はこういうことだ。ちょっと満足したので、続きか明日以降にして、お布団へGo。
8/12
5時就寝、10時起床、2時就寝
🔵巨大分子系の計算化学を読む。
Chap1はお偉い先生5人による対談記事。生体分子や凝縮系のダイナミクスに興味をもっている。温度にも依るが生体現象のタイムスケールはミリ秒から秒程度で、分子振動のスケールであるフェムト秒と比較すると10^12倍も長い。電子状態計算なら今の技術だと1万原子系くらいまでは扱えるらしい。凄い!第一原理のダイナミクス計算では、対象を数十から数百原子とした場合、京コンピューター(64万コア)を2週間回せば、だいたい10ナノ秒くらいの計算ができるらしい。FMOやQMMMを上手く使うことや、熱ゆらぎや核の量子効果を考慮することなどが課題としてあるようだ。実験屋と理論屋が共同で研究することの大事さなどが説かれていた。
🔵友達とゴリラを目指す!
今日は、東〇大学の友達と遊ぶ約束をしていた。
彼が「ゴリラの肩に乗ってみたい」と言うので、そうすることにした。
13時に大宮駅で待ち合わせ、川口市へ向かった。目的の場所は川口市のゴリラ公園である。デカいゴリラがいるらしい。
ジリジリと強烈な日差しを受けながら、20分ほど歩き、公園へ到着した。
道中、クルド人問題やオスマン帝国の歴史について話した。
ゴリラはデカく、表面はツヤツヤしていた。恐ろしい表情で、大きく口を開けていた。左手で時計台を捻じ曲げ、掴んでいた。時計は45°ほど曲がっていたが、よく見ると正確な時刻を示していた。なんという迫力。
ゴリラ周辺は凸凹とした地形となっており、子供がロードレースを楽しめるようになっていた。土嚢のうえに粘土質の土を覆って固めることで形成されていた。大雨の日でも形状を維持できそうなつくりだった。この地形は私にとってはポテンシャルエネルギー曲面にしか見えなかった。脳内でSaddle計算をしていた。ゴリラはツルツルしていて、地面は落っこちたら痛そうな固さだった。しかも、近くには子連れの親子がいたので、登ることはしなかった。駅へ戻る途中、スーパーへ寄った。これから大学へ行くので、何か遊び道具を買おうとしたのだった。シャボン玉を見つけたが、取っ手はピンク色で、いかにもプリキュアみたいな形状をしていた。大学構内で男2人がこれを持って、はしゃいでいる様子をイメージすると、痛々しく感じられてしまったので、購入は却下した。
🔵大学にて。
彼がいる間は、俺は最強になれる!ということを知っている。
過去のエピソードを話すと長くなるのでしないが、とにかく、彼はクレイジーなのである。オセロが挟んだコマを同じ色に変えてしまうように、彼といる間は、俺もクレイジーになれるのだ。
大学に着いたら、視界に入った興味のある人に話かけると約束した。
お盆期間なので、当然、人は少ないわけだが、唯一構内で空いているLawsonへ入り、面白い人が現れるのを待った。
電磁気学を勉強している人がいたが、特にいまはそういう気分ではなくて、もっと別の人を待つことにした。
何人か知り合いと出くわしたので、軽くお喋りをしたが、その他にこれといって面白そうな人には出会えなかった。
結局、数時間、Lawsonの机で、クレイジーな彼とお勉強をした。彼には「溶液の分子論的描像」を読んでもらい、僕は「巨大分子系の計算化学」を読み、ある程度した後で、内容を共有し合った。
その後、量子論や一般確率論の話を少しした。
🔵ぐへへへへ。
僕には他にもクレイジーな友達がいて、彼を誘って、3人で火遊び(安全な花火)をした。何処でやったのかは秘密。
🔵帰宅後
今日は直射日光を浴びて目がつかれた。
移動中は、相手から見ると、表面が反射していてどこを向いているのかわからないようなサングラスをかけていたのだが、それでもつかれた。
なので、下のメモを書いたら寝る。
🔵巨大分子系の計算化学を読む。Chap7
・密度分布関数:液体中のある分子の周りにどのくらいの確率で他の分子が存在するのか
・二体密度分布関数(密度相関関数) ρ^(2)(r,r')=<ν^(2)(r,r')>
rとr'が互いの平均密度に影響せず独立しているときは ρ^(2)(r,r')⋍ρ^(1)(r)ρ^(1)(r')
・単原子 OZ方程式 二体相関関数
→ HNC近似(ブリッジ関数b=0)→ PY近似(expを線形化近似)
→ 剛体反発殻ではMS近似
→ 上2つの短所を除いた近似がKH近似
・分子性液体 MOZ方程式 分子配向も考慮
→ 配向に関する平均化をしてすべての関数を原子間の動径距離に射影する操作(Chandler-Andersen変換)をするとRISM方程式を得る。
多成分系の分子性液体に拡張することもできる。
・溶質はそのままで溶媒のみ配向を平均化 3D-RISM方程式
明日は研究を進める。DFTレベルのIRC上でCCSD一点計算をしたりする。
8/13
2時就寝、14時起床、5時就寝
🔵研究 その1
MTD Product1 と Product2 の行き来はできたが、Reactant との行き来はまだだったので、5000000 steps から 10000000 steps へ増やした。
🔵研究 その2
以前、DFTレベルでempiricaldispersion=gd3bjをつけてTSとAnharmonic計算をした。その構造を初期構造としてSaddle+IRC計算をした。
logファイルから構造を抜き出し、目的のinputファイルを作成するpythonプログラムを書いた。
それらを必要なファイルを持ってきて、並列で計算するシェルスクリプトを書いて実行した。
今は20コア使っている。
🔵坂本QFT 第二章を読む。
・クライン-ゴルドン方程式(自由粒子に対する相対論的シュレーディンガー方程式)の導出
4元運動量に対して量子化の手続き(p^μ→i∂^μ=(i∂/∂t,-i∇))を踏んで、自由粒子の平面波解に適用した形を、Einsteinの関係式(E^2=p^2+m^2)に代入する、クライン-ゴルドン方程式(KG eq)が得られる。
※ 後にやることだが、ディラック方程式からクライン-ゴルドン方程式を導くことができる。
・KG の φ の性質
KG eq がポアンカレ変換(x^'μ=Λ^μ_ν x^ν+a^μ)に対して共変であるためには、φがスカラー関数であることが要請される。
・KG eq の問題点 その1 ~確率解釈~
4元ベクトル j^μ = (ρ, j)(カレント)は流れの保存式を満たす。しかし、ρの定義からわかるように、ρは正負両方の値をとりうるため、確率密度とは見なしにくい。※ あとで、SH eq のρの定義と KG eq のρの定義の共通性を認識し、恣意性がないことを確かめたい。
このようになった理由は、シュレーディンガー方程式におけるρの定義とは違って、時間微分が含まれているからだ。これは、KG eqが2階微分方程式であることに起因している。ポアンカレ変換に対して共変であることをベースにしているため、空間の2階微分があれば、時間のほうも2階微分を要請する必要があったのだ。
・KG eq の問題点 その2 ~負のエネルギー~
また、解を代入すると、負のρには負のエネルギーが、正のρには正のエネルギーが対応していることがわかる。負のエネルギーというのは謎である。
・問題点その2の無理やりの解釈
KG eq に対して、ベクトルポテンシャルとスカラーポテンシャルを用いて、電磁相互作用がある場合への拡張を行う。非相対論的極限(√をテーラー展開して2次までとると、φ=e^(-imt)ψがわかる)をとると、シュレーディンガー方程式の解を用いた方程式が得られる。正のエネルギー解に対する方はそのままでいいのだが、負のエネルギー解に対応する方に対しては、両辺に複素共役をとって、全体に-1をかけると、シュレーディンガー方程式の解と見なせるようになる。この操作によって、qが-qになる。このことから、負エネルギー解の非相対論極限は電荷-qをもつ反粒子の解であると見なすことができる。
しかし、複素共役をとる操作の物理的解釈は不明なままである。
🔵坂本QFT 第三章を読む。
・4本の Maxwell eqs を2本の式にまとめる
E, B をベクトルポテンシャルとスカラーポテンシャルを使って表し、それらをゲージ場 A^μ としてまとめる。これの偏微分から場の強さF^(μν)を定義すると、Maxwell eqs の最初の2式はまとめてF^(μν)の偏微分の式1つで表すことができる。
※ F^(μν)は共変微分D^μの交換関係を用いて表すことができる。先の式は、D^μの交換関係で表すことができて、これをビアンキ恒等式(ヤコビの恒等式の具体形)という。
Maxwell eqsの最後の2式は、4元電荷ベクトル j^μ=(ρ,j)と場の強さF^(μν)を用いてまとめて1つの式で表すことができる。
この式から、4元電荷ベクトル j^μ が流れの保存式を自動的に満たすことが言える。さらに、流れの保存式は電荷の保存を自動的に満たす。
・光子が質量をもたないことの証明
真空中ではj^ν=0である。∂^μ j^ν - ∂^ν j^μ を計算すると、F^(μν)に対する波動方程式が得られる。 この解は光速で移動することがわかる。フーリエ変換してエネルギー運動量空間表示にすると、E^2=p^2c^2であることがわかる。このことから、m=0であることが言える。
・Maxwell eqs ないし、それをまとめた式がポアンカレ変換に対して共変であることを示した。∂_μ, j^ν, A^ν, F^(μν)がそれぞれベクトルやテンソルの変換性を満たすことが重要だった。
・Maxwell eqs ないし、F^(μν)(x) がゲージ変換(A^'μ(x)=A^μ(x)+∂^μ Λ(x))に対しても不変であることを示した。ここで、変換パラメタが Λ(x) とxに依存しているという点が後々重要である。局所的なゲージ変換であるというkとだ。
・AB効果やプロカ方程式は後日やることにする。
🔵ギターを弾く。
🔵研究 その3
その2の計算が完了した。IRC.logから各stepの構造を抜き出して、CCSDの一点計算をするためのinputファイルを作成するfortranプログラムを、過去の先輩のプログラムを改造してつくった。ifortでコンパイルした。
パターンAが3種類、それぞれに対してパターンBが3種類、それに対してパターンCが2種類あるので、計18種類の計算がある。
パターンBごとに並列でCCSD一点エネルギー計算を実行させるシェルスクリプトを書いて、実行した。
🔵量子ダイナミクス 3章を読む。
・ガウス型自由粒子のダイナミクス
自由粒子の初期状態をガウス関数として時間発展させた結果を見ると、自由ならガウス波束はいつまでもガウス波束で在り続けることがわかった。
あらかじめ、任意の時刻の波束をガウス関数型としておき、TDSH eqに代入することで、広がりを意味するパラメタαや時間でシフトするパラメタγや運動量、位置の時間微分の式が得られる。これを時間で積分すると、それぞれの時間発展を得られる。
位置や運動量の時間変化の様子は古典ハミルトニアンから得られるそれと一致する。
ガウス波束をψ(x,t)=Nexp(-α_t(x-x_t)^2+i/\hbar p_i(x-x_i)+i/\hbarγ_t)と仮定し、Δx、Δpを計算した。Δx(t)=√(1/4Re[α_t])=1/2 √(1+4\hbar^2α_0^2t^2)/m^2 α_0、Δp(t)=\hbar√α_0となった。
このことから、t=0においてΔxΔpは最小値\hbar/2、それ以外ではΔxΔp≥\hbar/2となることがわかった。
・調和ポテンシャル中のガウス波束のダイナミクス
V=1/2 mω^2x^2のTDSHにガウス波束を代入して、各パラメタの時間依存性を求めると、x\dot_t=p_t/m、p\dot_t=-mω^2x_tであり、α_t=a(\frac{α0cosωt+iasinwt}{iα_0sinωt+acosωt}などを得ることができる。
t=0でα_t=a=mω/2\hbarとすると、その後もずっとα_t=aで、広がることなく運動する。このような状態のことをコヒーレント状態という。波束の位置の平均値と運動量の平均値は古典と一致する。
t=0でα_t≠aのときは、α_tは周期的に広がったり縮んだりする。このような状態をスクイーズド状態という。
波束の位置の平均値と運動量の平均値は古典と一致する。
・ガウス波束を例とした停留位相近似の精度評価
ガウス積分の厳密解と停留位相近似による結果とを比較すると、指数関数の肩にある係数の分母と規格化に関わる係数の分母の両方共で1という定数が足されているか否かの違いがあることがわかる。長時間のダイナミクスにおいて1よりもtやt^2のほうが大きくなるから問題とはならないが、短時間の場合は問題になってしまう。振幅が発散してしまうような特別な時間のスケールはすべての古典軌道が集合する時間に対応している。
停留位相近似が厳密解を与えないのは、停留位相条件の評価に指数の二次の実部が含まれていないせいである。実部まで含めて計算すると、停留移送点は実軸だけでは表現できず、複素数平面内に位置することになる。このような近似法を鞍部点法という。この方法ならガウス積分の厳密解と一致する。
ただし、他の例では一致するとは限らない。
🔵『物質の構造と誘電体入門』1~3章 を読む。
タメになった部分だけメモする。
第一章
・T-Pの相図だけでは全ての相転移はわからない。T-Vのグラフを見てみると、細かい不連続点や滑らかでない点が他にも見つかるのだ。
・セラミックとは結晶の粉末を焼き固めたもの
・過冷却状態のものを低温まで保つと、固体なみの硬さになる。これを非晶質、あるいは、アモルファス、ガラスなどと呼ぶ。非晶質は液体からだけでなく、気体状態からも掲載される。薄膜試料の生成など。
・導体は表面だけ±、誘電体は全体が分極
第二章
・結晶成長において特定の面が強調された晶癖が生じるのは、規則的原子配列のために各面に現れる原子配列が異なり、その結果、溶液からの原子吸着速度に差ができるためである。
・電場がなくても原子位置が中心からズレていることがあり、これを自発分極といい、ベクトルで表される。中心対称性のある点群では、このような物理量は持ちえない。32種類の点群のなかでベクトル量を持ちうる極性点群は10種類だけである。
・電場ベクトルEと分極Pを結び付けるのは2階テンソルである誘電率ε_ijである。
・応力Xテンソルで生じる分極Pを結び付けるのは3階テンソルである圧電定数d_ijkである。
・これらテンソルの独立成分の数は対称性が高いほど少なくなる。中心対称性のある点群では全成分が0となる。
・結晶の対称性を、ある方向における圧電信号の測定や、偏光顕微鏡による複屈折の測定、偏光面が回転する現象である旋光能の測定などによって求めることがある。直接的には、X線回折によって測定する。パターンのデータベースはJCPDSファイルと呼ばれているらしい。
第三章
・高温で比熱が一定になることは、N個の原子が等分配則に従うとすると導ける。(ディロン-プティの法則)
・調和振動子がN個あるとしても、高温極限で一定になることが言える。(アインシュタインモデル)低温極限では、T^3に比例してほしいところだが、x^2 e^x / (e^x-1)^2と惜しい結果。
・低温でT^3に比例すること(T^3則)はデバイモデルによって表現できる。kとωが比例するという近似が成り立つ最大の各振動数をω_Dとして、ω_Dまでのフォノンの状態密度の積分が3Nに一致するとすると、比熱がT^3に比例する式を導ける。高温ではディロン-プティの法則に移行する。
・z種類の原子がある場合、3N個の音響分岐の状態と3N(z-1)個の光学分岐が存在する。
・格子の熱膨張は振動振幅の非調和性によって生じる。非調和係数をβとすると、L= Na+NβkT/a^2。格子振動の振動数変化と体積変化の関係は Δω/ω=γΔV/V。γをグリュナイゼン係数という。
第四章
ここから先が誘電体のお話になるので、後日にとっておこう。すごく楽しみだ。
🔵ギターを弾く。
🔵『鳥谷部 生物物理学 第六章』を読む。
タメになった部分だけをメモする。
・ブラウン運動のMSD∝t。
・バリスティックな運動のMSD∝t^2。
・マスター方程式は粒子の離散的空間分布の連続的時間変化を記述する。
・P_k(t)をρ(x,t)で書き直すと、連続的空間分布の連続的時間変化を記述する拡散方程式を得る。一定外力がかかっているとしたときは移流行が加わるが、拡散係数は変わらずである。
・上式を流れの保存則と比較すると、濃度勾配に比例する大きさの流れが生じるというフィックの法則を得る。
・拡散方程式とボルツマン分布を使うと、拡散係数を易動度μ=-u/fを用いて表すことができる。(アインシュタインの関係式)
さらに、ストークスの法則を使えば、易動度μを粘性係数ηで表すことができる。
拡散係数Dはゆらぎの大きさ、易動度μは力への応答の大きさに対応するとみると、アインシュタインの関係式は揺動散逸関係の一種といえる。
・ブラウン運動を表す運動方程式がランジュバン方程式である。慣性力=摩擦力+外力+熱揺動力。熱揺動力は平均0のガウス分布に従うとする。
摩擦力と熱揺動力は両方とも溶媒が起源で、両者の間には第二種揺動散逸関係が成立する。片方が大きければもう片方も大きいという関係である。
・動きが遅い場合はすぐ減衰してしまう。その場合、慣性力は無視できるので、摩擦力=外力+熱揺動力となる。(オーバーダンプドランジュバン方程式)動きつづけるためには常に推進力が必要である。
大腸菌が鞭毛の回転を停止してからの速度の減衰や移動距離を計算した。面白い具体例だ。
・外力や拡散係数が場所によって変化するときにも対応できる連続空間分布の連続時間変化に対する式が、フォッカープランク方程式である。
オーバーダンプドな系に対応するのが、スモルコフスキー方程式である。
・3次元になるとブラウン運動は非再帰的になる。
・ある調和ポテンシャルにトラップされた粒子が熱ゆらぎでポテンシャルから抜け出すのにかかる時間はt=γ/k√(πk_bT/4E)exp(E/k_BT)である。(クラマース問題)これは面白い問題なので自力で導出してみたい。
・MSD ∝ t^α として、αで拡散現象を特徴づける。
例1)周毛性バクテリアの拡散
t=τ(平均タンブリング間隔)を境に、短時間側ではα=2のバリスティックな振る舞い、長時間側ではα=1のブラウン運動的振舞いをする。
例2)細胞膜上でのホップ運動
細胞膜は脂質とタンパク質が織り交ざった流動的で不均一な構造で、アクチンなどによるフェンスがあり、100nm程度のサイズ領域に区切られている。閉じ込められた空間での拡散はα<1になる。
例3)細胞内のアクティブな拡散
多様な分子機械が活発で非平衡なゆらびが生じている場合はαが1からずれる異常拡散がある。※これは面白い。論文読んでおきたい。
・Uの時間変化は仕事と熱ゆらぎの寄与で生まれるのだが、Q\dot=∂U/∂x◦x\dotであるから、ここにランジュバン方程式を代入すると、熱は粒子が溶媒から吸収する単位時間当たりのエネルギーという見方ができる。
・実験で測定しにくいQ\dotは、原田-佐々等式を用いると測定しやすい量から計算することができるらしい。気になる。後日調べよう。
🔵ベトナム戦争
『NHKスペシャル デジタルリマスター版 映像の世紀 第9集 ベトナムの衝撃 アメリカ社会が揺らぎ始めた』を視聴した。(1h14min)
🔵音楽
さまざまな音楽を聴いた。
8/14
5時就寝、6時起床、1時就寝
🔵中村明著『名文』を読む。
🔵生まれ故郷に到着。
🔵ナナフシ、でかいカマキリ
🔵ツバメ、でかいバッタ
🔵○○市駅を探索。
🔵13年ぶりのラーメン
🔵第56回 分子科学若手の会 夏の学校の資料『凝縮相科学動力学の理論 -量子動力学と光学応答- Chapter1,2』を読む。
・密度演算子を用いると <A>=Tr(Aρ)
・特に、熱平衡状態においては、ρ_eq=e^(-βH)/Z で、<A>_eq=Tr(Aρ_eq)
・時間発展は ρ(t)=e^(-iH(t-t_0)/\hbar)ρ(t_0)ρ(t)=e^(+iH(t-t_0)/\hbar)
・非摂動ハミルトニアンH_0に対して時間に依存する外力V(t)が加わるときの密度演算子の時間発展
相互作用表示では、ρ_I(t)=ρ(t_0)-i/\hbar∫[t→t_0]ds [V_I(s), ρ_I(s)]
もとの表示になおすと、ρ(t)=G_0(t-t_0)ρ(t_0)-i/\hbar∫[t→t_0]ds G_0(t-s) V(s)×ρ(s)
・右辺のρ(s)に左辺のρ(t)を代入することで1次の摂動論ができる。さらに、初期時刻をt_0→-∞とし、H_0に対する熱平衡分布だったと仮定すると、ρ(t)=ρ^eq-i/\hbar∫[t→-∞]ds G_0(t-s)V(s)×ρ^eq と線形応答理論ができる。
・1次の摂動を導いた操作を繰り返せば、高次摂動展開ができる。特に、レーザー電場による摂動 V(t)=-μ・E の場合は、分極 P(t)=Tr(μρ(t)) を P^(n)(t) = ∫dt_n∫dt_n-1…∫t_1 (i/\hbar)^n Tr[μG_0(t_n)μ×G_0(t_n-1)μ×…G_0(t_1)μ×ρ^eq]・E(t_n)E(t_n-1)…E(t_1) のようにn次の非極性分極を展開できる。なお、 E以外の被積分関数をまとめて R^(n)(t_n,t_n-1,…t_1)と置き、n次の光学応答関数という。
・量子系S(例えば、色素分子の電子励起)と 量子系B(色素を内包するタンパク質環境)の全体が純粋状態である場合(ρ_tot=|φ_tot><φ_tot|)について、S系とB系の間に相互作用がない場合は全系の状態ベクトルは両者のテンソル積で表され、Bについての部分トレースをとってもS系についての情報は全く失われないが、両者がエンタングルしている場合は、単純なテンソル積で表すことはできず、Bの状態を縮約すると、Sの状態が一部失われてしまう。
・色素分子の電子状態を |φ_a> (a=g,e) の2状態としたとき、線形吸収スペクトルのピーク位置を表すFrank-Condonエネルギーを E^abs=Tr{(H_e-H_g)ρ^eq_g}=<H_e-H_g>_g と定義する。
・E^em=Tr{(H_e-H_g)ρ^eq_e}=<H_e-H_g>_e
・H_e=H_g+E^abs+X Xは揺動(collective energy gap coordinate)
・μ_g=<X>_g=0, μ_e=<X>_e=E^em-E^abs
・線形応答 ρ^eq_e=ρ^eq_g[1-∫dz e^zH_g X e^-zH_g] の範囲で、μ_e=-∫dz<e^zH_g X e^-zH_g X>_g ≕ -β<X;X>_g 。
・つまり、発光と吸収の周波数の差はE_eの揺らぎXのカノニカル相関として表されるのである。E^em-E^abs=β<X;X>_g。
・時間依存発光周波数は E^em(t)=Tr{(H_e)-H_gρ_e(t)}=E^abs-∫dsTr{i/ℏ X(t-s) [X,ρ^eq_g]}≕E^abs-∫dsΦ(s)≕E^abs-ψ(0)+ψ(t)。Φ(t)を応答関数、ψ(t)を緩和関数という。
・ストークスシフトS≔E^em(0)-E^em(∞)は、分子内振動の非調和性が弱く調和近似でき、電子遷移エネルギーの揺動がガウス過程で記述できるときには、最配向エネルギーE^Rの2倍になる。その帰結として、ψ(0)=2E^R。これを用いると緩和関数ψ(t)の時間依存性を測定結果から求めることができる。
・カノニカル相関の対称性、久保の恒等式、ハイゼンベルク方程式を用いると、緩和関数は ψ(t)=β<X(t);X(0)>_g。
🔵セミ、スズメバチ
🔵祖父にパソコンを教える。
🔵祖父から話をきく
8/15
1時就寝、8時起床、3時就寝
🔵第56回 分子科学若手の会 夏の学校の資料『凝縮相科学動力学の理論 -量子動力学と光学応答- Chapter2,3』を読む。
🔵バーベキュー
🔵軽トラのプール
🔵お墓参り
🔵川
🔵軽トラでドライブ
🔵野菜の収穫
🔵子供無限のエネルギー
🔵大人の偉大さ
🔵シャインマスカット
🔵『はじめての数理論理学』を読む。
第1章 論理式:記号を使って主張を表す
集合論を学んだことのある者にとっては馴染みある話題。
0変数の述語は命題、1変数の述語は性質、2変数の述語は関係、…
論理結合子(否定¬、連言∧、選言∨、含意⇒、同値⇔)、真理表、量化子(全称∀、存在∄)、対象領域、集合による論理式の意味づけ、条件付き量化子、集合(補集合、共通部分、和集合、差集合、直積、べき集合)、結合子についての否定法則(二重否定、ドモルガンの法則)、量化子についての否定法則、複雑な論理式(∄x∀y, ∀x∄y)
第2章 証明法:指針に沿って証明を作る
含意の証明(直接証明、間接証明(対偶法と背理法)、含意の連鎖)、同値の証明(双方向の含意による証明、同値変形)、全称と存在の証明(全称の証明、存在の証明、全称と存在を併用する証明)、論理法則の利用と反証(論理法則まとめ、利用、反証)
第3章 自然演繹:記号を使って証明を表す
この章からようやく新しいことを学ぶ。推論を記号で表現する手法を学ぶのだ。
8/16
3時就寝、12時起床、7時就寝
🔵『実験化学講座 第4版 物質の機能性』を読む。
第1章 無機化合物と有機化合物
無機(金属、半導体、酸化物・セラミックス)・有機(高分子、低分子)の機能が列挙されていた。
第2章 電気的性質
2-1 有機伝導体・超伝導体の設計にとって重要な条件が列挙されていた。 ケモインフォマティクスすることになったら読み返したい。
2-2 結晶成長法(拡散法と電解法)が列挙されていた。溶媒の影響の原理など意外とわかっていないことがあるらしい。これは面白い。
2-3 物性評価の方法(直流伝導度、マイクロ波伝導度、反射スペクトル、トンネル分光、熱起電力、伝導電子常磁性共鳴、核磁気共鳴、磁気抵抗効果)が列挙されていた。何を測定し、どんな物理量が求められるのか理解できた。しかし、使用される式の導出は書かれていなかった。別の本で体系的に理解したいと思う。
🔵『 慶応義塾 大学院講義 物性物理学特論A 第六回 バルク・エッジ対応,ランダウアー公式 半古典的運動方程式 磁場中の2次元電子系 』を視聴。
・チャーン数と久保公式で関係するσ_xyと、エッジ状態がランダウアー公式によって結びつく。
例)原子間散乱、後方散乱のない1次元細線を例にとる。異なる化学ポテンシャルの 電極 μ_1と電極 μ_2 につながっているとする。(μ_1 - μ_2 = -eV)
長さLでスケールした左から右への電流Jは、最終的にJ=e^2/h*V。つまり、コンダクタンスはユニバーサルに決定される。(コンダクタンスの量子化)1チャネルあたりコンダクタンスe^2/hを与えるのだ。
・左向きと右向きモードを空間的に離したものが、先ほどの量子ホール状態のエッジ状態にあたる。一般に、量子ホール系がN=Nのとき、ホール伝導度は G_xy=-Ne^2/h。
・ベリー曲率の直観的理解 ブロッホ波動関数からつくられた波束に対する半古典運動方程式は、r_c\dot=1/\hbar ∂E/∂k_c+k_c\dot×B_n(k_c) と \hbark_c\dot=-e(E+r_c\dot×B) の2式。上式の第2項がベリー曲率に関する補正である。2次元系ではベリー曲率Bはz成分のみであり、外部電場がy方向にかかっているとき、x方向の電流j_xは、~。要するに、ベリー曲率は加速しようとする方向と垂直な方向にベリー曲率に比例した力を及ぼすということである。
・磁場中の2次元電子系 ~狭義の整数量子ホール効果~
🔵『 慶応義塾 大学院講義 物性物理学特論A 第八回 トポロジカル絶縁体1 』を視聴。
・バルクが絶縁体、表面で純スピン流を運ぶギャップレス状態
・時間反転対称性により、逆向き流れのスピンは真逆になっている。(ヘリカルエッジ(2D)/表面(3D)状態)ギャップレスだから表面は金属的伝導を示す。スピン1/2なら時間反転演算子θ=iσ_yK。[H,θ]=0とすると、E_(nk)もE_(-nk)もH_kの固有値となる。k=-kとなる特別な波数ベクトルをTRIMといい、この点では縮退している。比例しているわけではないことは、固有ベクトルu_(nk)とθu_(nk)とが直交していることから言える。なお、TRIM以外のk点では縮退しているとは限らない。
・さらに、空間反転対称性もある場合は、すべてのkで縮退している。
・量子スピンホール効果:スピンホール効果の絶縁体版
・2次元トポロジカル絶縁体を実現するには強いスピン軌道相互作用が必要。時間反転で互いに移り変わる対のことをクラマース対という。トポロジカル絶縁体はバルク価電子帯からバルク伝導帯までの範囲にわたってエッジ状態があるので金属的伝導度を示すが、通常絶縁体では、エッジ状態は伝導帯の極近傍でフェルミ準位よりも上側にしかないことがほとんどなので絶縁体である。この両者は、ギャップを閉じない限り、連続的に互いに他に変形できない。
🔵論文の校正をした。
🔵『物質構造と誘電体入門』第4章 誘電体の基礎 を読む。
・電歪効果:外部電場によって結晶の外形が変化すること。正方格子ならΔy∝E_y^2だが、正三角形格子ならΔx∝E_yとなることもある。
・圧電効果:応力をかけると分極が生じること。正三角形格子ならP_y∝X。
・焦電性:極性結晶の温度変化などによる結晶構造の変化に応じた分極の自発的変化。
・静電容量Cは極板上の真電荷の総量Qと極板間電圧Vの比。
・E=(D-P)/ε_0からD=ε_0E+P=εε_0E。分極によって誘電体内の電場が弱くなることを反電場の効果という。
・P=Χε_0Eと仮定するとε=1+Χ。Χを電気感受率という。
・誘電体を詰めたコンデンサはC=εε_0S/d。
・誘電分散:誘電率が測定周波数に依存する現象。
E=E_0 e^jωt, D=D_0 e^jωt-δ≕ε_0ε*E で ε*=ε' - jε"(複素誘電率)
誘電体が単位時間単位体積あたりに電場から受け取るエネルギーW=1/2 ωε"ε_0 E_0^2 = 1/2 ωε'ε_0 E_0^2 tanδ と、ε"やtanδのぶん損失する。
・複素屈折率n*=n-jk, kは吸収率。nはε'とtanδの関数、kはtanδの関数。(n*)^2=ε*という関係がある。
・複素誘電率の実部と虚部の関係は、D(t)=ε(ω=∞)ε_0E(t)+∫E(u)f(t-u)du=(ただちに追従できる部分)+(時刻0から現在tまでの効果の集積)という式にEやDを代入して整理することで、クラマース-クロニッヒの関係式の形で得られる。実部と虚部は互いに独立ではなく、一方が決まれば他方を求められる。
・巨視的分極は電気双極子モーメントによってなされている。P=Nm。ただし、mは永久双極子と誘起双極子の和。
・分極率αはm=αEで定義。α=α_e+α_i+α_p=(原子の分極率)+(イオンの)+(永久配向)。α_e+α_iが誘起分極。α_eはα_e=4πε_0a^3。ただし、aは電子雲の半径。α_iはテンソル。α_pはα_p=μ^2/3kTと温度が高いほど、分極が揃いにくい。
・局所電場を求める。球内ではあるmを中心に多数の双極子が配列していて、外では連続的に誘電体が存在するとする。外部電場E、分極PがつくるE'、球内の微視的双極子がつくるE"の3つを中心のmが感じる。Pcosθを表面積で積分すると、E'=P/3ε_0、E"はランダムなら0になるから、F=E+E'+E"=E+P/3ε_0。これをローレンツの局所電場という。
等方的でない場合にも局所電場係数γを用いてF=Σγ_lk P_k /3ε_0と拡張できる。このとき、P_l=N_lα_l(E+Σγ_lk P_k/3ε_0)。
🔵京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム「絡み合う物質の中の電気と磁気」を視聴。
・室温でロスなしの電流(超電導、トポロジカルカレント)
・光で絶縁体を金属に(光誘起相転移、電界誘起モット転移)
・光で磁石(マルチフェロイックス、スピンオービトロニクス)
・波動描像のブロッホ状態、粒子描像のモット状態
・電子結晶を崩すと電子液体に。
・BCS機構においてフォノンがクーパー対の糊の役割を担うように、高温超電導ではスピンが。
・らせん磁性は電気分極をつくる。
・磁気スキルミオンは磁場の作用を数万倍に増幅する。
🔵ギターを弾く。
🔵『Chapter 2. Theory of molecular collisions and reactive scattering, J. N. L. Connor』を読む。
・Molecular collision theories = Dynamical / Statistical-dynamical / Statistical theories
・Dynamical collision theories = Exact / Approximate < Static / Adiabatic
・Potential energy surfaces -> Cross-sections -> Rate constants
・ab initio / Semi-classical (complex values of the internuclear coordinates) / canonical models (Force field)
・Inelastic Scattering
🔵映画を観る。
8/17
7時就寝、14時起床、4時就寝
🔵むつめ祭で出店するお店のHPづくり
🔵量子ダイナミクス 第4章 を読む。
・Aの期待値の時間微分に対して、TDSHとTDSH*を代入すると、
iℏd/dt<A>=<ψ[A,H]ψ>
ここからEhrenfestの定理を導ける。
d/dt<q>=<p>/m
d/dt<p>=<-∂V/∂q>≈-∂V(<q>)/∂<q>≈-V'(<q>)-1/2V‴(<q>)Χ
d^2/dt^2Χ=4/m{ε-V"(<q>)Χ}
ただし、≈は古典近似、qの期待値周りの3次までのテーラー展開をした。
Χは<q^2>-<q>^2、εはZPE=<H>-E_classicである。
Χ(0)とΧ(o)\dotはψ(x,0)から計算する。
・ψ(x,t)=A(x,t)e^{(i/ℏ)S(x,t)}とおくと、TDSHはSとAに関する2つの連立微分方程式となる。Aの時間微分である2つ目の式を変形すると、∂ρ/∂t+∇・J=0が導けるため、これらはSHeqの流体力学形式と呼ばれる。Sの時間微分である1つ目の式を変形すると、∂S/∂t+1/(2m)(∂S/∂x)^2+V+Q=0とHamilton-Jacobi方程式に量子ポテンシャルQ=-ℏ^2/(2m)1/A∂^2A/∂x^2=-ℏ^2/(2m)ρ^-1/2∂ρ^1/2/∂x^2が余計に付け加わった形をしている。これを量子HJ方程式という。量子HJ方程式をxで偏微分し、∂S/∂xを運動量mvと見なし、左辺の微分をLangrange微分と見なせば、mdv/dt=-∂(V+Q)/∂x=f_classic+f_quantumと古典力と量子力を受ける。量子力のほうは局所xだけでは決まらず、密度分布ρを知る必要がある。
積分でAを求めるとA=e^-(1/2∂v/∂x)ρ(0)、Sを求めるとS(x(t))=S(x(t_0))+∫(T-(V+Q))dτ。以上より、ψ(x(t))が求まる。
量子HJ方程式においてQの前にはℏがあるからℏ→0の極限で古典対応できると説明する教科書は多い。
Q→0で古典極限になると考えるのには厄介な点がある。なぜなら、Ehrenfest定理がVの3次導関数と比較して波束が狭いことを仮定して導かれるのに反して、Qが無視できるためには、∂^2A/∂x^2に対してAが大きければならず、矛盾するからである。
先ほどは実数A,Sを用いてψ(x,t)=A(x,t)e^{(i/ℏ)S(x,t)}としたが、Sを複素数としてAもSに含めてしまうと、ψ(x,t)=e^S/ℏとできる。これをTDSHに代入すると、Sに関する1つの微分方程式に置き換えることができる。このとき量子補正はiℏ/(2m)∂^2S/∂x^2。特に、調和ポテンシャル中のガウス波束においては、-ℏ^2α_t/mと求まり、位置には依存しないことがわかる。
🔵『非平衡統計力学 香取著』を読む。
第1章 ハミルトンの運動方程式、境界条件
第2章 位相空間、ミクロカノニカル(NVE一定)、カノニカル(NVT一定)
グランドカノニカル(TVμ一定)、n粒子分布関数
GC分布は逆温度βとフガシティλ(逃散能λ=exp(βμ))の2つのパラメタによって指定される。バルク極限で定義される粒子数密度や内部エネルギー密度もβとλだけの関数である。バルク極限をとることは、表面効果を消すこと以外に、MC分布やC分布と収束値が一致することや、熱力学的な量を求められ得るという良さがある。
ビリアル定理 <1/2 ΣiΣj F_α(q_i-q_j)(q_iβ-q_jβ)δ(q_j-x)>=δ_αβ(p-k_BTρ)は境界を考慮したハミルトニアンをα成分の位置q_iαで偏微分してからGC平均をとり、平均粒子数および圧力の定義と作用反作用の法則を用いることで示すことができる。
🔵柳田邦男 死後 墓 見えないからこその実在
🔵ギターを弾く。
🔵ランジュバン方程式からフォッカープランク方程式を導出した。
🔵リー群 ゼミ
集合X、群G、推移的作用ρから成る組(G,X,ρ)をGを変換群としXを表現空間とするクライン幾何という。
リー括弧の交代性、線形性、ヤコビの恒等式 単位元における接ベクトル空間はリー環の構造をもつ。
体積要素D:g×g×g→R を行列式関数(多重線形性、交代性、単位ベクトルの組が引数のとき1)と同じく定義する。向きづけを指定しておくとベクトルの外積は3つの条件を満たす交代的な線形写像として定まる。
E³: 曲率が0で、平行線が無限に存在します。
S³: 曲率が正で、平行線は存在しません。
H³: 曲率が負で、平行線が無限に存在します。
S²×E¹, H²×E¹: 局所的にはそれぞれ球面と双曲平面の性質を持ちますが、全体としては異なる形状をしています。
Nil, Sol: ヘリコイドやサドルのようなねじれや曲がりを持つ空間です。
SL₂(R): より複雑な構造を持ち、リーマン面の束として理解できます。
サーストンは3次元の幾何学には8種類のモデル空間があることを示した。
🔵映画をみる
8/18
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🔵『化学反応と非弾性衝突における古典不規則散乱と量子共鳴散乱 分子研 染田清彦、R.Ramasyamy、中村宏樹』を読む。
🔵『非平衡統計力学 香取著』を読む。
第3章
局所平衡状態における流体力学的方程式
流体場として粒子数n_0(x)、運動量n_α(x) α=1,2,3、エネルギーn_4(x)を定義。
これらはどれも状態(p,q)の関数なので、
n_k(x,t)=n_k(x;(p(t),q(t)))=n_k(x;T_t(p,q))
これが局所的には保存しているはずなので
∂/∂t n_k + ∇_x・j_k = 0 (連続の方程式)
それぞれの流体場の定義式を使えば、連続の方程式から、粒子数カレント場、運動量カレント場、エネルギーカレント場が導ける。
平均速度vの流れがあるときのGK分布の確率密度は、熱平衡状態のとき式からp_i→p_i-mvとしてやればよい。平均速度がさらに場所ごとに変化しているような場合にも一般化できる。
流体場の局所平衡近似の精度はスケールパラメータε=(粒子間距離での平均粒子数密度の空間変化)/(平均粒子数密度)で評価される。εが小さいほど近似が正確さを増す。ε→0のとき|Λ_ε|→∞なので、これは熱力学的極限に相当する。さらに、この極限では粒子系に対するミクロな運動方程式から流体力学的方程式が導けるため流体力学的極限とも呼ばれる。粒子数密度関数の空間的な変化の度合いがεに比例するということは、マクロな変化は1/ε秒だけ待って初めて起こり得ることを意味する。初期t=0で局所平衡状態にあった粒子系はしばらくたっても誤差εのオーダーで局所平衡近似が成り立つ。
P_ε({n_k(x,t)})=1/Z_ε exp[-Σ_k∫_Λ_ε d^3x β_k(εx,εt)n_k(x,t)]+О(ε)
これの第一項を用いて、ρ,β,vのもとでの粒子数カレント、運動量カレント、エネルギーカレントの平均を計算すると、連続の方程式からオイラー方程式という流体力学的方程式が得られる。各成分は、初期条件、境界条件、状態方程式と連立させて解く。
実は、オイラー方程式には適用限界がある。エネルギー散逸によるエントロピー生成過程は非可逆過程であるのに、オイラー方程式は時間反転対称性があるため、非可逆過程も表現するためにはО(ε)の項も考慮しなければならない。この補正をナビエストークス補正といい、得られる方程式をナビエストークス方程式という。ずり粘性係数μ、体積粘性係数ξ、熱伝導係数κといった輸送係数を用いて、内部摩擦を表現している。
∂/∂t (場の変数) + (可逆な項) = (散逸を表す項) の形をしている。右辺は1/εよりも長い時間後の変化を表しているともいえる。(可逆な項)と(散逸を表す項)は合わせて、粒子や運動量、エネルギーの移動の様子(輸送現象)を表している。
🔵『生体分子の統計力学入門 12章』を読む。
12.9.1 経路サンプリングの3つの手法 (人名を入力しChatGPTで質問)
➀ Lawrence Pratt の手法
Lawrence Pratt が提案した手法は、特に**トランジションパスサンプリング(Transition Path Sampling, TPS)**として知られています。TPSは、重要な遷移経路だけを効率的にサンプリングするための方法です。基本的なアイデアは、モンテカルロ法に基づき、反応座標系で定義された初期経路をランダムに変更し、変更された経路が適切なトランジション経路であるかどうかを評価します。これにより、エネルギーバリアを越える遷移状態に関する情報を得ることができます。
➁ Zuckerman Woolf の手法
Zuckerman と Woolf が提案した手法は、Weighted Ensemble (WE) Method として知られています。この手法では、経路のサンプリングを並行して実行し、個々の経路に異なる重みを割り当てます。重みは経路の確率を表し、これにより重要な経路に焦点を当ててサンプリングが行われます。この方法は、特に遷移が非常に希少な場合や、複数の経路が競合する場合に有効です。
➂ Huber Kim の手法
Huber と Kim が提案した手法は、Milestoning として知られています。Milestoningは、系の状態空間をマイルストーンと呼ばれるいくつかの部分に分割し、これらの部分間の遷移をサンプリングする手法です。各マイルストーンの間での遷移確率を計算し、それを基に経路の統計的性質を推定します。この方法は、全体の経路を細分化して計算することで、複雑な経路の探索を効率化します。
12.10 タンパク質の折り畳み:ダイナミクスと構造予測
➀アミノ酸配列を並び替えた時、3次元構造がどう変わるか? ホモロジーモデル
➁折り畳みのダイナミクス 経路、中間体、レート定数、粗視化モデル
12.1.1 実験 X線回折、NMR 1つに決まった構造などない
12.2 古典MM、粗視化CG、量子QM
12.2.1 力場、QM/MM
12.2.2 粗視化 Voth, Tozzini, Ayton
12.3 ランジュバンダイナミクス(LD)はMDに対する近似、モンテカルロ(MC)も。
12.3.1 時間スケール 高いバリアは超えにくいので長いシミュレーションタイムが好ましい 速い運動と遅い運動の間には相関があることがあるので、十分だと思われた時間幅が実は不十分だったことがある。
サンプリングの誤差は1/√Nで小さくなる。
12.3.2 特に多自由度系では、Local MIN は Global MIN とは限らない。
12.4 MDが実用的でないときMC法が多くの状況で使われる。
12.4.1 メトロポリスのMC法 局所的な領域でのバランスのとれた遷移は、いずれ全体的にバランスのとれた遷移になる。
12.4.2 メトロポリスヘイスティングMCはどんな次元、どんな変数、どんな分布にも適用できる。
12.4.3 レプリカ交換 Swendsen, Wang, Frantz
12.4.4 レプリカ交換は全ての温度で同じポテンシャル関数を使うが、そうしないことができる。途中経過ではファンデルワールス力や長距離相互作用を消去しておきコスト削減できる。異なる自由度の系を並列で動かすシミュレーションを分解能交換(resolution exchange)という。
12.5 再重み付け(リウェイティング)
12.5.1 焼きなまし(アニーリング) 高温から低温へ再重み付けと緩和を繰り返す。HuberとMcCammonによる。生体分子系にも適用できることをLymanとZuckermanが示した。
12.5.2 前もって用意したフラグメントの組み合わせ
12.5.3 リサンプリング法の重みを除去した確率分布を求めることができる。Liu。
12.5.4 相関はMDでなくても、生じてしまう。
12.6 計の極大極小値をすべて特定できれば、遷移可能性やレートを求められる。Daivid Walesによる。遷移はポアソン過程と仮定しベイスンとベクトルの間の遷移に対する平均待ち時間がレート定数の逆数で与えられる。一連でこれを調べれば、離散状態の軌道が生成できる。
12.7.1 一般にはシミュレーションですべての重要な点を訪れたかどうか判断することは不可能である。
12.7.2 理想化された平衡系のサンプリングは、配置が完全に独立で、平衡分布にしたがっているような結果を与える。
12.7.3 観測量fの時間変化をみる。自己相関時間が軌道全体の長さよりもずっと短くあるべき。GrossfieldとZuckermanのレビューにあるようなブロック平均化<f>。交換シミュやポリマー成長などのデータが動的でない場合は、異なる初期条件をつかって多数回の独立なシミュを行い、評価するとよい。
12.7.4.1 RMSDを時間の関数としてプロットする。平均値の周りを揺らぎ、決してドリフトはしないであってほしい。
12.7.4.2 定量評価はLymanとZckermanが構造の相関がなくなる時間を全シミュレーション時間と比べることでなした。
12.7.4.3 大きく異なる初期配置から実行した独立なシミュレーションからの異なる概算の偏さがサンプリングの質を反映する。
12.8 自由エネルギーの詳しい説明はChipotとPohorillesの本を参照せよ。
12.8.1 ポピュレーションの差から自由エネルギー差が求まる。F_A-F_B=-k_BTLn(p_A/p_B)。また、ある座標yに沿った分布w(y)からPMF(y)が求まる。PMF(y)=-k_BTLnw(y)+const
12.8.1.1 稀にしか訪れない領域をより高精度でサンプリングするために、温度を上げたり、特殊な拘束力をかけたりするテクニックがある。Kumar。
12.8.2 温度やUが変化したときの自由エネルギー変化はU^{-F(F_1-F_0)/k_BT}=<exp(-ΔU^*)>_0。
12.8.2.1 段階的アプローチ λを用いて中間のエネルギー関数U_λ。Charies Jarzynksiによる非平衡の方法もある。Nealの論文、FrenkelとSmitの本、ChipotとPohorilleの本も参考になる。
12.8.2.2 結合親和性を評価する結合自由エネルギーは、Tembe, McCammon, Gilson, Woo, Rouxの論文を参照。
12.8.3 ドラッグデザインについてはLeach。バーチャルスクリーニング。定量的構造活性相関(QSAR)
🔵『生体分子の統計力学入門 11章 前半』を読む。
11.1 prob(r^traj) ∝ exp[-E^traj r^traj / k_BT]
11.1.1 観測量は離散化された状態、反応レート、遷移状態と反応座標、複数の経路、拡散とそれに関する現象
11.1.2 t_wait >> t_barrier waitの間、過去を忘れるので、遷移はポアソン過程であり、単位時間あたりに等しい確率で起こるだろう。
11.1.3.1,2,3 記述の階層性 r^traj → ρ(r^n;t) → P_j(t)
二重井戸で初期位置がAにあったとする。状態Bの割合の時間変化をプロットすると、線形に立ち上がり、折れ曲がり、やがて平衡の一定値に落ち着く。線形部分はAからBへの遷移を表しており、その傾きから2状態間の遷移レートが得られる。k_ij≈prob(j;i|i;t=0)/t。
🔵清水熱力学ゼミ 第14章 久しぶりだ
🔵雑談 夏休み、運動、サウナなど
🔵『生体分子の統計力学入門 11章 後半』を読む。
11.2.1 x_j+1はポテンシャル勾配に基づく決定論的な部分とランダムなズレの和で決まる。「Action(作用)」は物理学における概念で、特に力学や量子力学で重要。この文脈では、Actionは「軌道エネルギー(Etraj)」に比例する量として登場。具体的には、軌道(trajectory)の確率を記述するために使われる。軌道エネルギーは、運動の各ステップにおける実際のステップと力に基づく予測ステップの差に依存し、その差の二乗を合計する。Actionは、最も可能性の高い軌道(最小のEtraj)を示し、他の軌道と比較して、その軌道がどれだけ「エネルギー的に安定しているか」を示している。Actionの低い軌道は、他の軌道よりも高い確率で実現する傾向がある。これにより、ActionはBoltzmann因子のような形式で軌道の確率を記述するための有効なエネルギーとして機能する。
Action ∝ E^traj = mγ/4ΔtΣ(Δx_j-Δx_j^det)^2
作用(Action)は軌道の有効エネルギーの役割を果たしている。AdibやZuckerman, Woolfの論文を参照せよ。
11.2.2.1 prob(x^traj)∝ρ_0(x_0)exp[-E^traj(x^traj)/k_BT]
11.3.1 初期の配置分布を決めれば、軌道のアンサンブルが決まる。
11.3.2 定常状態にある非平衡の軌道アンサンブルは一定の状態分布を維持する。
11.3.3 平衡の軌道アンサンブルは、すべての状態を多数回訪れるような長時間軌道か、平衡アンサンブルからスタートした短い軌道の集合から定義される。Hummer。
11.3.4 AからBへの遷移閉路のアンサンブルはBolhuisらのレビューを参照。
11.3.4.1 二重井戸の簡単なモデルでも遷移にはかなりの不均一性がある(Zhang, Jasnow,Zucherman)。ブタン分子の二面角。カルモジュリンの遷移(Zuckerman2004)。
11.4 経路から外れたところに中間状態があることもある。
11.4.1 軌道アンサンブルから配位空間の確率分布を求めれらる。Hummer。
11.4.2 経路アンサンブルの滞在時間から中間状態を見つける。Chodera。
11.4.3 コミットメント確率Π_Bとは、配置r^Nからスタートした軌道のうち初期状態Aに戻るまえに、ターゲット状態Bへ到達する割合である。状態Bの近くでは1に近く、状態Aの近くでは0に近い。遷移状態をΠ_B=0.5となる点で定義することはできる。しかし、多くの中間状態をもつ複雑なタンパク質では、そうなる点を探すよりも、重要な中間状態を探すほうが意味があるだろう。
11.4.4 確率の流れ Gardiner, Risken, van Kampenの本を参照。
11.4.5 コミットメント確率は反応座標に沿って単調に増えなければならない。反応確率に沿ったPMFがダイナミクスの妥当な記述を与えなければならない。反応座標の選び方によってバリアの高さや反応レートが変わってしまうことがある。
11.4.6 第一通過のレートは定常状態の流束によって与えられる。(Hill)
Flax(A→B, SS)=k_AB^First=1/MFPT
11.4.7 例えばアロステリーの系でタンパク質の1箇所で結合が起きたとき、どのようにして他の場所に影響が及ぶかを知りたい場合、任意の相関や平均を求めるとよい。<f(r^N(t+τ),r^N(t+τ))>
11.5.1 確率分布ρを得るためには、probを経路積分すればよい。
11.5.2 一定外力(線形ポテンシャル)を受けた拡散はガウス関数がドリフトしていく。
11.5.3 拡散方程式、フィックの法則。Nelson, Phillipsの本。生物学的にはPhillipsの本。
11.5.4 クラマースフォッカープランク方程式についてはGardinerやRiskenの本を参照。強摩擦のダイナミクスはより簡単なスモルコフスキー方程式。
11.5.4.1 二重井戸の例。左にあった確率分布は右に漏れていく。Kramers理論によれば、レートはk_AB=ω_0ω_B/2πγ e^(-E_b/k_BT)。詳しくはGardinerやRiskenの本を参照。漏れの確率という描像は生体分子にも適用できる。Zuckermanはカルモジュリンに適用している。
11.5.5 履歴依存性:ランジュバン動力学やニュートン力学のような動力学では、履歴が重要になる。これらの動力学は配位空間では不十分で位相空間が必要。
11.6 1つの軌道から仕事を計算する方法については、JarzynskiやHummer、Szaboの論文を参照。Jarzynskiによって開発された強力な軌道平均の解析法によって非平衡の引き延ばされている軌道から平衡系の情報をひきだすことができる。Jarzynski等式は引き延ばし前と後の平衡自由エネルギー差がρ_aやE^traj, Wと関係づける。
11.6.1 1つの軌道だけをみれば仕事が自由エネルギー変化よりも小さくなりうる。しかし、平均は熱力学第二法則を満たす。
🔵ギターを弾く。
🔵『物質の構造と誘電体入門』第5章 物質の誘電性 の途中まで を読む。
ローレンツの局所電場の式と、比誘電率εと電気感受率Χの関係ε=1+Χを用いることで、クラウジウス-モソッティの式を導ける。
電場の印加速度が速い場合は、ε=n^2であり、また、α_iやα_pは電場に追従できないので0とでき、ローレンツ-ローレンスの式に書き表せる。これを用いると物質の電子分極率を求めることができる。
クラウジウス-モソッティの式からローレンツ-ローレンスの式を引き算してα_eを消去すると、十分小さい振動数領域で電子分極を定数と見なした場合の誘電率、イオン分極率、配向分極率の関係式を得られる。
永久双極子を持つ場合は、α_p=μ^2/3kTを代入したり、α_iを無視したりすることで、ランジュバン-デバイ式を得られる。
単原子分子気体では電子分極率しかないので温度依存性はない。
多原子気体でも非極性気体なら温度依存性は現れず、クラウジウス-モソッティの式が成立する。一方、極性気体ではランジュバン-デバイの式が成立し、1/Tに対するP_mをプロットすると、その傾きからμ、切片から電子分極率とイオン分極率の和が求まる。屈折率と低周波数測定によりα_eとα_iの分離をすることも可能である。
液体においては、非極性の場合はクラウジウス-モソッティの式がほぼ成立する。しかし、極性分子の場合は、分母が発散するなどして破綻することがある。
固体においても非極性なら成立するが、極性では怪しい。しかし、強誘電性という誘電率の発散が実際に観察できるので、その意味では正しい予測を与える。
液体や固体において、このようになるのは、局所電場が分極Pに単に比例すると単純すぎたためであり、オンサーガーはオンサーガーの式に改良した。この式の導出は、高木, 沢田著の「磁性体・誘電体の物性工学」に書いてあるらしい。
さらに精密な式として、永久双極子周辺の短距離秩序まで考慮したフレーリッヒ-カークウッドの式という。
🔵論文を4報読む。
・García-Garrido, Víctor J., and Stephen Wiggins. "The dynamical significance of valley-ridge inflection points." Chemical Physics Letters 781 (2021): 138970.
・Haigh, Douglas, et al. "The time evolution of the trajectories after the selectivity in a symmetric potential energy surface with a post-transition-state bifurcation." Regular and Chaotic Dynamics 26 (2021): 763-774.
・Harabuchi, Yu, et al. "Nontotally symmetric trifurcation of an SN2 reaction pathway." Journal of Computational Chemistry 37.5 (2016): 487-493.
・Harabuchi, Yu, Akira Nakayama, and Tetsuya Taketsugu. "Trifurcation of the reaction pathway." Computational and Theoretical Chemistry 1000 (2012): 70-74.
🔵音楽 メトリックモジュレーション
8/19
7時就寝、12時起床、5時就寝
🔵論文を読む。自分の研究に関わるのでタイトルは伏せる。
🔵研究その1。流していた計算の結果の解析。あと教授への報告。
🔵研究その2。つかれる。
🔵CCSD CCSD(full) CCSD(T) CASSCF の違いを確認する。
🔵坂本QFT 第四章を読む。
Einsteinの関係式を四元運動量ベクトルを用いて因数分解した片方を使うと、Diraceqを導ける。KGeqや初等的な因数分解で導く式では、mと-mのどちらを採用するのかという恣意性が生まれるが、四元運動量ベクトルを用いた因数分解では、どちらも等価であることが後で示される。さらにDiraceqはKGeqに含まれていなかったスピンの自由度を扱うので、スピン-磁場相互作用やスピン統計を考慮できるようになる。
Diraceq (iγ^ν∂_ν-m)ψ(t,x)=0のγ行列やψのサイズは非自明であるが、因数分解が成立するためのγ行列の十分条件である反交換関係式から、次数Nは偶数であることが要請され、同じ反交換関係を満たすパウリ行列と単位行列を要素としてN=2の行列をつくると上手くいかないことがわかる。そこで次は、パウリ行列と単位行列を要素としてN=4の行列をつくると、今度はうまくいく。なお、γ行列は任意で相似変換しても反交換関係やDireqeqが成立し続ける。Direqeqの解ψは因数の作用を受けて0になるから、KGeqも同時に満たすと言える。また、Diraceqの解は流れの保存の式を満たす。特に優れた点は、待ち望んでいたρ=ψ^†ψ=Σa=1~4(ψ^a)^*ψ^a>0が言えることだ。
ディラック表示のスピン角運動量演算子は対角成分がどちらも1/2σであるから、4成分波動関数のうち、上2成分および下2成分それぞれが、スピン1/2であることがわかり、確かに、電子のスピン状態を正しく意味できていることが確かめられる。LやSは時間変化してしまうが、全角運動量J=L+SはdJ/dt=0(⇔[J,H]=0)であることが示せる。
静止解 Diraceq (iγ^ν∂_ν-m)ψ(t,x)=0が静止しているときは、運動項がゼロなので、(iγ^0∂/∂t-mI_4)ψ(t)=0 であり、独立解は4つある。正エネルギーE=m解と負エネルギーE=-m解にそれぞれスピン上向きと下向きがある。
自由電子のDiraceqを電磁場と相互作用している系に拡張し、非相対論的極限をとると、電磁場中での電子に対するパウリ方程式が得られる。この式のパウリ項(e/2m_e)σ・Bが電子スピンと磁場との相互作用を与えるのである。ただし、S=1/2σである。4成分波動関数を2成分波動関数2つから成るとして、片方に対するパウリ方程式を求め、観察することで、正エネルギー解が電子に対応するならば、負エネルギー解は陽電子を意味することがわかる。しかし、両者で解釈のための取り扱い(手続き)が異なっているため、負エネルギー問題の完全な解決のためには、場の量子論への移行が必要なようだ。
負エネルギー解に対するρは陽電子なのだから、正エネルギー解のときとは反対の符号を持ち、電荷密度を表現してほしい。そのためには、波動関数が入れ替えに対して反対称であればよい。これは、波動関数を場の演算子と見なせば、はっきりとする。負エネルギーの物理的解釈をスピン1/2のディラック粒子の波動関数は入れ替えに対して反対称であるというボース-アインシュタイン(フェルミ-ディラック)統計に従うとしよう。
🔵研究 その3
🔵分子軌道法計算プログラム Gaussian 03 ―その10 ― 和佐田祐子 和佐田裕昭 電子相関 を読む。
🔵ギターを弾く。
🔵2023 量子化学スクール 電子相関とpost-HF法 を読む。
🔵オーバーダンプドランジュバンダイナミクスのシミュレーションをつくった。
1次元での<x'>と<x>、自己相関係数のtに対するプロットをした。
また、3次元でホワイトノイズを受けるxのtに対するプロットをした。
係数は、水中の大腸菌をモデルにした。
🔵 kuramers問題:調和ポテンシャルにトラップされた粒子が熱ゆらぎでポテンシャルから抜け出すのにかかる時間はt=γ/k√(πk_bT/4E)exp(E/k_BT)であることの証明。
🔵論文を4報読む。
・M. Wu et al., Appl. Environ. Microbiol., 72, 4987–4994 (2006)
Collective Bacterial Dynamics Revealed Using a Three-Dimensional Population-Scale Defocused Particle Tracking Technique - PMC (nih.gov)
・ A. Kusumi, Y. Sako, M. Yamamoto, Biophys. J., 65, 2021–2040 (1993)
Confined lateral diffusion of membrane receptors as studied by single particle tracking (nanovid microscopy). Effects of calcium-induced differentiation in cultured epithelial cells - ScienceDirect
・ T. Fujiwara et al., J. Cell Biol., 157, 1071–1082 (2002)
Phospholipids undergo hop diffusion in compartmentalized cell membrane - PMC (nih.gov)
・ E. Barkai, Y. Garini, R. Metzler, Physics Today, 65, 29–35 (2012)
Strange kinetics of single molecules in living cells | Physics Today | AIP Publishing
🔵原田-佐々等式を調べる。
たぶん、以下2つを読めば理解できる。ただ、疲れたので明日読むことにする。https://bio2.phys.kyushu-u.ac.jp/img/recent.pdf
🔵時代と青春
🔵吉本隆明
🔵テロと意思表明と掲示板 余力
🔵岡本太郎
8/20
5時就寝、12時起床、6時就寝
🔵九鬼周造
🔵生物物理学ゼミの発表資料づくり
🔵原田-佐々等式を調べる。
・生体分子モーター・キネシンの“散逸”を計測する を読んだ。面白い!脳汁。
ξの関数である左辺は直接測定が難しいから、右辺を測定する。右辺第二項は速度の自己相関係数および応答関数の実部の周波数表示。それぞれを周波数に対してプロットして、囲まれた面積が、右辺第二項の大きさになっている。これが非平衡散逸の大きさ。これを使えば、モータータンパク質の散逸の要因を探っていくことができる。
・生命の非平衡力学研究 を読んだ。代謝がある系では濃度が高く混みあっているほど希薄な in vitro 系よりもはるかに効率的に働くというのは面白い。
これをフーリエ変換すれば、揺動散逸定理の破れを見積もれる。測定には、Active/Passive MRを用いる。
🔵『The Kramers problem and first passage times』 を読む。
要点だけまとめると、
🔵4.5時間の労働(バイト)
🔵終電で研究室へGo!
🔵深海 生命の起源 https://youtu.be/gp2GUCMaAJ8?si=XFfrh0my0e-0BVRJ
🔵研究 その1
重たい計算流し始め
🔵研究 その2
いいグラフがつくれた
🔵研究 その3
前に得た結果の解析 ミス発覚 修正して計算しなおし
8/21
6時就寝、8時起床、?時就寝
🔵研究 その1
別相との比較
🔵非平衡物理学を復習
🔵研究議論と研究
🔵昼飯ながら雑談
🔵映画「七人の侍」を鑑賞。
🔵映画の感想や批評
🔵第 10 回 非平衡統計物理『確率過程の理論-マスター方 程式からフォッカー・プランク方程式まで』をよむ。
🔵『StochasticEnergetics一 揺らぎ世界のエネルギー論』を読む。
🔵生体分子の動きをみるhttps://youtu.be/Bqra7WNhChA?si=fAczun-keFJLdmSK
🔵生物物理学ゼミ発表
🔵学会参加申し込み
2時就寝、12時起床、?時就寝
🔵録画のアップ
🔵研究
🔵論文
🔵ネット社会
🔵論文
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