やっぱり!?パーソナルトレーナー資格は必要か?
大阪〜神戸で活動して23年目に突入!パーソナルトレーナーのたかつです
スポーツトレーナー学院で校長をしたり、パーソナルトレーナーの寺子屋というオンラインサロンを運営しています。
こちらのブログはフィットネスの世界で働く方、働きたい方、NESTA等パーソナルトレーナー資格をお持ちでスキルアップ、キャリアアップを考えている方向けに書いてます
パーソナルトレーナー資格は必要か?
パーソナルトレーナー養成校ではパーソナルトレーナーの認定資格をまずとっていただくための学習からスタートしています。
私自身も24年前(当時は、そのような養成機関はないので独学です)にパーソナルトレーナー資格を取得してキャリアをスタートさせました。形式的には資格の有無に関わらずパーソナルトレーナーになることはできます。必須ではないのですが、パーソナルトレーナーのための基礎知識(NSCA)やパーソナルフィットネストレーナー(NESTA)のテキストはよくできています。それはエクササイズのテクニックだけに限らず、お客様との信頼関係をきづくための心理学なども含み、広範囲にわたりエッセンスを組み込んでくれているからです。
実際にあった残念な話
たまたま、私の知人が申し込んだパーソナルトレーナーと称する人によるダイエット指導プログラム(そもそもトレーナーは運動指導が主たる業務です)で、そのトレーナーが言うところの理想の食事内容でなかっただけで、呆れられたり、怒られたり、特定の食べ物をやたらに勧められたり・・・要するにクライアントが言うことを聞かないと気に入らないのですね。
そんなトレーナーが世の中にそう多くはいないだろうと思いながら、その件の内容をツイートしたところ、多くの反響があり、「私の友人もそれで苦しんでいる」「同じような事例を相談されました」「トレーナーに対して不信感が生まれました」といったコメントを多数いただきました。
私が聞いた話はたまたまではなく、世の中に数例はあるということで少々驚いています。
これは、運動指導における「モチベーション」に関わる問題で、我々パーソナルトレーナーの使命は、単に専門知識を伝えるとか、やり方を教えるということにとどまらず、健康的な活動を習慣にしてもらうためにやる気を引き出すことも含みます。また、クライアントはトレーナーの存在は「自分を良い方向へ導いてくれる人」として受け入れてくださっています。
そんなトレーナーが、「言われた通りにできないから怒ると、とか、一方的な意見を押し付けクライアントの意見に耳を傾けないというのはどう考えてもおかしい。
そんな当たり前のことはパーソナルトレーナーのテキストにもしっかり書いてあります。パーソナルトレーナー資格をその人は持っていないのでしょうか?テキストすら読んだことがないのでしょうか?
パーソナルトレーナーと心理学
運動指導(クライアントワーク)には必ず対象者が存在します。自分一人で勝手に進めていくということはありません。
指導者の指導スタイル❎クライアントの性格的特性
これによって成り立ちます。スパルタ的指導、俺についてこい!というスタイルの指導者と、どんどん追い込んで欲しい、何クソ!っとやる気を出す性格の人は合います。一方、寄り添うスタイルで相手の状況を見て良いところを引き伸ばす指導者と、俗にいう褒めて伸びるタイプは合うということです。
仕事面で考えるなら、指導者側がどちらのスタイルもとれることでどちらのタイプのお客様にも対応できることになります。ある程度臨機応変に指導スタイルを変えることができると良いと思います。しかし、指導スタイルの好みはやはりあるので、本質的にどっちが自分のスタイルかを知っておくことは大切です。
前者のいわゆる厳しい指導スタイルというのは、現代ではあまり受け入れられないかもしれませんし、厳しさと同等の優しさを兼ね備えないといけませんからこれは非常に難しい指導スタイルです。反対に、褒めて伸ばすというのも「とにかく褒めて相手を気持ちよくさせればいいんでしょ」という勘違いが起こり、実際に褒めてばっかりだから信用ならないと言ってトレーナーを変えて欲しいというケースもあるようです。
つまり、指導というのは、知識や技術だけではなく相手との関係性、コミュニケーションを円滑に行う能力が必要でそこに心理学的知識があると助かります。
コミュニケーションとは言葉だけを指すものではありません。
7% 38% 55%
メラビアンの法則というもので、相手に伝わる割合が「7%=内容 38%が話し方、声 55%がボディランゲージ」だというもの。つまり、非言語的なものの方が相手にたくさん伝わっていますよ、ということ。
セミナーを聞いて引き込まれるのって、話の内容もあるんですが、多くは「ジェスチャーやその人の声がいいとか、テンポがいい」といった部分です。私も長年講師をしておりますが、私の話を聞いて、いいとかわかりやすいと言ってくれた方は、私の声のトーンやリズムが好きと言うことです。もちろん同じ人の声を聞いて嫌いと思う人もいます。
内容がどうでもいいと言うことではなく、内容以外の部分で人は判断しているんだよと言うことを知っておきたいところです。
声のテンポや抑揚などは練習すれば改善できるので努力すればいいですし、服装なども相手に与える印象としてすぐに変えることができます。また、指導中の、姿勢や目線などに気を配ることは可能です。
モチベーションを上げることは必要か?
パーソナルトレーナーがパーソナルトレーナーたる役割を担えるのは、知識の部分ではありません。知識ややり方をお伝えするだけならYouTubeを見たら解決する時代です。我々の役割は「人の心に刺激を与え、やる気を引き出す存在」であることです。
これを一般的にモチベーションとか、動機付けと言ったりするわけですが、この動機付けにも2つの種類が存在します。
内発的な動機付け:実施者本人の内面から沸き起こる意欲、興味によるもの。たとえ周りの影響があったとしても、それ自体が本人の興味から起こることが大切です。
これまでの人生経験において培われた価値観や、習慣、考え方により動機付けられるものを「内面化」といい、自分基準で判断し行動することにつながります。
外発的な動機付け:他人からのフィードバックから引き出される。罰や報酬を与えることで得られるものを「誘因」による動機付けといいます。その他、私の人を「信用」していることで動機付けになる場合があります。トレーナーを「信用」しているのでクライアントが取り組むと言うことです。
また、間接的な動機付けの方法として、「環境」を変えるということも考えられます。トレーニングの場所を変えるとか、トレーナーが指導スタイルを変えるなどです。
モチベートのさせ方もクライアント自身が「自己解決」的な人か、「他者依存」的な人かによって変わってきます。一般的には自己解決型の人は「内面化」による動機付けがやりやすく、「他者依存型」の人には「信用」による動機付けが効果的であると考えられます。依存体質の人は一度、相手を信用するとその人にどっぷりハマる傾向にあるが、一度関係性が崩れると反対に険悪になる可能性があります。クライアントとしてはどちらが良いと言うことはなく、どちらのタイプであるかということを判断し接し方を相手に合わせるということで対応していきます。
ただし、あまりにこちらが合わせることばかりでは自分のスタイルと大きくかけ離れることになりトレーナー側が疲弊してしまうと言うことも考えられるので、ここでもバランス感覚が必要になります。
パーソナルトレーナー資格を取るために用意されたテキストは広い範囲で必要なことを網羅してくれています。単に自分の興味のところだけではないところ全てを学ぶという意義は大きく、テキストは見直せば見直すほどその意味が理解できてくるものです。
資格のためにではなく、現場での指導のためにもテキストを読む。その目先の目標としても資格試験に挑むと言うのは必要なことだと思います。
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