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デザインとは?|デザイン苦手さん、非デザイナー必見
デザインとは?
「デザインって日本語で言ったら何だと思います?」
デザインの講義はこの質問から始めます。
日本では「デザイン」という言葉が違う意味として、独り歩きしている。
そこをきちんと伝えないと、今から自分がどういうことを学んでいくのかがボヤけてしまいます。
「装飾?」
「情報を伝達すること?」
そのような回答をいただくことが多いですが、どちらも方法論の話でしかないのです。
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「デザイン = 設計」
とお教えしています。
翻訳ソフトで「design」と入力すると、設計の他にも表層や意匠等も出てきますが、私自身が「設計」が一番しっくりくるので。
「ライフデザイン」
「都市デザイン」
「デザイン思考」
とデザインはいろんなところで使われる言葉です。
これら全部に当てはまるのは「設計」「人が考えて、つくる」ということです。
そう考えると「人が考えて作ったもの」はデザインされたものなのです。
現代社会を生きる私たちはほとんど「人が考えて作ったもの」の中で生きています。
そして「人が考えて作ったルール」に従って生きています。
法律、社則、道徳、常識、全て人がつくったもの(実物がないので、仕組み、コト)です。
「現代社会においてデザインされてないもの」は、生産されてない生き物や気候、自然災害等々に限られてしまいます。
そんな感じでデザインに囲まれて生きているのが現代人です。
生きているだけでデザインの勉強が無限にできるのです。
そういう風に物事を考えることができれば。
デザインする時に意図すること
デザイン → 設計 → 考えてつくることなので、何かの意図をもって人はデザインするわけです。
その意図は2つに分かれます。
これはWebデザイン、グラフィックデザインもそうですし、ファッションデザイン、ライフデザイン、都市デザインも同じです。
法律も道徳も同じです。
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一つは「機能」。
もう一つは「イメージ」です(情緒と表現する人もいます)。
「Webデザインに求められる機能」は
わかりやすい
読みやすい
見たいものが見つけやすい
使いやすい
情報が整理されている
手間が少ない
当たり前の動きをする
更新しやすい
他にもあるかもしれませんが。
「Webデザインに求められるイメージ」は
安そう
高級そう
信頼してよさそう
楽しそう
レアそう
清潔そう
健康によさそう
やさしそう
ここは無限に出てくると思いますが、ざっと挙げるとこんな感じです。
Webや紙に限らず、ブランディング目的の広告はイメージ重視になりますし、具体的に何かを売る、何かに誘導する等の目的の広告は機能重視になります。
一概にどちらが重要とは言えませんが、基本的に両立させることが多いです。
ちなみにこれがファッションデザインだと
体温調整
肌触り
動きやすい
安全
スタッフや生徒であることがわかる(制服)
という機能的理由があり、
自分が好きなブランドの服を着たい
自分が好きな服を着たい
人から羨ましがられたい
ダサいと思われたくない
異性に好かれたい
同性に憧れられたい
喪に服してます感(喪服)
真面目に仕事してます感(ビジネススーツ)
服を着ていないと恥ずかしい
そもそも服を着ていないと逮捕される
というイメージ的理由があります。
「服を着ない = 逮捕」ってイメージ以外の何物でもないと思っています。
そうじゃなければ、服を着ることを知る前の人類は全員ハレンチだったのかという話になります。
本能
私たちは絶えず情報収集をしています。
それはネットやテレビでニュースを見たり、記事を読んだりということではなくて、五感を通じて様々な情報を収集しているわけです。
寒さを感じたり、肌に付着した異物を感じたり、蚊が飛ぶ音を感じたり、腐ったモノを食べたらマズくて吐き出したりしているわけです。
これら全て生きていくために本能的に情報収集をする作業です。
本能には2種あります。
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自然性本能
人には1万年前の本能がまだ残っていると言われています。
1万年前なので、まだまだ農業も盛んではなく、たまたま野道を歩いていたら、なってた木の実を食べ、近づいてきた小動物を捕まえたりして生きていたんじゃないでしょうか。
さておき、外食チェーンのお店の色はほぼ赤、オレンジ、黄の暖色系です。
ブルーのお店はごくごく僅かです。
なぜでしょう?
暖色系…食欲が増す
寒色系…食欲減退
という本能があるからでしょう。
では、なぜでしょう?
暖色系は「食べ物の色」。
特に1万年前でいくと、草木はあったけど、木の実や肉は貴重だったはず。
少々満腹でもその時に食べておかないと次いつ食べれるかわからない。
ということで、暖色系を見るだけで食欲が増すという仕組みに。
寒色系は「食べ物にはない色」。
もっというと「生き物にはない色」です。
世界には例外的に青い生き物もいるみたいですが、かなりの希少動物のはず。
「青いものは食べたらダメ」って信号が走る。
食べ物じゃないものを食べたら死んじゃいますもんね。
これらは色から本能的に情報集している例です。
色以外の話でいうと、私たちは
「赤ちゃんと似た形をかわいいと思ってしまう」
という本能があると言われています(ベビーシェーマ)。
頭でっかち、おでこでかい、太っちょ、手足が短い、丸っこい…。
アンパンマン、ドラえもん、くまモン、クレヨンしんちゃん…。
赤ちゃんや子どもをかわいいと思わないと、子育てを放棄するかもしれませんし、子どもが苦しんでても助けようとも思わないですよね。
なので、あの形を再現すると「かわいい」を表現できます。
逆に「細い」「長い」「鋭い」等を表現すると「大人っぽい」になったりします。
ゴールは無限にありますが、表現方法は有限なのが広告デザインですね。
社会性本能
「ダサい」
「流行」
これらの現象が発生するのは
「人間の社会で生きていくため」
の本能だと考えています。
「人と同じ」であることに安心し、「人と違う」ことに不安を覚える。
社会的な死なわけです。
「ダサい」も「流行」も移り変わります。
特に明確な理由はないと思います。
私達は「ホモ・サピエンス」と呼ばれる唯一生き残った人類らしいのですが、「ホモ・サピエンスの特徴の一つ」は「集団行動」です。
集団で行動する、「社会」を形成することで、協調しながら助け合って生き延びた人類らしいです。
なので
「他の人と同じじゃないとダメ」
です。
古くなったものをずっと使っていたら、集団から取り残されてしまいます。
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同じ画像を比率を変えて配置しました。
後者の画像は古く感じませんか?
テレビ、パソコン、スマホの画面比率が16:9ベースになり、私達の常識的な比率が16:9になってしまった。
以前のテレビ、パソコンの画面比率は4:3で、写真も4:3なので(こちらは今でもですが)、以前は画像は4:3で表示することが多かったです。
テレビに4:3の番組を見たら、私の9歳の息子は
「昔のテレビや!!」
といいます。
彼は比率で「今」と「昔」を判断しています。
意識と無意識
ただ、四六時中周辺の情報を収集しながらもほとんどの情報に対して無意識で接しています。
莫大な情報量になってしまうため、脳がパンクします。
だから「生きるために必要な情報だけ収集する」仕組みをつくっています。
それが「意識」と「無意識」です。
では、私たちはどういう情報を「意識」するのか?
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それは身の回りの「変化」です。
身の回りの「おかしい」です。
おかしな時だけ反応する、おかしくない時は反応しない。
そうやって脳は無意識に情報の取捨選択をしてくれています。
noteで学ぶデザインスクールについて
まだ続きがあるんですが、今回はここまで。
「自分の13年のデザインスクール運営や、24年のデザイン業界歴を必要としている人はいるかな?」
という実験をしてみよう、と。
私自身もこういうこと考えて、自分でデザインしていますし、生徒の方に指導・添削をしています。
「なぜ?」
がわからないと、それらは全て当てずっぽうになります。
行き当たりばったりで、私の考える「プロの仕事」ではありません。
私の中でデザインは楽しいものです。
そういうことを伝えたいと考えております。
「スクールで話ししていることを書いてもいいのか?」
というツッコミには
「スクールではもっと深いところまでお話してますよ〜(with 私の軽快なトーク)」
と返しておきますね。
では、需要がありそうなら、次回続きを書きまーす。
※25.02.07追加
続きました。
以下、自社広告的なやつです〜