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海外のフェミニズムって?


みなさん、お久しぶりです。カナダに在住の安達麻有です。今年の六月にトロント大学を卒業し、今はカナダで働いています。大学卒業・就活で忙しく、しばらくLean In Tokyoの活動をお休みしていたので、大分久しぶりの投稿になってしまいました。

さて、今回の記事では、『海外のフェミニズム』について書いていきたいと思います。
というのも、私は大学で女性・ジェンダー学を専攻していたので、この分野は私の専門分野でございます😎 大学での日々の学びの中で、私が日本にいた頃イメージしていたフェミニズムと、海外で広く理解されている『フェミニズム』には、意味の違いが大きくあることに気づきました。今回は、この気づきを皆さんにシェアしていきたいと思います。

海外で捉えられているフェミニズムとは?

皆さんは、『フェミニズム』という言葉を聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
おそらく、皆さんの頭の中に浮かぶのは、女性の社会進出や、男女平等社会の実現、などの女性に纏わることではありませんか?
ちなみに、日本で一般的に認識されているフェミニズムの定義としては
【フェミニズムとは、性差別をなくし、性差別による不当な扱いや不利益を解消しようとする思想や運動のことである。フェミニズムはその歴史から女性権利向上・女性尊重の運動だと捉えられがちだが、男性嫌悪や女性だけを支持するものではなく、男女両方の平等な権利を訴える運動である。】 (Ideas for good 用語集より引用)

であり、「女性」に関する社会にある様々な問題をなくしていこう!というようなイメージがあると思います。

このように、日本で広く使われているフェミニズムは、女性に関する問題のみにフォーカスが当てられている気がします。
それに比べ海外で使われている「フェミニズム」は、元は同じように女性に焦点を当てた運動でしたが、昨今では女性に限らず、人種差別や、民族差別、障害者差別など様々な社会の弾圧をなくしていこう、という運動を指します。社会には人種の違いや体の不自由、年齢や見た目などにより生まれる、権力があるものからの弾圧があり、それは女性だけが経験していることではありません。女性に限らず、男性、ノンバイナリーの人々が経験している弾圧も含めてなくしていこう!というのが、近年海外で理解されているフェミニズムの特徴だと思います。

海外のフェミニズムニュース


では実際に海外で話題になっているフェミニズムに関するニュースは、どのようなものなのでしょう。

最近大きな話題になっているのが、カリフォルニア州やニューヨーク州で新たに公布された法律で、求人情報を記載する際に給料を掲載することを企業に義務化したことです。
この法律が公布された背景にあるのが、性差別・人種差別による賃金の不平等問題です。この法律が公布される前は、企業が応募者の性別や人種によって給料を変えていたというケースが多々あったのです。例えば、白人男性と黒人女性が採用された場合、同じ職務にも関わらず、白人男性に多くの給与をオファーするということが少なからず起きていました。
実際に、アメリカで働く黒人女性の賃金は、白人女性の平均給与の85%にしか満たず、さらにヒスパニック系の女性の場合、白人女性の平均給与の79%に満たないのです。もともと、女性は男性よりも17%賃金が低いのに加え、人種の問題がさらに加わって、有色人種の女性たちは、さらに低い賃金を支払われています。

この人種や性別によって不公平に給与が決められる風潮を変える為、今年10月3日にこの法律が公布されました。この法律が公布されたことにより、カリフォルニア州、ニューヨーク州の大多数の企業が求人情報に給与を記載することが義務化されました。

このニュースはLean InのSNSでも取り上げられ、性差別や人種差別のない社会を実現する大きな架け橋となりました。

まとめ


このように、海外で幅広く理解されている『フェミニズム』の意味は、日本で捉えられているものよりも、もっと幅広い視点が含まれています。性差別だけの問題に着目するのではなく、社会の様々な問題(人種差別・体の不自由な人に対する差別・階級差別等)も含め、権力のあるもの(主に、ここでは体の不自由のない、異性愛者の白人男性を指します)からの弾圧に立ち向かっていこう、というフェミニズムをintersectional feminism といいます。この社会に存在するInjustice – 不正義- は、性別に関することだけでなく、人種の問題、体の不自由さ、社会的階級等様々な不平等さと交わって(intersectして)存在しているからです。

この記事を読んでいるみなさんも、海外のフェミニズムニュースに目を向けると、海外では女性の社会進出云々を超えた、さらに幅広い社会問題を踏まえた『フェミニズム』が存在することに気づくと思います。Lean In Network のSNSをフォローすると、話題の海外ニュースを最新で知ることができるので、ぜひフォローしてみてください(Google翻訳で日本語に訳して、記事を読むことができると思います!)。

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では、また次回:)

安達 麻有

  


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