私のLean In Story~第一弾:奥永優香編~
Lean In Tokyoは国際女性デーを記念して、メンバーのLean In Storyの連載を開始いたします!
“Lean In”とは、「一歩踏み出すこと・挑戦すること」を意味する言葉。
私たちはこの言葉、そして同題名の本、そこから始まったムーブメントにそれぞれ想いを持ってLean In Tokyoで活動しております。
一人一人の経験や想いが、もし誰かの共感を呼んだり、誰かの背中を押すきっかけとなることが出来れば幸いです!
第一弾はEvent Incubatorとして活動中の奥永優香のStoryです!
第一弾:奥永優香(Event Incubator):
「できるかどうか」よりも「やってみたいか」に素直になれた
Lean Inとの出会い
私がこれまでの人生で特に「一歩踏み出した(Lean Inした)」エピソード
「どこまで生き残れるかはわからない。でも、まずは自分を信じて3年頑張ってみよう」と心に決めて新卒でコンサルティングファームへの入社を決めてから、気づけば丸5年が経とうとしています。今では心から尊敬できる上司たちと才能あふれる明るいチームに恵まれて、グローバルな環境で大好きなヘルスケア領域でのコンサルティングに打ち込んでいます。継続的にお仕事をさせていただくお客様にも恵まれ、いただいたお礼のお言葉を思い返しては、さらにお役に立てるように精進しなければ、と気合いを入れなおす日々です。自分の実力不足に落ち込む日こそありますが、新しい発見やわくわくにあふれた仕事ができていることを心からありがたく、幸せに思っています。
私は昔から不器用で慎重な性格で、人並の成果を出すのに人一倍の時間と労力を要するタイプの子供でした(少なくとも自己認識としてはそうで、それは今でも変わっていません)。小学生の頃から「自分は地頭がよくない」という自己認識のもと、無意識のうちに、投下した時間や労力が成果に結びつきやすい、堅実な道を選んできたように思います。
大学生の時に進路を考え始めた際も、「自分には、もともと頭のよい人がガンガン働くイメージの外資系の厳しい競争環境に身を置くよりも、安定して長く働ける会社で、着実に特定の商品やサービス・領域における知識や経験を積み重ねていく方が合っているのではないか」と信じていました。また、「仕事は続けたいけれど、パートナーと新しい家庭を築き、いつかは子供もほしい。そう考えると、ワークライフバランス(以下、WLB)も大事にしたい」と考えていたため、いわゆる「激務」イメージのあるコンサルティング業界は自分のライフプランとも合わないのではないか、と思っていました。
しかし、当時の私にはまだ「自分はこれにかかわりたい」と心から思える商品もサービスもなく、インダストリーや機能軸でも「これだ」というものはまだ見つかっていませんでした。そんな中、「さまざまな業界のプロジェクトにかかわりながら、若いうちから実力をつけられる」として当時サークルの先輩や同期の間で”プチ流行”していたコンサルティングの仕事を知り、心惹かれている自分に気が付きました。そこからいくつかのコンサルティングファームのインターンに参加し、ビジネスケースに取り組みフィードバックをいただく機会を通じて、「これは面白そうな仕事だ!」という想いがどんどん膨らんでいきました。しかし同時に、自分とは次元の違う頭脳を持つ社員・周囲の就活性たちに圧倒され、内定をいただいてからも「本当にこんなところでやっていけるのだろうか」「パートナーと新しい家庭を築くというプライベートの夢は叶えられるのだろうか」としばらく悶々と悩んだのを覚えています。
背中を押してくれたのは、友人の誘いで偶然参加した、Lean In Tokyo主催のゲストスピーカーイベントでした。コンサルティングファームで当時マネージャーとして活躍されていた女性2名が登壇されており、携わられたプロジェクトや今後のキャリアプランについて、はつらつと語る姿・その前向きなエネルギーに圧倒され、「自分もこんなビジネスパーソンになりたい」と強く思ったのを今でも覚えています。自分にできるかはわからなくても、憧れる気持ちに正直に、まずは腹を決めて頑張ってみよう、と思えた転機でした。
また、このイベントを通じて、私のWLBという概念のとらえ方も大きく変わりました。WLBを「ある一時点」でとらえるのではなく、「5-10年、あるいはもっと長いスパン」でとらえる方がよいのではないか、とお2人のお話を通じて気づいたのです。将来的に子供がほしいと考える場合、どんなにパートナーが同じように家庭にコミットしていたとしても、妊娠・出産ができるのはどうしても生物学的な女性に限られてしまう。そのため、一定期間、仕事のペースを落とすことは避けられません。そう考えると、その時が来るまでにいかに濃い経験を積み、自分のスキルをつけておけるか、がその後の仕事とプライベートの両立においてカギになると考えました。「常にWorkとLifeのバランスを一定に保ってLifeの比率をしっかり確保する」という考え方ではなく、「ある一定の期間はがむしゃらにWorkにコミットする、そしてまた別の期間は思い切りLifeのために時間を割く」というしなやかで緩急のあるWLBの方が、自分にはしっくりきたのです。その意味で、プロジェクトベースで若いうちから密度の濃い経験を積めるコンサルティングの仕事は、実は中長期的なWLBを確立できるキャリアのひとつなのでは、と考えるに至りました。
かくかくしかじかで、最後は「えいや!」と自分を鼓舞してコンサルティングの仕事にLean Inしてから5年。今でもあの時の出会いに感謝しています。
私がLean In Tokyoに参画した理由
働きはじめてからは、自分の実力不足でたくさんの悩みや壁にぶつかりましたが、上司や先輩、仲間の助けで本当に充実した日々を送ってきました。また、地頭がよくないかわりに、体力とガッツ、前向きさだけは人並み以上にあったのかもしれません。プレッシャーのかかる局面はありますが、男性だから/女性だからといった理由で仕事の裁量が変わることもなく、評価もフェアで、希望しない転勤もなく、リモートワークも取り入れやすい。何よりもやいがいがある。こんなに働きやすい環境はなかなかないのではないかと思っています。
転機になったのは、プライベートで結婚したことでした。今まではとにかく仕事のことばかり考えてきましたが、より現実味を持って、パートナーとともにこれからどんな人生・家庭を築いていくかを考えた際に、もっと社外の働く女性たちとのかかわりを広げて、いろいろな考え方・選択肢を学びたいという気持ちがありました。
また、働きはじめて一定の年月が経ち、友人や後輩からいろいろな相談を受けることも増えてきました。自分が働きやすい環境を享受するだけでなく、どうすればもっとみんなが働きやすい環境をつくることに貢献できるのだろうか、ということを考えていたタイミングでもありました。
その時に思い出したのが、学生時代に私の背中を押してくれたLean Inの存在です。あの時Lean Inのイベントが私のキャリア選択を後押ししてくれたように、私も誰かが勇気を持って一歩踏み出すきっかけづくりのお手伝いがしたい。その過程で、仲間といろいろな考え方をシェアしあいながら私自身も学びを得て、よりみんなが働きやすい環境づくりへの貢献や、私自身の人生設計にも生かしていきたい。Lean Inのメンバーにそんな想いをあたたかく受け入れてもらい、22年の夏から、メンバーとして活動しています。
今後の意気込み
好きな本の1つに丸山真男の『日本の思想』があるのですが、その中の「『である』ことと『する』こと」という章に、「権利の上に眠るもの」という言葉があります。権利を持っていることに安心してしまい、行動を起こさなくなると、気づかぬうちにその権利を失ってしまう、ということを表す言葉です。本書の解釈とは若干異なりますが、自分自身が「権利の上に眠るもの」にならないようにしたい、と折に触れて思ってきました。私が今、いきいきと仕事をできている環境は決して当たり前のものではなく、そう遠くない過去、日本において女性が社会に出て働くこと・結婚しても働き続けることが決して当たり前ではなかった時代から前を歩いてくれた、たくさんの女性たちの不断の努力のおかげで達成されたものであるということを忘れないようにしたいと思っています。そのことに感謝しながら、よりよい未来のために自分にできることは何なのかを考え続け、行動に移していきたいと思います。
Lean In Tokyoは国際女性デーを記念して、今後数週間に渡ってメンバーのLean In Storyを連載予定です!ぜひ今後の記事にもご注目ください😊