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アサシンクリードミラージュをクリアしたからちょっと書かせてくれ

 10月5日に発売されたUBIソフト『アサシンクリード』シリーズの新作『アサシンクリードミラージュ』をクリアした。寄り道しながらのストーリークリアで約20時間。最終的にトロフィーコンプリートまでやって約30時間。熱が冷めない内に感想を残したい。

最後のトロフィーは『群集の刃』、仕様がわからず苦戦した…。

 アサシンクリード、通称アサクリの第1作目は2007年にPS3から始まった。俺にとっての初アサクリは『2』で、その時タイトル的には『4 ブラックフラッグ』まで出ていたと思う。そこから『2』→『3』→『1』→『4』→『ユニティ』→『ローグ』→『シンジケート』→『オデッセイ』→『ヴァルハラ』→『オリジンズ』、そして最新作『ミラージュ』の順でプレイしている。すべてのアサクリやDLCをプレイしたわけではないけど、それなりにはやっていると思う。

 アサクリシリーズの試行錯誤を体験してきたからこそ、色々と思う所がある。まずは最新作『ミラージュ』の良い点悪い点を独断と偏見で書いていく。ただし過去作をプレイしてから大分時間が経ちうろ覚えな部分もあるから、間違えていたらごめんなさい。


良い点

①適度なボリューム

 まず1つ目はクリア(トロコン)までのボリュームが最近のアサクリシリーズの中で最も少ない事。とにかく今までのアサクリはボリュームがあり過ぎた。クリアまでに時間が掛かり過ぎた。特に『オリジンズ』『オデッセイ』『ヴァルハラ』はとんでもないボリューム。もちろんそれはそれで長い時間楽しめる事に繋がるけど、その分拘束される事にもなる。今は面白そうなゲームが次々と発売されるのでそれだけに拘束されると、積みゲーが増えていく悲しい現象が起こる。
 『ミラージュ』は面白さが凝縮されている。基本的なストーリーは暗殺に徹底していてテンポが良い。それに前作と比べて控えめなマップだけど都市部分には密度がある。故にビューポイントからの景色も壮大。建物から建物へのフリーランはアサクリの醍醐味でそれは今作でも変わらず。多少操作感が不自由な所があってもそんなマイナス点はすぐにプラスに変わる。サイドクエストもシンプルで良い。報酬がしっかり自己強化へと繋がるので自然とやりたい気持ちになる。

さすがのグラフィック、アサクリシリーズの醍醐味。

②新システム・暗殺の極意

 2つ目に『暗殺の極意』という新システム。これを使うと一瞬にして最大5人を暗殺出来るという狂った戦闘スキル。今までにも同時に複数暗殺が可能なスキルはあったけど『暗殺の極意』はワケが違う。スキルを発動する前にまずは標的を決定、そして発動すると一瞬で標的の元に移動(ワープ)する。それを利用して一気に高い所へ移動したり、ジャンプでは移動できない高所間の移動を可能にする。これによって暗殺のテンポがめちゃくちゃ良くなるし使っていて気持ちが良い。正面突破の無双プレイはなかなか難しいけど、『ミラージュ』は影から無双できる。ただ『暗殺の極意』を発動するにはそもそも通常の暗殺をしてゲージと溜める必要がある。暗殺→『暗殺の極意』のサイクルはステルス重視の『ミラージュ』らしいと思う。

標的を選ぶと暗殺イメージ的な幻影が現れる。

③豊富な道具 

 3つ目に豊富な道具。この辺は『オリジンズ』以前の感じがあって良い。『オリジンズ』以降は道具が撤廃されたかわりに、防具や武器、スキルが充実されその点で戦闘の幅を広くさせていた。『ミラージュ』に登場する道具には強化システムもあり、些細な部分ではあるが自分好みの道具をカスタマイズできる。隠密全振りの強化、殺意全振りの強化とその日の気分に合わせられる。道具の強化にはマップ探索やサイドクエストのクリア報酬で手に入る素材が必要なので、俺はこれを理由に寄り道が多くなった。道具の強化は快適で幅広いプレイに直結する。

道具はどれも使い所が多くある。

悪い点

①メインストーリーラストの不親切さ

 まず一つ目は兎にも角にもストーリーの不親切さ。と言うかほぼこれに尽きる。『ミラージュ』は前作『ヴァルハラ』に登場するキャラクター『バシム』が主人公。俺は『ヴァルハラ』をクリアしているので『バシム』が一体何者であるかは知っているけど、『ヴァルハラ』をクリアしていない人やアサクリシリーズが初めてな人には本当に腑に落ちないラストだと思う。
 けど、このストーリーの分り辛さは今に始まった事ではない。アサクリシリーズは長く続き、何本もゲームが出ている。15年間の続き物と捉えて良い。だからストーリーのためにそれを今から追うのはあまりにも苦行過ぎるし、仮にネットでネタバレや考察を漁ったとしても結構な量になる。そもそもこんな古参ぶってる俺も、ストーリーや設定で分からない事はかなり多い。
 せめて前作『ヴァルハラ』のバシムに関する部分は『ミラージュ』のメインストーリーに組み込んでも良かったのでは、と思う。
 バシムは確かに『ヴァルハラ』に登場する人物だけど、彼を知るためだけに『ヴァルハラ』をプレイするのもなかなかにきつい。第一、クリアまでに時間が掛かるし、そもそも『ミラージュ』の原点回帰ステルスアクションが好きだった場合正面からオラオラやり合う『ヴァルハラ』が合うか合わないか問題もある。もちろんステルスプレイも出来るけどそれはヴァルハラの醍醐味ではない。
 ただ個人的に『ヴァルハラ』はかなり面白い。『ヴァルハラ』未プレイで『ミラージュ』をクリアしてバシムの物語が気になったら是非プレイしてみて欲しい。主人公はエイヴォルだけど…。

②超古代文明要素は薄く、現代パートは無い(※ややネタバレ)

 アサクリにプレイヤーは何を求めるのか。そこは様々だとは思うが、今作ではアサクリの設定として非常に重要な『かつて来たりし者』に関わる部分があまりなかったのが個人的には残念だった。アサクリと言えば『秘宝』。その『秘宝』をアサシン教団とテンプル騎士団が奪い合う話だった。『秘宝』や『かつて来たりし者』についての解説は省く。多分俺には正確な解説は出来ないと思うから。
 とにかくそのお決まりの流れがあるようでなかった。一応プロローグ部分ではバシムが『秘宝』…とまでは行かないとある『道具』と接触しそこから物語が始まる。そしてこの『道具』が一体何なのかは終盤まではわからない。『ヴァルハラ』をクリアしてから『ミラージュ』をクリアすれば『道具』の正体が明らかになった後「そう繋がるのか!」と納得は行くが正直物足りなさはあった。
 それから『かつて来たりし者』の時代の超古代文明的遺跡。マップ上に1つ、終盤にストーリーイベント用に1つ。けど何となく取ってつけたような印象が残る。特にマップ上の遺跡は狭いし遺跡内は探索要素も無い。一応こちらは装備が手に入るけど、特にムービーが流れるわけでもなく呆気なく終わる。ストーリー上で入れる遺跡は結構広いけどあくまでイベント用。奥には驚くべき物があるけど、それについては大して触れられない。
 『4』ではジャングルの奥地で遺跡が見つかり、攻撃を避けながら進んで行くのが楽しかった。『オデッセイ』では武器の強化が出来る遺跡、絶景が見える遺跡があったし入る瞬間や内部を見渡すワクワク感は大きかった。『ヴァルハラ』では伝説の武器が拾えたし、やはり探索しながら進むのが楽しかった。『ミラージュ』でももう少しその感覚を味わいたかった、というのが本音。とは言え遺跡内部に入った時の「これだよこれ!」感は確かにあった。
 また現代パートが無く、『ヴァルハラ』の現代パートのラストからどう続くのかと期待していたがこの点肩透かしだった。あくまでこの時代のバシムの話という感じ。

超古代文明の遺跡、想像が膨らむ。
ヴァルハラにて封印されているエクスカリバー
オデッセイにて主人公が持つレオニダスの槍を強化する超古代文明の鍛冶場

メインストーリーの真相を知るには…

 やはり前作『ヴァルハラ』をプレイするしかない。今作『ミラージュ』は『ヴァルハラ』とセットでプレイすべきだと思った。でないとストーリーの補完が出来ない。もともと『ミラージュ』は『ヴァルハラ』のDLCとして開発されていたという話もあるみたいだ。だから『ミラージュ』ではバシムに関わる事以外の要素を極力排除したのかもしれない。
 ただやっぱり『ミラージュ』は単体の作品である以上、プレイヤーにストーリー部分の面白さ、というより親切さはもう少しあるべきだ。引きと言えば引きだけど、気になるなら『ヴァルハラ』をやってね、というのは少し酷。でもやって欲しい、ぜひ!

ゲーム本編ではダークな部分が多くある、そこが良いヴァルハラ。

最後に

 アサクリシリーズは『オリジンズ』を境に大きく変わった。この変化については未だに賛否両論なところではある。俺はむしろ『オリジンズ』からのアサクリが大好きで、特に『ヴァルハラ』は本当に良く出来てると思ってる。とは言え『オリジンズ』からの新アサクリが3作も続けばマンネリ化もしてくる。それに今作『ミラージュ』の様なステルスアクションゲームこそアサクリというファンもいる。だからこその原点回帰でもあるんだと思う。

投げナイフを構えるバシム、真似したくなる。

 アサクリシリーズは本数は多いけどやっている事は大体いつも同じなので飽きが来る。そのマンネリ化をどうやって解消しようかと試行錯誤を繰り返してきたのは良くわかる。
 グラフィックの進化、操作感の向上、舞台選び、新システム・コンテンツの導入…そして『オリジンズ』『オデッセイ』『ヴァルハラ』、からの原点回帰の『ミラージュ』。今作『ミラージュ』は少しの新しさと「あぁ~昔こんな感じだったなぁ~」という懐かしさが感じられるゲームだった。いや、むしろグラフィックの向上によって新鮮さも感じられた…かもしれない。
 ステルス重視の戦いは一種のパズル感覚で楽しめたしオープンワールドならではのマップ探索も楽しめた。やはり宝箱を開けたり、フリーランで街を駆け回ったり、ビューポイントに上るのは楽しい。トロコンも出来て満足感はある。

アサクリの代表的なムーブ、エアアサシン。

 結局のところ、プレイヤーがアサクリに何を求めるかで評価は大きく変わると思う。ステルス要素なのか、歴史要素なのか、マップ探索の面白さなのか、SFやオカルト部分へのロマンなのか…。俺の場合は悪い点でも書いたように今作ではストーリーにも期待をしていた分、少しがっかり感があった。けどそのほかの部分で結構満足してるので結果プラス評価。と言うのが素直な感想。

最後の一撃には特殊モーションがある、敵を倒した時の爽快感に繋がる。

 既にUBIソフトからは次なるアサクリの情報は出ているけどどんなゲーム体験になるかは全然わからない。出来れば『暗殺の極意』は次回作にも残してほしい。そしてもう少しストーリーに親切さが欲しい。さらに言えば、これから『ミラージュ』の様な原点回帰で作っていくなら、ぜひダブルアサシン、キルストリーク、人間の盾、ダートロープとプレデターアクション等を復活させてほしい。お願いします。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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