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Vol.10 フィリピンのNational Artist キッドラッド・タヒミック

Magandang araw(こんにちは)、Tomiです!
一昨年、旅行で訪れたバギオで立ち寄ったとあるカフェで、たまたま日本語がとても上手な青年に出会いました。彼と話をしていると、そのカフェはフィリピンの芸術家キッドラッド・タヒミックが内装をプロデュースしている、ということが分かりました。キッドラッド・タヒミック…だれ!??><
フィリピノ語を専攻する学生の間では、結構有名な人らしく、そのあと訪れたバギオの博物館にも、彼の写真が飾られてありました。
帰ってきてから、彼のことを少しだけ調べてみると、こんな一文を見つけました。

「彼の映画作品は、スペインやアメリカ、日本の植民地支配を受け、ルーツを失ってしまったフィリピン人のアイデンティティを探求するという性格を持っている。」

いつかこの人に会ってみたいなーと思っていると、去年の2月、彼の作品の上映会と、本人出演のパネルディスカッションがキャンパスであるというので、行ってきました!
そこでのパネルディスカッションでの彼の話がとても印象に残っています。

彼は、ハリウッドで生産されているような大金のかかる映画は好きではないと話していました。そういう映画は、監督をはじめHierarchyがある。彼は作り手同士の間、作り手と被写体の間にpower relationを作りたくないのだと言っていました。
そして映画監督と呼ばれることにも謙遜しているようでした。彼は自分が面白いと思う、世界中の人にも知ってほしいなと思うものを、映像を通して発信するだけなのだと。自分のことを「story teller(物語の語り手)」だと言っていたのが印象深かったです。彼の作品は、日本の「竹寺」やフィリピンの先住民の物語など多岐にわたります。

映画の上映の後に写真を頼むと快く受けてくれました。学生に「Sirなんて堅苦しい感じじゃなくて、クーヤ(お兄さん)と呼んでくれ」と話しかける、気さくな方でした。バギオを訪れた時にカフェに行ったことと、わたしは日本からの留学生で、ここでWomen and Developmentを専攻している、ということを伝えました。なんとなくですが、何の根拠もありませんが、この方とはまたどこかで出会う気がしています。キッドラッド・タヒミック。スキップしたくなる名前、キッドラッド・タヒミック。

(この記事は2021年2月に執筆されたものです)

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