セントウルステークスコース論
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セントウルステークス(阪神・芝・1200m)
コースデータ
・右回り/内回り
・スタートから3コーナーまで 243m
・最終直線 356.5m
・高低差 1.9m
・最終直線坂 1.8m
特徴
・スタート地点は向こう正面の途中で、外回り1600mと同じ場所
・スタート直後から3,4コーナーにかけて少しずつ下っていく
・3コーナーの残り800m付近から下り傾斜が大きくなり、最終直線の残り200m地点まで下り
・残り200mを通り過ぎるとほぼ同時に二回目の坂、上り終えた後100m弱平坦でゴール
このコースを使用するOP以上の競争
G2
セントウルS(3上)
リステッド
マーガレットS(3歳)
オープン
タンザナイトS(3上・ハンデ)
コース考察
○外がやや不利
統計上は外枠がやや不利。勝率自体は決して低くないのだが、多頭数の外枠から勝ちきるにはそれ相応の地力の高さが必要で、今回のデータの範囲では8枠の勝ち馬は全て4番人気以上の支持を集めていた。
阪神内回りコースがどの距離であっても外枠不利な傾向にあり、それを踏襲しているだけとも言える。特に1200mの場合、出走してくる馬に距離の融通が利かない場合が多いこと(即ち小さなロスが結果を大きく左右しやすい)や、スタートしてからコーナリングするまでが早く外枠の馬が内に入れるタイミングがないことから、外枠が戦いづらいという傾向が出ていると思われる。
それ以外の枠は、偏りが出ているが概ねフラットと言ってしまってよさそう。
コース区分別成績は以下。それぞれの解説はしないので参考までに。
Aコース
Aコース1着の8枠は典型的な偏りで、無視した方が無難。
Bコース
○阪神にしては逃げが残る
勝ち馬の母数だけで言えば差しが優勢。
ただし上記のグラフを見ていただければわかる通り、馬券内に入り込みやすいのは前目にいた馬で、特に逃げ馬の成績が際立っている。
阪神内回りコースそのものが追い込み競馬をするには最終直線の距離の都合で物理的に厳しく、少なくとも下級条件でそれを実行に移すのは困難。フルゲート時に追い込みで勝利を収めている4頭は全て上がり最速33秒台を使ったオープン馬であり、それ相応の能力や展開が求められる。
大まかには、ある程度以上の位置を取れる馬に絞るのが無難だろう。
阪神内回りはどの距離でもそれが求められやすい。
コース区分別成績は以下。
Aコース
Bコース
過去のセントウルステークスラップ推移
直近3年は代替開催のため省略。
秋競馬初週の開催であること、或いはスプリンターズSに向けてのステップレースとして非常に重要な立ち位置であることから、一線級の馬がこのレースに集まる。
勝ち馬だけでも16年ビッグアーサー・18年ファインニードル・21年レシステンシア(代替開催)が既にG1を勝っており、13年ハクサンムーン・19年タワーオブロンドン・20年ダノンスマッシュ(代替開催)も出走時点でG1レース3着内の経験あり。
そういった事情から非常に厳しく締まったレース質になりやすく、また最終1Fまで上りがないコースも重なることで、10秒台連発という速い展開になる。
こうなるとついていくので一杯になってしまう馬も出てきてしまうわけで、能力による足切りが行えるのがこのレースの特徴といえるだろう。
まとめ
コース的は阪神内回りの例に漏れず、前が有利・外が不利な傾向があるので、気に留めておきたいのはそのあたり。比較的中団差しでも勝負になるが、物理的な距離の問題で後方一気は相変わらず成立しにくい。また外枠は開催序盤でも能力が求められ、開催が進むにつれて取り返しがつかないようになっていく。
セントウルSという重賞は、とりわけ能力比較を求められるレースと言っていいだろう。
とはいえコースの理念に逆らって勝てるようなレースではないので、阪神芝1200mという舞台に適した強さかという部分は検討しなければならない。
文責:もじゃ
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