病気(脳腫瘍)になって傷ついたー医師からの言葉編ー
他の話に脳腫瘍(髄膜種)がわかるまでの経緯を書いています。
今回は、医師巡りをした時にかけられた言葉の数々。治療に感謝していますが、皆様も傷つかないように、嫌だと思ったら諦めずに主治医を探してください。
最初の医師
最初にかかった病院は、女性医師。最初の外来で診てもらったからですが、嫌なことは言わず、穏やかでその先生が主治医になりました。ただあまり説明はなく、術前の説明も簡単なもの。ただ術後が「1ケ月程度で復帰」と言われていても、頭が起こせない、頭痛がひどい、這いずって生活していましたが「何もない人がほとんどなんだけけどね」と特に説明はなく。
わからないことは言わない先生なんだな、と。(医師はそうかもしれない)
その1年後に再発。担当医の先生は、育休中。代理の男性医師は、最初の挨拶は腰が低かったのですが(それもまた気になる・笑)、私の再発画像を見た途端に、イライラ。呆然とした私が「どうしてですか、これから大きくなりますか?」と質問した私に「そんなことわかりませんよ!!まあ様子見でいいんじゃないですか!!」と。わからなかったのでしょうね…。現場で働いていた私も経験あります、わからない質問をされると患者に苛立つ医師。
その次に、もう一度話を聞きに予約外でいったら、またイライラ。トイレに行っていた母を診察室にいれたら、「あ、お母様ですか、よろしくお願いします」とぺこぺこ。
これは私が働く産科でもよくあります。旦那さんがいると腰が低くなるタイプ。妊婦さんだけだと居丈高の医師。その典型だな。。。余計なアドバイスですが、健診・出産はなるべく夫婦同伴のほうがよいです。
メディアで有名な神の手からの言葉
訳が分からなくて、メディアによく出る神の手の先生にメール相談。
その次の日、アメリカにいる秘書の方から電話。
私の場合、傍矢状洞静脈という大事な血管に食い込んでいたので、その周辺はとらず、残りはガンマナイフという放射線をかけました。
「ガンマナイフをかけたなんてとんでもない、俺が帰国後全部とってやる」とのこと。家族も、同僚も「神の手に手術!」とみんな喜んでくれました。
ところが、その先生が帰国後に手術を予定している病院を受診し、弟子の医師の外来を受けたら「彼がなんで君を呼んだのかわからない。スケジュールもしらないし。秘書が把握してるから、そのうち連絡行くから」とのことで、外来半年待ち。
そして半年待って、神の手に画像をみてもらったところ、怒られました。
「お前のは悪性だ! 全部取るべきだった。もうどうしようもない。なんで俺のところに最初にこなかった。俺は診ない」
「どうすれば…いいんですか」
私も家族も呆然。それに対して無言。(もしかしたら考えていた?)一切顔も向けず、質問にも答えてくれず…。
「とりあえず、紹介状を準備して」と前を向いたまま不機嫌。
顔を向けないので「私が準備するのですか」と聞いたら、秘書の方は「いいえ、私が準備します」と確かに言われました。
……呆然と帰宅しました。
こんなに何も話してくれない医師はさすがにはじめて。会話ができない。
その時の父の顔が忘れられません。呆然として泣きそうな顔。
私は「まあ今生きてるからいいじゃん」と明るく笑ってました。
その次の週、神の手の弟子の受診をしました。「なんでそう言ったのか同席してない僕はわからないけど。まあ前の病院に帰ったら」(弟子なのに)
「え、秘書の方が紹介状を準備してくださるって」
「あら私は書きませんよ。それは先生に言って下さらないと」
弟子も、秘書も、いい加減な病院。もう呆れました。
待合室の時に、母はことさらにこやかに「ありがとうございました、大変ですね」と言ったら秘書は「本当にあの先生そうなの、ごめんねー」と。
私も笑顔で「ありがとうございました」と返しました。もういいよ、と。
(後日、その界隈でききました。彼は良性しか手術しないと)←嫌なことを書いてしまってすみません。ひどい病院だったし、御縁がなかったのでしょう。それが私にとってはいい道だったのだと思います。
さらに言えば、mib-1というグレードの値が私は悪性の部類でした。神の手にはメールで伝えてありましたが、実際の外来でそれを見て断ってきたのでしょう。
放射線医師からの言葉
結局、最初の病院の担当医が育休から戻ったというので、元の病院に戻りました。ただ、どうしても手術がしたくない。あまりにも具合がわるく、全然回復していない。何よりも、あの入院期間を思い出すと、涙が出てくるほどトラウマでした。手術トラウマ、入院トラウマという言葉があるくらい。
いくつか、自費(5万)でセカンドオピニオンを受けました。
皆、手術がいいと言います。
ところが、一人の先生が「君のはでき続けるから、頭を開けずに放射線で叩いて行きなさい」と。「脳は開けるたびに少しずつ崩れていって機能を失うから」と。開頭したくない私は、担当医に告げました。
そして自分で調べたら、前回のガンマナイフは頭に機械をはめ込んで放射線でしたが、ソルトシェルでお面を作って放射線を当てるサイバーナイフ(かかりつけ病院では、やっていない)があるとのこと。
担当医は「どこでやってるか知らないけど、自分で探して」というので(都内の有名大学病院なのに)同じく都内の有名がんセンターをホームページで探して受診しました。
ところが。怒られました。
「君のは手術がいい。悪性になってるかもしれないし、気軽に当てられない」理由はよくわかりません。ぷんぷんおこってるんだもん、全然質問できない。(前回の放射線で悪性になった可能性、効かない可能性?)
結局ほぼ説明されずに、私が希望したので断れないということでやることにしました。
当日、そういえばと技師さん?に「私のはどこに、どのぐらいの線量あてるんですか」と聞いたぐらい。技師さんも戸惑ってました。何も、治療を説明されていない!!
ただ、そのあと腫瘍は小さくなっていました。
そして次の再発
そのあと、また再発。最初できたところの四方八方から、その隣、その隣と出てくるのです。今度もサイバーナイフを希望して、怒られたがんセンターの放射線の先生のところへ。
今度は上機嫌でした。なぜなら、前回の所が効いて小さくなっていたから。「やあ久しぶり!効いたね」こちらも複雑ですが、怒られるよりはいい。この時のも効きました。
またの再発で怒られる
また再発しました。今度は最初の手術の反対側。ところで、放射線をかけるたびに、私は頭が痛くて。どんどん文章も書けなくなるし、言葉も出てこなくなる。一時期は高次機能障害のよう時系列で物事を考えるのが困難になることも。それでも手術よりもまし。
そして、脳外科の担当医は、「簡単な手術で、すぐに取れるけど。ちょっとチームで話し合うね」とさすがに再発しすぎと病院内で話し合って、IMRTという放射線を脳全体にかける方法を提案してきました。
それの場合は、同じ病院内でできるからと。
それしかないのかなと、同病院内の放射線の先生を受診。いい先生でした。ただ、何度も放射線をかけているところに、放射線をかけたことはないと。
やったことがない、と言われると不安。
なんだかんだ怒られて(笑)いますが、前述の医師は経験がある人。これまで放射線をかけていた医師のところに、また受診。
ところが、また怒られました。「もう同じところにかけられない。あなたは早くて半年後、2,3年後に確実に放射線障害で歩けなくなる。あなたも、○○先生(私の脳外の担当医)もわかってない!!俺はやらない!!」
また怒られた…。
そして、主治医の所に戻りました。
主治医は「ならうちの病院でIMRTやりましょう」と。
「え、でも足がうごかなくなるって」
「どんな治療もリスクあるからね」
えええ。
流石にこの病院ちょっと怪しい、もう無理と、少し前にセカンドオピニオンに行ったことがある医師に移りました。
その先生は今回の腫瘍は「とても難しい手術。歩けなくなるかかもしれないし、目が覚めないかもしれない。放射線ができるなら一応聞きにいってみて」と他の放射線の先生たち3人を紹介してくれて。
(こちらは怒られず優しかった)に訊きに行きましたが、いずれもむずかしいとのこと。結局、手術の方向となりました。
そして今
実は治療していません。手術10日前にことわってしまいました。手術しても、とりきれず、今後も出てくるから。前回4年前ですが、そのあと回復まで時間がかかったこと。今の担当医は手術を断った時に
「それが、あなたの本能からの言葉でしょうね」と
「患者さんが納得していないなら受けるべきじゃない」と言って下さり、継続して経過をみてくれています。
普通は自分が執刀していない患者を受け入れません。しかも手術をしてくれと移ってきたのに、そのあと手術嫌だと断ってきた面倒な患者なのに、ありがたいです。
怒られた、という表現は適切ではないかもしれません。
医師としては「なんでリスク高いのに、やらなきゃいけないんだ、わかってない」と。
でも専門じゃない、患者だからわからないです。苛立たれても、何がなんだか。
今は頭の中に腫瘍ができ大きくなり続けていますが、動けないよりも今、手足が動く時間を感謝して生きています。
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