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痴漢被害にあった話

中学二年生の秋

鼻炎の治療目的で、耳鼻科に通っていました。
いつも混んでいる病院で、しばらく待ってから中待合室に呼ばれます。
中待合室には三人掛けの椅子がおいてあるのですが、すでに男の人が一人座っていました。
恰幅がいいというか、とにかく巨体で、三人掛けの椅子が二人掛けになってしまっていました。
私はなるべく男性から離れて座りましたが、座った瞬間、男性がこちらに手を伸ばしてきました。
尻を触ると、驚いて固まっている私の目を見ながらクンクンと匂いを嗅いでいます。
ぎょっとしているところにちょうど看護師さんが通りかかり、即座に私の名前が呼ばれました。

助けてもらったのだと後から気が付く

男性の方が先に中待合にいたということは、本来であれば彼の方が先に呼ばれるはずです。
が、看護師さんは先に私を通し、その後その男性とすれ違うこともありませんでした。
当時はまだ紙のカルテだったため、看護師さんが上下入れ替えてくれたのだと思います。
吸入の最中も、会計で呼ばれるまでの間も、一切男性とは会いませんでした。
そう広くない個人病院の中で、相当気を付けてくれたのだろうと大人になってから気が付きました。

痴漢被害に対する様々な意見について

年上の女性にスマートに助けてもらった実際の経験があるため、「BBAの嫉妬」という言説は腹立たしいと思うと同時に、ばからしいと思っています。
私自身がおばさんになった今、若い女性に対して嫉妬心は一切ありません。
そもそも、勝手に体を触られる大変な嫌悪感を催す行為を「うらやましい」と思う人の方が稀だと思うのですが。
嫉妬だという人たちは、他人に体を触られて嬉しいということなのでしょうか? それとも勝手に触りたい方?
敢えて言うなら若い子に対し、「関節強くていいな」ぐらいは思います。
本当に無理矢理うらやましいところを上げれば、程度の感情ですし、嫉妬というほど強い感情でもありませんし、自分にも若いころがあったのですから、無茶して傷めるなよ、と思うぐらいです。
何をどう思っておばさんが若い女性に嫉妬していると当事者でもない人たちが大声で騒ぐのでしょう。
心から不思議でなりません。

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