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【国際ニュースを分かりやすく解説!】新エネで世界を牽引する中国
中国は実は再生可能エネルギー先進国
中国は、新エネルギー車と再生可能エネルギー源の発展に重点を置いています。これには、新エネルギー自動車の普及促進や、太陽光や風力などの再生可能エネルギー源の活用拡大が含まれます。中国政府は、環境持続可能性とエネルギー安全保障の向上を目指し、これらの分野での技術革新と市場拡大を支援しています。新エネルギー政策の推進は、中国の産業構造の変革と環境問題対策の両方に貢献すると期待されています。
1. エネルギー先進国としての中国
中国は、新エネルギーと再生可能エネルギーの分野で世界をリードする国の一つになりつつあります。中国政府は、2030年までのカーボンピークアウト(二酸化炭素排出量が最大となる時点)と、2060年までの実質的なカーボンニュートラル(二酸化炭素の純排出量をゼロにする状態)を実現することを目指しています。これを達成するために、中国政府はエネルギー消費やCO2排出量、森林カバー率などの目標を設定し、具体的な取り組みや目標を策定しています。
2. 政府が掲げる目標と取り組み
2024年の目標は、風力と太陽光発電設備の総容量を約2億kWまで拡大し、再生可能エネルギー発電の規模を石炭火力を超えるレベルに引き上げることです。これは、中国が世界最大のエネルギー消費国として、環境汚染や気候変動に対する国際的な責任を果たすための重要なステップです。中国国家能源局によると、2024年は特に風力と太陽光発電設備の新規設置において、合計約2億キロワットの容量増強を目指しています。これは、再生可能エネルギーへの移行を加速させる中国の大規模な取り組みの一環です。
また、中国政府は、新エネルギー自動車(NEV)の普及を促進するために、2027年末までの車両取得税減免を発表しました。この政策は、国内の自動車産業の変革を加速させ、グリーンエネルギー転換を推進することを目的としています。また、「第14次5カ年計画」では、エネルギーの安全確保、グリーン・低炭素排出、イノベーションに基づくスマート化・高効率化などの目標が設定されています。これらの施策は、中国のエネルギー構造を脱炭素化し、グローバルなエネルギー市場における中国の競争力を強化すると同時に、国内の環境質を改善することを目指しています。
さらに、中国は太陽光発電製造の大国としてもその地位を確立しており、国内外の太陽光パネルの出荷量は2021年の第1四半期には累計100ギガワットでしたが、11月には2倍の200ギガワットに達しました。中国政府は国内需要の拡大を重点に置き、生産量を増やすことで費用の削減につなげ、太陽光発電設備の価格低下を実現しています。また、中国政府は企業の研究開発を後押ししており、太陽光パネルで発電された電力を変換するインバーターや蓄電池を製造する中国の会社は、中国政府の政策が研究開発を後押ししていると指摘しています。
中国の課題と日本との比較
1. 気候変動かエネルギー安全保障か
中国では、再生可能エネルギー部門が急速に成長していますが、同時に石炭火力発電能力の拡大が気候変動目標の達成に障害となっている状況が確認されています。ロイターの報告によると、中国は環境問題よりもエネルギー安全保障を重視しており、2023年前半には50ギガワットを超える規模の石炭火力発電所の新設を承認しました。このことは、化石燃料消費の削減よりもエネルギー安全保障を重視していることを示唆しています。
また、環境保護団体グリーンピースの調査では、中国で承認された石炭火力発電所が増加しており、エネルギーに関する懸念が高まっていることが指摘されています。これらの情報は、中国が気候変動対策としての再生可能エネルギーの拡大と、エネルギー安全保障のための石炭火力発電所の拡大という、相反する二つの方向性を同時に進めている状況を示しています。
2. 日本のエネルギー政策との比較
日本も再生可能エネルギーの導入を進めていますが、中国の規模やスピードは圧倒的です。日本は自然エネルギー資源に恵まれていないため、太陽光や風力の潜在能力が中国より限られています。中国は地理的にも広大で、再生可能エネルギー資源の豊かな地域が多く、政府の積極的な投資と政策支援により、再生可能エネルギーの普及が加速しています。
日本のエネルギー政策において、2024年はエネルギー基本計画の見直しに向けた議論が活発化する年となっています。現行の第6次計画では、原子力の依存度を可能な限り低減し、再生可能エネルギーの最大限導入を目指しています。政府はグリーントランスフォーメーション(GX)を推進しており、原子力利用の位置付けや電源構成の割合が注目されています。