【ヤバイ私、性格悪い】女たちよ、自分の深淵をのぞき込め【東京女子図鑑】
【東京女子図鑑】の感想note続きです。
※今回はゴリゴリのネタバレ込です
前回は
・このドラマへの興味と経緯
・1997~2017という時代背景
・広告が描く価値観に物欲どころか人生踊らされてる主人公イラつく★
ってところまで書きました。
何にイラつくって、昔出会ったスーパーイライラガールのこの子(Aちゃん)っぽいんです。
この無自覚マウンティング女とは縁を切ってしまったのですが。
もしAちゃんにお勧めしたら、「この子イライラすんなぁ」と言いながら、自分のことだとは思わないと思いますw 一周回ってポジティブ★
1話めで理解できなければサイコホラーwになります
このお話は、高校生の頃の主人公・綾の気持ちに
「どのぐらい自分事として共感するか」で、このあとの2~3話の見え方と、たぶん10話の見え方が変わると思います。
田舎で生まれ育った主人公の綾が「人から憧れられる人になりたいです」と進路面談で言い放つところから始まるこの話。
私、この女子高生綾ちゃんの気持ち、さっぱり分かりません笑
共感しないまでも、理解できる人はいると思うんです。
私も「人から羨ましがられたい」は分かります。イイネいっぱい欲しい☆
でも、それが上京しないと叶わないというのが分からない。
あんなデッカイ庭付きの実家うらやましい笑
なので、私にとって東京女子図鑑は、全編通してイライラエンタメかつサイコホラーです。
私、生まれ育った土地はマジのど田舎ですが(マジでな)、
青春時代~現在の実家まで大阪のけっこう”エエとこ”なんです。
東京の人には「一緒にすんな」と言われるでしょうが、
梅田まで30分、終電は0:35(当時)まであり、USJも高校生の時にでき、
大学も就職先も実家から通える圏内で選び放題、
だいたいのファッションブランド・コスメブランドは揃ってる。
この環境は、
とにかく自分の地元をドがつく田舎だと思っている人からみたら
十分な”都会”です。(←羨ましいかどうかは人それぞれです。)
というわけで、私、”田舎に生まれた都会志向の女の子の焦り”が分かりません。
もう、この「分からない」と突き放してしまう時点で
「あー…何か、もう私…性格悪いな…」と少しげんなりします。
自分が住んでた地域「エエとこ」って分かってるところも、
エエとこがある=微妙なとこもあるって心の片隅に思ってるところも、
これを書きながら明るみに…自分の内面の見たくないところです。
たぶん、自分より年が若い回はさらっと流せる
それでも、腐臭は書きながら膿を出しているせいなので、
ドラマを見ている分には20代の回(2~4話)は、
30代で見ると「あーうんうん、わかるー」って感じで可愛いです。
職場で三角関係騒動があって「ひいいいい!どっちにも付かねぇ!よそでやれ!つーか男!狭い範囲でやってんじゃねぇ!」も経験しました。
20万のワンピに手を出したことはないものの、
うっかりリボに手を出して「もう二度とやんねぇ!」というのも経験しました(まず手を出すなw)
ロブションの呪文は知りませんでしたが、
何を血迷ったか「私をもてなせ女子」として無自覚に男性を品定めした黒歴史も持ってます。
みな今となっては普段忘れてるぐらい些細で可愛い思い出ですw
自覚的キラキラ女子組の皆さんは「無理!もう2話で無理!エグくて見てられない!」と言ってましたが、
たぶんその深淵は『自称キラキラ女子だから』ではないですw
たぶん年齢です(みんな私よりまだ若い)…これで年齢じゃなかったら綾みたいになっちゃうんだけどね…(怖)
この20代編で私が一番見てて痛かったのは、
主人公の綾がこの時期に捨てた男が一番まとも、と言う点。
「後々胃もたれしそうだなぁ…」と感じながら見て、
そのイヤな予感(期待)にガッツリ応えるのがこのドラマですwww
引っ越しと同時に男まで変える必要ってどこにあった?と「???」の嵐。逆・木綿のハンカチーフ…。
でも、許せるか許せないかでいうと、許せる。他人事だもんw
中盤のサイコホラーへの扉が開くのは、
「こんな幸せは秋田にも転がってる、わざわざ東京に出てきた幸せがこんなのでいいの?」という独白。
いや~、その”わざわざ東京に出てきた意味”、キャリアで充分叶えてるのにね~。キャリアの方では叶わない子だっているべ?
1985年の質問になら即答できる
女は30歳を目前に焦るのだという回が半ばにやってきます。
身に覚えはありまくるし、給料は上げたい。
ただ、綾は世間の目が一切自分に注目していないことを知りません。
自分のコミュニティの中で『人に置いて行かれる』のが嫌なだけ。
そして、その事に恐ろしく無自覚です。
人から羨ましがられたいのに、人と違うのが嫌という自己矛盾に
アラサーになっても気付かない。
だから”結婚しない詐欺”のボンボンや不倫おじさんの鴨になるのだ、
ホラーだ。
ところで皆さん、1985年って日本史的には何があった年でしょうか?
え?私が生まれた年?日本史に載らねぇ!あと惜しい!
《より道》
ここら辺で出てくる職場のボス(渡辺眞紀子)の独白の中に、
こうはならんとこう…と思ってしまう究極のモラハラがあります。
女性の本格的な社会進出初期のセクハラの海をサバイブした大先輩が
「私たちの苦労を分かってない!残業イヤがって婚活だ?!仕事しやがれ」とキレるやつ。
私、全体を通してこの女性が一番好きだし憧れるのですが、憧れるからこそ身にしみます。
この独白だけは「せっかくあなたたちが勝ち取ってきた女性の働き方の自由を、あなたがブラックにしてどうする」と、言いたい。
言える時代になったと思う2020年。
せっかくなら若い女の子を守れる熟女になりたい。
30超えてパパ活は痛い、痛すぎる。
マジに「ゲェ」と鳴き声に出たのが、
主人公の「男」が銀座の呉服屋のボンボンに変わるあたり。
このお話、
綾のキャリアと服装と家賃はどんどんステップアップしていくのに、
男(正確には、男からの扱われ方)のランクがめっちゃ転落していきます。
気付きにくいのは、超絶優良物件(スペック)の男を渡り歩くから。
愛人と言えるかどうかも怪しいポジションについて贅沢を教わっていく綾は「一流を教わってる」と独白します。
強がって自慢してるんじゃないんです、独白だから。
マジでホラーです。私は震えあがりました。
カラダを対価に教わっとるうちはお前が一流扱いされてない。
分かるか?!気付け!!気付いてくれ!!コワいよーコワいー!!
ここら辺は私、許せないとかじゃなくて、
これを幸せそうにしてる綾があまりにも憐れで、可哀想で、泣きそうです。
いえ、白状します。
ぶっちゃけ、「可哀想!あわれ!めっちゃ可哀想!しかも今自分の人生輝いてると思ってる!クソ可哀想な奴キタコレwww」と、
いかにも綾が怒りだしそうなフレーズを選んで、上から目線でイジメたい気持ちに駆られます。(←ぜんぜん許せてないですね?)
泣きそうなのは嘘じゃありません。
こんなにも憐憫の情を催す出来事を『幸せ!キラキラ!ハッピー!』と、心から言ってる様がとにかく恐怖で泣きそうなのです。
これが!キラキラ粉飾か!マジで認知の歪みヤバイな!
価値観が崩壊して泣きそう。ほんとここら辺はサイコホラー。
何せ年齢が近い中盤戦。
一歩間違ったら自分がこうかもしれないリアリティ。
自分の常識の方がおかしいのかもしれない不安がフッと頬をかすめます。
マジでサイコホラー(大事な事なので3回言いました)
親友だったら『目をさませ!』と飲みに連れ出したいところですが、
中途半端に友達だったら言わないかも…スッと距離置くかも。
マジでAちゃんの時「えっ私いま憐れまれてる?」とか言われて高速で心の距離が離れたもんな。何が逆鱗になるか分からんし、要らん風評被害は避けるに限る。
精神ステータス異常でチビりそうになる
認知の歪みに私が恐怖してるところに、綾の独白はまだ追い討ちをかけてきます。
「あしながオジサンみたいな男性を得た女の成長スピードは早い。」
ひいいいいいぃぃぃぃぃ!!!
ぁぁああああしあしああしながおじさん!!やべええeeeee!
ジュディのあしながおじさんは確かに最後結婚したけど、出資中に手を出してたら日本では御用や!(原作の話=学費を出資してたからね)
御用にもならない完全自己責任の31歳でのパパ活つーか売春を、
「私のあしながオジサン♪」という綾に、わたし価値観崩壊。G出現した並みに涙目半狂乱。
さらに綾のターン。更に畳みかけてきます。「階段を駆け上がるどころか、エスカレーターでグングン上に行けるんです♪」音符マークついてるぅ!
えええっ…それ「大人の下る方の階段」って表現したことあるんだけど私…(←しかも私のはドンピシャに2017年の事故です)。
もうこの辺で息も絶え絶えです。さすがに1回「停止」ボタンを押しました。やだコワい まじコワい!コワい本当に泣きそう!
まだこの独白で
「なーんだ、結局カラダ目当てかぁ。でも一流のお店とか色々教えてくれるし我慢我慢!これも大人のオンナでしょ」
とか言ってくれる方が、数億倍マシだしギリ理解できます。
妻のいる男に裸の背中触らせながら、グングン上に行けるんです(ドヤァ)とか、
もうカワイソすぎて泣き出しそう。精神ステータス異常でおしっこ漏れそう…。
私の深淵がその口を開く。あまりの恐怖に、お育ちマウンティングでバスター。
綾ちゃん、ごめん、それ私、親に教わってきたから羨ましないねん。ほぼ10代で習得済みやねん。
歌舞伎座やなくて南座やし(えっと、南座わかる?)、
銀座や丸の内じゃなくて祇園とか梅田やし、武道館やなくてシンフォニーホールやけどな、全部が”一流”とは言えんけどな、親に教わってきてん。
マジで、強がりとか嫉妬とかじゃなくて…。ビタいち羨ましないねん…。
マジで。本当に、私、子供を産んだら、年1×15カ所で良いから、要マナーの超高級店や、歌舞伎やらオペラやら美術館やら連れていこう、と本格的に決意しました。産めたら。カラダを対価にするオジサマやマダムに釣られそうになったら、それ私・僕、母に教わってきてますんでって言える子にする。言うかどうかは本人の自由だが、言える選択肢は与える。
なんだろう、
この辺は一番私のリトマス試験紙が反応してるんだけど、
私も男に一流を教わる体験したいのでしょうか。
何に引っかかってこんな、見下し根性が発動してるんだろう…。
綾のアホさにびっくりすると同時に、
自分の性格の悪さにもビックリしてしまう、まさに深淵の章です。
安心して下さい、後で私が打ちのめされるところも披露します
既に綾よりも私の性格の悪さがイライラエンタメ化してきてると思うのですが(スミマセン)、後で、私も綾と一緒に打ちのめされる回が出てきます。
お時間のある時に、そこまでお付き合いいただいて、スッキリして頂けたら幸いです笑
さて、男に一流を教わるのが羨ましいんだとしても、
やはり対価として体を差し出すなんて…絶対に自分には許せない…。
これは港区の勝ち組女子(勝ち組?)の価値観で見ると、モテない女のやっかみなのでしょうか…。そこにひっかかってんのかな私。
敢えて同じ土俵に乗らせていただくとしたら、
『親から一流を教えてもらえなかったサバイバル勢のやっかみですよね?』
と、言い返す。
で、やっぱり現実なら、言い返さないw
絶対にそのマウンティングの土俵で相手にしない。です。
だって親持ち出すと、自分の実力じゃないから卑怯じゃん?下品じゃん?
今ここで晒している性格の悪さがバリバリ露呈するじゃん?(嫌だ)
相手がマウンティング仕掛けてきたら「いつでも捻り潰せる」と心の中で思いながら、すました顔する余裕がある、というだけでじゅうぶんです。
(西の両親に向かって礼拝。)
それこそあるあるな事件をきかっけに急な方向転換
で、
全ワタシ(いや、他にもいるはず)を震えあがらせたこの独白の後、
自分のインタビュー記事が載った雑誌を自慢しに意気揚々と女子会に出かけた綾は、
「自分以外全員ママ」という立場にショックを受け、ようやく目をさまします。(31歳だとこの場面はまれに経験しますわな)
そもそも、まともに友達なら、久々の女子会でショックを受ける前に報告聞いてるだろうに…女友達なくしてくタイプ過ぎてやっぱりAちゃん。
5話で「30を目前に女たちは人生のハンドルを切る」と言ってキャリアアップ転職に成功したのに、7話で結婚に向かって速攻ハンドルを切り直します。
よくその人生酔わねぇな!
待て、本当に落ち着け!
グッチのPR職で年収800万で銀座住んで雑誌でインタビュー掲載されたら、もうその人生、誇ってよくない?
「ワタシ一流学んでる」気取りはいったいどこへ?!
キャリアアップにも成功したし、じゃあ次は結婚かな♥という、
計画的な欲望は良いですよね、強欲であるべき★と思います。
ところが、みんなが子供産んでるから結婚しなきゃ!とハンドルを切るから事故を起こす。
そして、例のあしながオジサンを上から目線でフろうとしたら、
何の未練もお怒りもなくあっさり捨てられて大混乱。
そりゃそーだ…。後の章にも続く推測ですが、
綾は、大都会・東京の大金持ちが、どれほど想像以上の大金持ちで、どこから金が沸いて出ているのか、もしかして分かってないんじゃないでしょうか。
「私のために時間もお金もいろいろ工面してくれていた、と思ってロマンチック麻酔に浸っていた」っぽい別れの準備にも見えるのですが、
「あっそう、じゃあ次いくわ」と軽やかにフラれる様は見事。見ている方はスッキリ爽快です。
マジで落ち着け、
男も子供もあなたの人生のアクセサリーではない!
スミマセン、ますます長くなっておりまして、
30代半ば~40代編で最後にさせて頂こうと思います。
長いな、長いな!まじで自分の深淵を覗きこむ名作です。
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