見出し画像

ソロ登山でわかること

先日久しぶりのソロ登山をしてきた。
行先は谷川岳。
本当は一人でなんか行きたくない。
友達と登る方が楽しい。
一人は自由で、動きが取れやすくていいと思っていた時期もあったが、ソロ登山の危険をネットなどで読んだり、両親からあまりよく思われていなかったりで、避けていた。それにやっぱり寂しいし、不安だ。

いつも一緒に登ってくれる友人はいる。
でもいつまでも一緒に来てくれるとは限らない。
できたら、おばあちゃんになるまで一緒に登りたい。
でも、友人がいずれ結婚して子供ができたりしたら、多分もうそんなに一緒には行ってくれない。なので、その時の練習をしているのだ。
先回りして、ショックを回避している。

一人で行く登山と、友人と行くそれは、全然違う。
まず、登山口に着くまで心細い。特に今回の登山口である谷川岳ロープウェーの最寄り駅の土合駅は怖いものを感じた。地下にあるその駅は無人でさびれていて暗くなったら一人でいたくないような駅。今回の登山はそこからのスタートでさらに不安を膨らませた。

しかも土合駅からの帰りの電車の本数が少なく、日没の時間しかなかった。
何とかして別ルートでもう少し早く帰りたい。その気持ちが、登山のスピードを速くさせた。
(あとで良く調べると、谷川岳ロープウェーから上毛高原駅行きのバスが出ていた。友人が事前に教えてくれていたのに、バスより電車の方が便利だろうとあまり調べていなかった。)

いつもより駆け足で登っていった。
おかげで、なんと予定の2時間前には下りてくることができた。
ずいぶん早いペースで登り下りできるようになったぞ、と少し誇らしげにロープウェーで下りながら考えていた。

(あれ、そういえば昨日職場の人と谷川岳の話をしていたときに、「トマの耳からオキの耳に行く稜線が結構細い」と言っていたな。でも、そんな細い箇所なかったな。)

そこでようやく自分のボケっぷりに気が付いた。

私、オキの耳、行ってない。

やってしまった。またやらかしてしまった。登山に行くと必ず何かやらかすのだが、今回は本当に自分に呆れてしまった。

谷川岳は、双耳峰でピークが猫の耳のように二つあるのだ。
手前のピークに谷川岳の標識があり、そこで写真を撮って、はい、終わり、谷川岳登頂!と満足してしまったのだ。

あと15分だけ先に歩けば、もう片方のピークに行けたのに。
早く帰らなきゃ、と焦りすぎたのと、自分のペースを更新したかったのもあって、バカなミスを犯してしまった。
さらに、その日は良い天気で稜線の景色が素晴らしく、手前のピークで十分満足してしまった。

ソロで行くと、自分の性格や癖があからさまに浮彫になる。
心配性でせっかち。全然楽しんで登っていない。
この性格を、いつもは一緒に登ってくれる友人が、楽観的でゆっくりな方へとカバーしてくれている。本当に有難い。
次のソロ登山の課題が明確になった。

TJARで今年優勝された土井陵選手が言っていた。
「徹底的な準備は不安を消し自信をもたらす。」
「どれだけ自分のことを知っているか、ということが不安にならない理由。」
「もっとゆったりとした気持ちで山に向かってもいい。」
#14 土井 陵part2〜命のリュックの中身公開 不安と恐怖は●で消す〜 (youtube.com)

事前の準備とリサーチは、し過ぎるくらいしていこう。特に心配性の私にはそれが必要だ。
事前にとことん準備して、当日はゆったりした気持ちで登ろう。
こんなバカみたいな経験もいつか自分の役に立つと信じている。
そんなことを学んだソロ登山だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?