『静かな雨の夜に』
いつまでもこうして坐って居たい
新しい驚きと悲しみが静かに沈んでゆくのを聞きながら
神を信じないで神のにおいに甘えながら
はるかな国の街路樹の葉を拾ったりしながら
過去と未来の幻燈を浴びながら
青い海の上の柔かなソファを信じながら
そして なによりも
限りなく自分を愛しながら
いつまでもこうしてひっそり坐って居たい
『 静かな雨の夜に』 谷川俊太郎
雨の降る日に
静かに
てのひらに
並べたい
愛おしい
言葉たち。
雨の降る日は
雨音に
癒され
美しい
日本語に
いつまでも
抱(いだ)かれていたい。
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