2023年 優駿牝馬 (オークス) 注目血統

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血統記事担当のKIDです。
オークスの注目血統について触れたいと思います。
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Bコース最終週の東京芝

優駿牝馬はBコースの最終週に行われます。Aコースと比較して3メートル外に柵が移動しています。Bコースの最終直線における仮柵は内に向かって斜めに位置しているので、想像よりも内側は荒れているという現象がよく起こります。そのため、血統的には最低限のスピードを備えたうえで欧州要素の必要性が高くなります。

ちなみに、ダービーはCコースで行われるためガラッとレースの質が変わりアメリカ要素の必要性が高くなるのですが、この話はまたダービーで。

3歳牝馬にはタフすぎる2400mという舞台設定

Bコース最終週という点から血統的には欧州要素が必要だと話しましたが、スタミナという観点からも欧州要素が欲しいところです。牝馬限定レースで2400mと最も距離が長いのがオークス。しかも3歳のこの時期に行われるわけですから、厳しい条件設定です。スピードだけでは押し切れません。

注目血統 Never Bend系

注目血統としてNever Bendを取り上げます。Never Bendは大種牡馬Nasrullahのラストクロップで、現役時代はケンタッキーダービー2着やプリークネスステークス3着という活躍。種牡馬としては欧州で大成功し、欧州三冠馬のMill Reefを筆頭に他にもRivermanやブレイヴェストローマンなど。

日本でも芝ダートを問わずに活躍をしていたNever Bend系ですが、例によってサンデーサイレンスによって蹂躙されてしまったイメージです。やはり血統が重すぎたんですね。現代でも母方では多く見られますが、直系の種牡馬はもういなかったはずです。産駒ももういないのかな…?

Never Bend系の特徴としてはパワーとスタミナの塊ですね。そこから多岐に系統が発展したので一概には言えませんが、道悪はどんと来いという血統です。

Mill ReefやRivermanは母父にそれぞれPrincequillo, その産駒Prince Johnと古いアメリカ血統との組み合わせですが、欧州で活躍できる程度の瞬発力は兼ね備えているイメージです。それでも渋めの欧州的持続力が強みですね。

Never Bend系の中で特にMill Reefを持つ馬がオークスでの相性が良く、多くの活躍馬が出ています。Bコース最終週特有の馬場状態に起因するもので、パワーに優れ、荒れ馬場に強く、スタミナのある血統を持っていることが重要なのだと考えています。

オークスにおけるMill Reef, Never Bend持ち馬の好走歴
2023年 3人気1着 スターズオンアース (3代母父Dashing Blade)
2023年 10人気2着 スタニングローズ (3代母父Shirley Heights)
2022年 3人気1着 ユーバーレーベン (4代母父Mill Reef)
2022年 16人気3着 ハギノピリナ (2代母父ヘクタープロテクター)

リバティアイランドの取捨選択

父  ドゥラメンテ (キングマンボ系)
母父 All American (ロベルト系)

結論から言うと、リバティアイランドは高確率で勝つと考えています。父ドゥラメンテは母方を引き出す種牡馬なので、母方に注目します。

母のヤンキーローズはオーストラリアで活躍した牝馬。父のAll AmericanはRoberto系なので欧州要素を持ちます。直近ではデアリングタクト、ウインマリリンなど。さらに、All Americanの母父Strawberry Roadはニジンスキー系なのでしっかりとパワーとスタミナが補完されています。そこにGone West系のXaarからスピードを、El Gran Senor由来のSex Appealのクロスで2歳から筋肉ゴリゴリにやれるほどの早熟さを手にしています。

JFから桜花賞でもパフォーマンスは落とさなかったですし、むしろオークスで距離が伸びてよいとも思える内容。中内田厩舎×川田騎手だからとか薄い理由で嫌うことはないと思います。

血統注目馬1 ⑯ドゥアイズ

父  ルーラーシップ (キングマンボ系)
母父 ディープインパクト (ディープインパクト系)

血統注目馬として⑯ドゥアイズをピックアップ。3代母父にShirley Heightsを持っています。ルーラーシップ×ディープインパクトの組み合わせはニックスと呼んでもいいくらい相性が良いです。ただその反面、重賞で勝ち切れるほどの爆発力には乏しく相対的に能力の発揮できる特殊条件(キセキの不良馬場とか)でないと勝てないイメージです。

桜花賞も差し届かずの6着でオークスにつながる内容だったと思いますし、血統からもスタミナ的な不安はありません。若干スピードが足りないと感じますが、リバティアイランドに隠れて人気していないですし、買いやすい馬の1頭です。ただ圧倒的2, 3着候補。リバティアイランドに対しては厳しい。

血統注目馬2 ⑥ゴールデンハインド

父  ゴールドシップ (Tサンデー系)
母父 Shamardal (ストームキャット系)

リバティアイランドに勝つなら…という中でゴールデンハインドをピックアップ。

フローラSで本命にした馬ですが見解は大きく変わりません。スタミナ豊富な父ゴールドシップに対して、母方にスピード要素を盛り込んでいるタイプの馬。一見するとアメリカ要素が強めの血統構成ですが、母父Shamardalが大事なポイントです。

Shamardalは欧州で活躍しているStorm Cat系。
Shamardalの父Giant's Causewayは母方にBlushing GroomやRobertoを持ちます。現役時代は芝ダート問わず活躍し、産駒も同様の傾向が表れています。

ShamardalはそこにMachiavellian, Troy, Rivermanと欧州要素の瞬発力やスタミナが詰め込まれています。現役時代にはフランスのクラシック2冠馬として活躍。産駒もまた多種多様で、日本ではライトオンキューが代表産駒ですが、トルカータータッソが勝った不良馬場の凱旋門賞で2着したタルナワなど適性範囲が広い種牡馬です。

そのため、ゴールデンハインドもアメリカ要素一辺倒という訳ではなく思いの外バランスが取れている血統構成だと考えています。リバティアイランドに勝つには前目で競馬をしたいですし、逆転するならこの馬かなと。


仮予想
◎ リバティアイランド (勝ち馬筆頭)
▲ ドゥアイズ (2, 3着候補)
☆ ゴールデンハインド (◎を逆転するなら)

※最終見解はTwitterでレース前に公開します。当日の馬場状態を考慮して印を決めますので、ご了承ください。ぜひTwitterのフォローもよろしくお願いします。

文責 KID


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